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贅肉な人生

本を読むたびに、「この言葉良いなー、俺も使いたいなー、でもそのまま使うのはダサいからやだなー、でも使いたいな、ああーどうしよ、悩むなー」
という人生のルーザーみたいな思考をしているうちに
やっぱいいや面倒くさいからと結局使わない。

贅沢なご身分だな、「」とか、とかーとか大量に使いやがって。
まるで贅肉じゃねえか。プルプルしててブヨブヨな脂肪みたいな言葉ばかり。

本を読んでいる人にみんな一定の誤解がある。
頭がいいのだろうと。頭がいいから読んでいるのでは断じてねえぇ

すごい繊細で文学的な言葉を使うんだろうな。
心が繊細なだけで、使う言葉はため息が出るほど普通です。
ていうか文学的ってなに?

素敵な人生を送りたい。
素敵な本を読んでいたい。

本が好きだから、目的もないのにYouTubeで『本』とか『読書』とつい検索してしまう。検索してしまうたびに『身にならない読書の仕方』とか『正しい読書』とか『なんのために本を読むのか』という正論に声をかけられて、静かにYouTubeを閉じて目を伏せる。

本を読むたびに、何かを得なくてはいけない感覚に陥る。

ああー、建設的で生産的で、人がまだ見つけていない言葉を使いたい。
うん?矛盾してるな。
人がまだ見つけていない言葉?それは建設的で生産的なのか?
いや、違うよな。うん。
たこ焼きにいちご入れるくらい違う。
『うちの息子大学に落ちて浪人なんですよね〜』と言われたけど話聞いてなくてとりあえず『おめでとうございます』っていうぐらい違う。

現に建設的で生産的な言葉をこの記事の中で一つも吐いていない。

とりあえず今日も目的なんか贅沢なもの持たずに、本を読もう。
うん。それがいい。
『ああー』とか「うんうん」とか贅肉のような言葉を吐きながら本を読み進めよう。
そして、こんな僕でも建設的で生産的なまだ人が見つけていない言葉をいつか吐きたい。

うん。ああー、、うん、ねえ、、ありがとう。何が?

ゆめうつつ

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