産直フルーツのケーキとアイスコーヒー
週末の午後のこと、息子がカフェに行ってくるという。
「ほら、あそこのさ」
そう、昨年秋に紹介したこちらの「産直カフェ」。
しばらくご無沙汰していたら週末だけの営業になっていて、タイミングを逃していたのだった。
「あそこのカフェ行かない?」ではなく、「カフェに行ってくるかな」みたいな言い方だから、ひとりで出かけるのかと思ったが、なんかその後に妙な間が。一緒に行こうというのだろうか。
「え、一緒に行くの?」と、いささかとんちんかんな質問をしてしまう。
「うん。……別にひとりでもいいけど」
「いやいや、行こう行こう」
息子はまだ家の中だというのにもう帽子など被っている(洗えるストローハット)。
これをかぶると、ただでさえ似ているスナフキン味が増す。
ともあれ、ひとたび家を離れてしまったら連絡を取るのにも苦労するような息子である。ここは一緒に行くでしょう。
日陰を選んでてくてく歩いた。ほのぼのした光景に見えるが特に会話はない。笑
いつもは賑わう店内もその日、客はひとりもいなかった。
ショーケースにはたっぷりの生クリームにベリーやフルーツののったホールケーキが並ぶ。
洗練された感じはあまりないが、おおらかというかふくよかというか、まあとにかく大きくカットしてくれる。
この一切れで4.50€(今のレートで約750円)。このあたりの相場からすると高くない。ホールケーキの直径は軽く30cmを超える大きさ、銀座あたりのケーキ4-5こ分と思えばお得だ。そんなに量は要らないんだけど。笑
スポンジケーキは素朴でほろっとほどけるタイプ。ほとんど甘さのない生クリームが、採れたてのきゅっと味の濃いフルーツを引き立てる。なかなか幸せな気分になる。
ケーキもよかったが、今回なんといってもうれしかったのは「アイスコーヒー」だ。
ドイツのカフェにおける夏の定番「Eiskaffee=アイスカフェ(下から4番目)」というと、冷たい(ときに生ぬるい)コーヒーにバニラアイスと生クリームがのった、いわゆるコーヒーフロートが出てくる。
それがここは一番上に「Iced coffee」とある。これは日本で言うところのアイスコーヒーだろう。期待が高まる。
ケーキを注文したあと、英語につられて、「Bitte(お願いします)」の代わりに「Iced coffee, please」と言い、スカしたやつっぽくなってしまった息子がおかしかった。
出てきたのがこちら。大きな氷のかたまりが入った、我らのアイスコーヒーだ。
イタリアもフランスもコーヒーをアイスで飲む習慣はあまりないため(最近はどうかわからないけど)、もしかしたら日本以外でいただく初めての「アイスコーヒー」だったかもしれない。
9月の初めごろ、また真夏日になる予報が出ている。この夏、もう一度カフェのアイスコーヒーを楽しめるかもしれない。
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