成績どうする?コロナ欠席
高校教員が書いている記事です。学校での実践を綴っています。教員向けの内容になります。
新型コロナに感染したり、濃厚接触者になって欠席する生徒が相当数いる。コロナ欠席は珍しくない。学習の遅れや中断が学習意欲や学力の低下を招く事態が続いている。解決策は今のところ、オンライン学習しかない。
学校現場では、師走は成績処理の時期だ。テストを作って採点し、提出物や課題、レポートを評価する。そして評定を算出する。
新型コロナでわかった教員に求められる対応
評価の機会は1回ではダメ。生徒の学習到達を1回のテストだけで測ろうとするのは、間違いだ。コロナ欠席をしてしまうと、出席簿では「出席停止」として扱うが、成績を出す場面では大いに困る。
テストを受けていない生徒の成績をどうする?
直近のテストの得点を、欠席したテストの得点とみなす。これが最も容易な算出方法だが、果たして適切だろうか。理想的にはスペアの問題を用意して、追試を実施するのがいい。ただし、追試問題を作成するには、教員の労力が必要で負担は大きい。公正に実施するには、試験監督や試験時間なども確保しなければならない。追加を実施するなら、教員一人の取り組みではなく、学校としての対応、教務部の取りまとめがあった方がいい。
追試を受けられる条件
追試願や追試届
本試験と同等に扱うのか
無症状の感染者や濃厚接触者が追試を受けられるなら、追試が本試験と同等の難易度であったとしても、不公平になる可能性がある。欠席して自宅にいたとしても、無症状ならテスト勉強ができる。全員が同日に受験するという公平性が追試にはない。学習できない状態で休養していたのなら、後日、追試を受けても有利にはならない。無症状ならテストまでの準備期間が伸びることになり、有利になる。本試験の出題を確認して受験するなら、もっと有利になる。出題内容は容易にSNSで共有できる。
追試で公平性を確保するのは難しい。次善の策は日頃からこまめに評価しておくことだ。何度も評価機会を設け、総合的に評価する方が適切だ。
授業を欠席すると
授業中に課題に取り組めない。
指導なしで自力で課題に取り組むことになる。
課題を提出しないことになる。
課題が出されていることを知らされない。
5回のうち2回をコロナ欠席で評価できない場合
各回10点満点
欠席なしのA 10点 8点 6点 8点 6点
2回欠席したB 8点 6点 8点
Aの合計点 38点
Bの合計点 22点
そのまま合計点を成績とするのに躊躇する。そこで平均点を算出する。
Aの平均点 7.6
Bの平均点 7.33
Bの欠席を0点と判断するとBの平均点は4.4となる。4.4を成績の判断に用いるべきでないとしても、7.33でいいのかとも思う。そこで、出席回数で割って求める平均点と実施回数で割って求める平均点を併用することを考えた。Aは全回出席だから出席回数と実施回数のどちらで求めても7.6だ。併用するというのは、2通りの求め方で平均点を算出し合計するということだ。そうすると、
Aの合計 7.6+7.6=15.2
Bの合計 7.33+4.4=11.73
20点満点
コロナ欠席を不利に扱わないようにする。だからといって同等には扱えない。少ない判断材料で算出するにはどうすればいいか。いかがでしょうか。