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飛んでほぼイスタンブール

さて、きょうから何回かに分けて「ドイツから4泊5日イスタンブールへの旅」のいろいろをお届けします。

……とはいえ、この記事ではまだイスタンブールに到着しません。笑
現地での様子を知りたい、という方は明日以降お越しください。


出発の朝。
旅は夫の「えええええ!」という声から始まった。
空港まで乗るはずだった電車がキャンセルされたという。絶対なにか仕込んでくるドイツ鉄道。受けて立とう。
ドタバタと予定より早く家を出て、少し遠回りになる別ルートで向かう。結局、十分な余裕を持って到着することができた。


ところが、このあと携帯電話に航空会社からSMSが届く。
遅延のおしらせだった。

約1分の間に3通


出発予定時刻13:40のところ、「14:30になりそうです」「16:50になりそう」「やっぱり15:50かも」というようにたて続けに送ってきた。
そんなに焦らなくても、ちゃんと決まってからでいいから。

*ちなみにその後、最終的な出発予定16:15とボードに出るも、そのお知らせは来なかった。そして実際の出発は17:00だった。笑


さて、余裕を持って着いたところに飛行機が遅延となり、暇を持て余す。大きな空港ならまだしも、今回は小さな地方空港だ。
お昼にと持ってきた鮭おにぎりも食べてしまった。

と、「Reisemarktはこちら」という看板が目に入った。Reise=旅、markt=市場ということで、なんだか字面が楽しそう。

行ってみると、そこには旅行代理店のブースが並んでいた。店ごとに行き先やテーマに特色を出している。
イビザ、ギリシャなど人気の近場から、キューバあたりまで幅広いチョイスがある。商品の多くは飛行機やホテル、食事やアクティビティまで込みのいわゆるフルパッケージツアーのようだった。

しかし空港にこういう店を置く意味はあるのだろうか。
空港に来る人というのはだいたいこれから旅行なり帰省なりビジネスなり、もうすでに飛行機に乗る予定があるだろう。
「お、これいいな」とは思っても、ここで予約する人はいるのか。
まさか適当に旅支度をしてここへ来て、「さあ、どこに行こうかなー」と店を覗くというのも考え難い。(けど、ちょっといいかもと心が動いた)
見送りに来た人が「次は行ってやるぜ」と勢いで予約するのはあり、かなあ。

ともあれ、やはりお客さんは見当たらない。遅延で時間を持て余す私たちぐらいだ。
店にはだいたいスタッフがひとり(か、いない)。
みな「お客さんなんて来るはずがない」というスタンスでずっとスマホをいじっている。ひとり若い女性スタッフが「どちらかお探しですか?」と声をかけてきたが、「Nein, danke(いいえ、ありがとう)」と返す前にもう頷いているといった具合だ。

「空港までのドイツ鉄道チケットつき」のマークが
なんだかふんわりした呪いのように見える


こういうときは時間の経つのが遅い。代理店ブースを離れてうろうろしていると、誰も通らない渡り通路のガラスの向こう側に不思議なというか不気味なというか、よくわからないものを見つけた。

空港関係者しか入れない場所だと思うのだけれど…

どうしてここに…


やっとゲートが開く。
飛行機まではバス移動だ。チケットとパスポートのチェックを受けて乗り込むが、これがまたなかなか発車しない。
遅れている乗客を待っているようだ。

やっとドアが閉まって走り出す。
ところが、バスは30mほど走ってぴたりと止まってしまった。停止線だろうか。ここで曲がるのかな?などと思っていると、なんとドアが開いた。
乗客はみな「?」という顔をしていたが、半信半疑で降りる。

結局はゲート前に停めてあった飛行機に乗ることになるのだった。
おそらく関係者以外立ち入り禁止の区域というのが厳しく定められていて、すぐ近くであってもそこは歩かせることができないのだろう。それは理解するが、30mだけのバス移動はなんとも滑稽だった。


こうして私たちは晴れて機上の人となり、まだ見ぬ地イスタンブールに向かうのだった。


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