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唾液の役割

唾液(だえき)とは”つば”のことです。実際に食べ物を食べていないときでも、美味しい食べものを想像したときや、梅干しなどすっぱいものを想像したときなどにも口の中に出てきますよね。
この唾液はどこで作られ、どんな役割があるのでしょうか?
実は、私たちの健康を保つために大切な役割があるのです。

■唾液が作られる場所

唾液は、唾液腺(だえきせん)と呼ばれる場所で作られます。
犬と猫には大きな唾液腺が身体に4つあり、それぞれ名前がついています。
①頬骨線(きょうこつせん):ほほ骨の下のあたり
②耳下腺(じかせん):耳の付け根のあたり
③舌下腺(ぜっかせん):舌の付け根のあたり
④顎下腺(がっかせん):下あごのあたり

ヒトには、大きな唾液腺は耳下腺、顎下線、舌下腺の3つがあります。

図6


これらの大きな唾液腺で作られた唾液は、導管(どうかん)と呼ばれる管を通って、口の中に流れ込みます。
その中でも、頬骨線と耳下腺で作られた唾液は量が多く、上あごの第4前臼歯と呼ばれる歯(図ではピンク色の歯)のあたりに出口があります。

唾液の中には、歯石の原因にもなるカルシウムがたくさん含まれているため、唾液がたくさん出てくる出口に近い歯は、歯石がつきやすくなりますので、歯みがきの際にしっかり磨きたいポイントになります。

■唾液の役割

唾液の役割は、次の9つが知られています。
中には、ヒトと犬猫で違う役割もあります。

①消化を助ける:ヒトの唾液中の酵素アミラーゼがデンプンを分解して糖に
        変えることで、栄養が吸収されやすくなる。(犬猫の唾液
        中にはアミラーゼは含まれていないので、犬猫の唾液には
        この機能がない)

②口の中を守る:唾液中のムチンなどの糖タンパク質は口の粘膜の表面を
        おおって乾燥を防いだり、食べ物の刺激から守る。

③飲み込むのを助ける:唾液の中の水分と食べ物が混ざり、
           飲み込みやすくなる。

④味覚を助ける:食べ物を食べると、味が唾液の中に溶けだし、
        舌の上にある味蕾(みらい)で味を感じることができる。

⑤口の中を洗い流す:唾液が歯の表面や歯の間についた食べかすを
          洗い流して、口の中に残らないようにする。

⑥口の中のpHを調節する:口の中のpHが一定になるように調節する。
             ヒトでは酸性~中性、犬猫では弱アルカリ性に
                                             なるように保つ。

⑦歯を補修する:唾液に溶けているカルシウムやリンが食べものを食べた後
の酸によってダメージを受けた歯を修復する。

⑧細菌やウイルスを抑える:口の中で細菌が異常に増えるのを防ぎ、
病気になるのを防ぐ。

⑨体温を調節する:犬や猫では、口呼吸(パンティング)により唾液のなか
                                の水分を蒸発させて、気化熱(※)で体温を下げる。
※気化熱:液体が気体になる(気化する)ときに吸収する熱のこと

唾液には、私たちの身体を守るための大切な役割がたくさんあるのです。

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