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heiboon
愚痴ばかり言う父と、世界の未来
いつも不思議だった。
父は、満足できないサービスや不快な出来事に遭遇したとき、必ず愚痴を漏らす。常に愚痴を言うので、不快な気持ちを心の中に閉じ込めておくのが不可能なようにさえ見えた。一緒にいる人に愚痴を吐くだけではなく、あるときは当事者に面と向かって、不満足で不快な気持ちを皮肉をまじえて訴える。面と向かって皮肉られる当事者はもちろん、一緒にいて愚痴を吐かれる人も良い気分にはならない。そこまでして愚痴を言う父が不思議だった。
「クレームでもなく正義感でもない。ただ、おかしいことはおかしいと伝えたいだけ。」という父の言葉から大きな気づきを得たのは最近のことだ。それは、おかしいことはおかしいと声に出さない限り世の中は良くならない、ということ。ある人にとっては当たり前のことだけど、事なかれ主義である僕には大きな気づきだった。
世界の未来のために、思いやりをこめた愚痴を吐いていくことを決めた。
400字エッセイ書いています。