個性的な夏の鳥たち
暦は「立秋」。
とはいえ日本から聞こえる連日の猛暑のニュースにはあまり秋を感じない。
ドイツのこちらは、早朝15℃ほどに下がる日もありうっすら秋の気配もしないではないが、まだ真夏日も何日かありそうだ。
さて、毎年この季節にだけ家のまわりにやってくる鳥がいる。
姿はまだ見たことがない。特徴的な鳴き声だけが聞こえている。来るのは決まって夜だからだ。だいたい22時すぎから鳴きはじめる。
高く澄んだ声で「ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ」が延々と続く。それぞれ1秒間ぐらいずつ、最後の小さい「い」の部分は音程が若干下がる。
少し憂いを帯びたような美しい声ではあるが、静まり返った夜遅くにはいささか響きすぎる。
それだけではない。
ほぼ規則的にリズムを刻む中、数回に一回、ほんの少しだけ遅れるのだ。
こういう音には無頓着そうな、かつ、家にいてもあまり自分から話題を振ることのない息子ですら、「ねえ、鳥さぁ...…」と2階から降りてきた。
それでも何時ごろに止むのかは誰もわからない。みんな普通に眠れているということなのだろう。
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どうにもせわしい様子でうるさいヤツもいる。こちらは朝に来ることが多い。
スズメ系の声だが、「チュンチュン」よりも、もっと激しくイラついたような音がする。イメージ的には「火打石」のようで、やたら響く。「チッチッチッチチッチッチチチッチッチチ」……ちょっと落ち着け。
今朝は庭の木の枝にいて特にひどかった。あまりにうるさいからか(そうではないと思うけど)カラスに一蹴されて飛んでいった。
まあ鳥たちにもいろいろ個性や事情があるのだからうるさいというのはこちらの身勝手なのだが。
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平穏が戻った木にその後やってきたのはキツツキ。(ヘッダーの写真に小さく写っています)
森での「カラカラカラカラ…」という不思議な音ではなく、「コンコン、コン」と大工さんのような音を出している。
裏手の家の庭の工事となかなかいい音のコラボになっている。
虫をおびき出す試みは成功した様子で、ひとしきりついばんだあとに飛び立っていった。
みんなよい一日を過ごしてほしい。
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