アイナナは真にこだわったアイドルアニメだ
よく来たな。おれはlirukだ。
かねてより膨大な量の文章を書いているが、その全てを公開することはない。
だが、今回は旧来のフレンドよりとある動画のリンクを送りつけられた。
彼の方を見て、その後再び机を見ると、万札(レンタル料金)がともに置いてあった。それゆえ、感想文を書くことにした。
アイナナとは?
アイドリッシュセブン。IDOLiSH7とも表記される。男性アイドルをテーマとしたコンテンツ群だ。大本はリズムゲームとアドベンチャーの要素を併せ持った、スマートフォンゲームらしい。
今回観た劇場版アニメは、昨年封切りされた新しいコンテンツであるようだ。
おれ自身のバックグラウンド
まずおれは、特定の推しというものを持たない。どちらかというと、コンテンツ全体を通してその輪郭を掴むやり方を好む。
つまるところ、2次元、3次元を問わずアイドル文化には一切触れたことがない。人間に興味がないからだ。なので、実をいうと、タイトルを見ただけではあまりピンと来なかった。
感想
ライブが始まると、各グループの顔見せが始まる。4グループを、順番に流してゆく。
最初はIDOLiSH7。この時点で、既に片鱗はあった。
おれはアイドルソングが一切わからないので、映像や衣装などの視覚面を意識して観るようにした。
結果として、おれは中盤で恐ろしい事実を確信することになる。
二番目のグループは、ŹOOĻ。
先のIDOLiSH7とは全く違う、アグレッシブな音楽が……
音楽が……。
なにこれかっこいいんだが?????????????
おれはこういうのが好きだ。
人間の快楽信号をハックするような、力強いリズム。抉るナイフめいたリリック。現代J&K-POPをルーツとする、芯を通すフロー。
この瞬間、おれは滅多刺しにされた。アイドルアニメをナメていた。ただ歌って踊るものと思っていた。
演者の名前も分からないが、これがアリならアイドル音楽の未来は捨てたもんじゃないなと思った。
その衝撃を受けたまま、TRIGGER、Re:valeと進んでいく。
Re:valeは、リンクを送りつけてきたフレンドの推しらしい。
千が百の頬をなでたように見えた。
……おれのBL回路が、走った。
ともかく、これで一巡したことになる。
次は各グループが、シームレス一曲ずつ演じてゆくフェーズに入る。
二巡目も、IDOLiSH7がトップバッターを務める。
ここで、おれはあることに気づく。
もしかして、全員衣装が微妙に違う??????????
色はいい。各担当にはメンバーカラーがあるはずだからな……。そこはそうだろう。
おれが戦慄したのは、各メンバーが専用の衣装モデルを持っているということだ。
スカートの形がまず違う。前面にも布があるメンバーが居れば、後ろだけ伸ばしている者もいる。
うそでしょ……? これ全部デザインしたの……?
次のグループ、ŹOOĻだってそうだ。ジャケットスタイルのメンバーと、シャツスタイルのメンバーがいる。これ全部デザインしたの……!?
おれもクリエイターの端くれだからな……テキストと3Dモデルという差はあれど、デザインの大変さは重々承知しているつもりだ……。
普通にやれば、メンバーの衣装を全部統一し、統一感を出す選択肢もあっただろう……だが! IDOLiSH7は生半可を許さなかったようだ。衣装が全く同一のメンバーは、存在しない。
このデザイン全部モデリングしたんだ!?!?!?
工数すごいことになってそう。こだわりが、すごい。
ということで、それからは衣装に注目していった。
並行していた作業をストップし、夕飯を遅らせ、アイナナに集中することにした。
Re:valeに至っては、対になるようにデザインが組まれている。
TRIGGERに関しては基調こそ黒だが、デザイン自体は統一していない。
そして、何より恐るべきは、登場シーンによって衣装が変わるのだ。キャラごとではなく、シーンの軸でも衣装が定められている。
これはもう、愛だ。愛でしかない。
そんなこんなで、二巡目も終わる。
IDOLiSH7の赤髪の子と、TRIGGERの子とのデュエット。
今まで意識しなかったけど、単純に声が良いんだよな(そりゃそうだ)……。
そうしたら、後はフィナーレに向けて走っていくだけだ。
白基調の、十六人のアイドルが集まって……
デザインもデザインなら、モーションもそうだ。似ている動きしてるように見えて細部の挙動は全員別々じゃん??!?!?!?
モーションアクターの仕事も本気すぎる。16人のモーションを???? 全員分???? 調整もしてると思うし、さてはここも一切妥協してないな????
モーション触るの、めっちゃ大変なんだよな……。プロはすげえよ……。
一応おれはこれでもVRChatterだし、3Dモデルでのモーションキャプチャーと、そこからの動画作成もやったことがある。
別格だ。レベルが違う。これがプロの仕事なのだ。
衝撃を受けながら、Pieces of The Worldを聴き終えた。
名目上はこれがトリ。ということは、アンコールがあるわけだ。
これまで出てきた16人が、Tシャツ姿で現れる。
流石のアイナナ制作陣といえど、Tシャツ姿では個性は出せまい……。
全員靴が違った。個性があった。こんなのってありかよ……アイナナいい加減にしろよ……!
まとめ
中盤以降、制作陣のこだわりに気づいた後は、衝撃に打ちのめされっぱなしだった。
今回言及は薄かったが、曲だってそうだ。各グループの印象を覆すような曲が、幾つか存在している。イメージ一辺倒ではない、リアルがそこにあった。
なお、これはDay2の差分を観ながら書いている。MCもセトリもDay2用やんけ……こだわりの塊かよ……!
最後に
やっぱ音楽はŹOOĻが好きです
以上、お読みいただきありがとうございました。
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