vol.1「就活スケジュール」外国ルーツの学生向け。日本での就職活動ガイド
こんにちは、Living in Peace(以下、LIP)難民プロジェクトです。私たちは、日本に居住する難民の方向けに、就労支援事業を行なっています。
難民の学生の方への就労支援でひしひしと感じることですが、日本の就職活動には、海外の企業に就職する場合と違う点があります。
こうした点は、事前に知らないと正しく対応することが難しいものです。
私たちが支援してきた難民の学生が最初にぶつかる壁が、就職活動についての情報不足です。
これまで私たちはセミナーというかたちで難民の学生へ情報の発信を行なってきましたが、より多くの方へ情報発信できるよう、noteでは広く「外国にルーツのある学生向け」として日本の就職活動の基本情報を発信していこうと思います。(他言語版も作成予定)
今回はvol.1「就活のスケジュール」です。
なお、「就職活動」は略して「就活」と呼ばれることが多いため、この記事でも「就活」と略して書きます。
◆就活は基本的に大学4年の9月まで
外国ルーツの学生の方が日本で就活をするとき、必ず知っておいてほしいことがこちらです。
多くの日本の企業は大学4年の春から夏に採用を行なっています。大学4年生の10月1日には、入社が決まった人たちを集めて「内定式」というセレモニーを行う会社が多いです。このため、多くの会社は大学4年の10月以降に大学生向けの採用活動を行ないません。ベンチャー企業などは1年中募集をしている場合もありますが、大手企業は募集人数が急に少なくなります。大学を卒業してしまうと、さらに就職が難しくなります。できる限り大学3年生のうちから就活を始めましょう。
※ 2020年10月現在の情報に基づく。採用のスケジュールは企業によって異なりますので注意ください。
◆大学3年の6月~2月は大事な準備期間
日本の就活では、大学3年の3月から大学4年の6月までに多くの会社が就職説明会や採用試験(面接や筆記テストなど)を行ないます。
ですが、それまでにもしておくべきことがあります。大学3年の夏から秋には、多くの企業がインターンシップを開催します。就職したい会社のインターンシップを見つけたら、積極的に参加しましょう。
なお、アメリカやヨーロッパの企業では、インターンシップは数か月以上の長期間で「働くためのスキルや経験を身につける」ものが多いようです。しかし、日本でのインターンシップは基本的に1日から数日間の「短期間の職場体験と会社説明会」といったものです。
この時期は合同説明会や就活イベントなども開催されます。良いスタートが切れるよう、幅広くイベントに参加しながら業界研究や自己分析を進めていきましょう。
◆大学3年の3月から採用試験(面接など)がスタート
大学3年生の3月になると、多くの会社で採用試験をがスタートします。就活サイト(リクナビやマイナビなど)に登録して説明会を予約しましょう。留学生向けページを準備しているサイトもあります。
採用試験で合格すると「内定」という「予定通り大学を卒業できれば採用する」という約束を受けることができます。希望した企業から内定を得ることができれば、おめでとうございます! 就活は終了です。予定通り卒業できるよう、勉強を頑張りましょう。
また、大学4年生の10月1日には、企業が内定を出した学生を集めて祝う、「内定式」というセレモニーが行われることがあります。内定式では内定した会社の歴史や社会人としての心構えなどの説明があり、その後に懇親会が行われることが多いです。参加して同じ企業に就職する仲間と交流を深めましょう!
◆参考:海外にルーツのある学生向けの就活情報サイト
外国ルーツの大学生を対象にした就活情報サイトでは、合同説明会やイベントが案内されることがあります。就活が本格化する前に確認しておきましょう。
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今回は最初の記事と言うことで、日本の就活スケジュールをまとめました。
外国にルーツのある学生の方が日本人学生と同じスタート地点に立って就活ができるよう、自己分析の進め方やエントリーシートの書き方などの具体的な部分について、これからの記事で紹介していこうと思います。
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執筆:向井大輔(Living in Peace)
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※私たちが難民の方向けに就労支援を行なっている背景は下記の記事にまとめています。関心があればぜひご一読ください。