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近代美術よりも現代アートが好きな理由

アートの中でも、私が偏愛してるのは現代アートだ。そのため足を運ぶのはルーブル、オルセーなど古代〜近代作品を取り扱う美術館ではなく、ポンピドゥーセンターやギャラリー、ストリートアートなどが中心だ。

近代美術の宝庫であり、必ずしも現代アート大国ではないフランスに住みながら、なぜ私は近代美術よりも現代アートに惹かれるのだろうか。所感を書いていく。

普段は意識しない問いがうまれたのは、先日参加した三菱一号館美術館のトークショーがきっかけだった。

三菱一号館美術館の高橋館長、和田彩花さんがマネや近代美術に造詣が深いこともあり、トークは近代絵画の話が中心だった。普段現代アートばかり見ている私にとっては新鮮に映った。

近代美術の明確な定義はないが、主に19世紀後半〜20世紀前半の美術を指すケースが多い。マネ、モネ、ルノアールや、ピカソなどすでに美術史に残った人物が中心だ。

反面、現代アートは私たちが生きている今の時代のアートを指す。数多存在するアーティストの中から、限られたごく一部が美術史の中で名を刻まれることになる。いわば今の歴史をつくっている人たちだ。

私が現代アートを好きな理由は、アーティストと同じ時代を共有できる喜び、そしてすでに定まった評価や歴史があるわけではなく目利きの余地があること(もちろん分かりやすく市場価格で評価されるなど一部例外はある)、また解釈の幅が広く自由であるからなのだと感じている。

メジャーな印象派よりもニッチな現代アート、というように常にオルタナティブでニッチな方を好む嗜好、よくわからないからこそ作品を通じてアーティストが何を考えているのかを知りたい好奇心もあるのかもしれない。

ただし時を遡ると、印象派も誕生当時は現代アートだったわけで。長い時間軸でみるとまた見方も変わってくるし、時代で区切るのはアートの魅力を知る可能性を狭めているのかもとも感じた。

現代アート偏愛に変わりはないが、せっかくパリに住んでるので、今後は19世紀絵画も見ていきたい。近代絵画を見ることで、現代アートの見方に変化があるのか、楽しみだ。

Photo: Lisa Fujino / Artist: 2shy





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