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トルコの朝食「カフヴァルトゥ」|イスタンブール
さて、トルコ人学生 Pさん提案のトルコの定番の朝食「カフヴァルトゥ(Kahvaltı)」。
Kahvaltıはもともと「コーヒーの前」という意味らしい。料理のひと品の名ではなく、朝食の形式やその習慣のことを指す。
新市街のベシクタシュ地区にはこの朝食を提供するレストランが集まる有名な一角があるという。
「私もここは初めてなんですけどね」とスマホ片手に案内してくれるPさん。
店の並ぶ狭い路地、ここでも熾烈な客引き合戦があった。
少しでも歩を緩めると店から人が次々出てきて誘われる。
「すぐにお出しできますよ」
「どこから来られたのですか?」
こういう場合はとりあえず「ドイツです」とは言わず「日本です」と答える。
と、ある店の主人は「おお!日本といえばこの人」と、そばのテーブルに座っている青年に話を振った。
そのトルコ人の青年は「こんにちは、僕は東京に住んでいます」と、自然な発音の日本を話した。港区在住なのだそうだ。どうもトルコと日本を行き来しているらしく、「ここにいるときはいつもこの店に来ています。いい店ですよ」と言う。
Pさんはもしかしたら他に目当ての店があったのかもしれないが、こんななりゆきで、その店に入ることになった。
じつは招き猫的に入り口近くに座らせていたりして。
このカフヴァルトゥ、とにかくいろいろなものが出てくる。
まずはたっぷりの搾りたてオレンジジュースとチャイ(トルコの紅茶)、ペットボトルの水。
続いてチーズや野菜、付け合わせなどがどんどん出てくる。
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オレンジジュースをいただいている間にもどんどん品数は増え、テーブルはいっぱいになった。
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Pさんによれば、日常の朝食ならこの中から2〜3品組み合わせることが多いらしい。もちろん、地方によって多彩なバリエーションがある。
左下の丸いパンのようなものは揚げパンだ。その下にちらっと見える棒状のものはチーズを巻いて揚げてある「チーズ春巻き」みたいなもの。その上はチーズ2種。
小皿にはドライトマト、フルーツのコンポート的なもの、オリーブなどなど。
木製の鍋敷きにのっている3品に寄って撮ったのがこちら。
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左は牛肉やスパイスで作られる腸詰「スジュク(Sucuk)」。
奥はとうもろこしの粉とチーズを練って作る黒海地方の「クユマク(Kuymak)」。これはビョーンとかなり伸びて楽しい。先日の山の恵みの記事で書いたイタリアのポレンタ・クーザに少し似ている。
右は、これまた定番中の定番という「メネメン(Menemen)」。
トマトと卵、ししとうなどを炒めたもので、意外に優しい味。ひとりで店に入って注文するならこれ一択になりそうな、発音のわかりやすい料理だ。笑
左上にちらっと見えている小皿はハチミツとカイマク(Kaymak)と呼ばれるクリームを合わせたもの。濃厚なミルクの風味とハチミツが合う。
休日にはゆっくりおしゃべりしながらいただくというこの朝食。
私たちもそれにならっていろいろな話をした。
じつはPさん、このあとドイツから合流するドイツ人彼氏とともに帰省することになっているのだった。
多くの地方の町にその傾向があるように、ご実家のあるあたりもなかなか保守的らしく、初めて彼氏を連れて帰るということに緊張している様子だった。
Pさんは大人数での食事のときなども、率先して(しかも静かに)お皿を洗うような真面目で気づかいのできる人だ。
今回の帰省がうまくいって「みんなハッピー」になれるよう願っている。
チャイを飲みながらそんな話をしているわけだが、グラスの半分ぐらいまで減るとすかさず店の人がやってきて継ぎ足してくれる。チャイの飲み過ぎでお腹が膨れ、料理は食べきれなかった。
さて、締めはコーヒー。もちろんトルココーヒーだ。
左から水、チャイ、コーヒー、水。……うっぷ
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トルココーヒーの特徴を究極までざっくり言えば、「コーヒーの粉とお湯(お好みで砂糖)が混ざったもの」だ。
フィルターを通したり蒸気で抽出したりしない。
そのため、しばらく置いておいて粉が沈殿するのを待つ。
上澄みを飲む、という感じだろうか、底のほうには最後にこんなふうにどろっとした粉が残る。
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豆としてはそれほどの特徴はないようだが、粉の挽き方に違いがあり、ドリップ用のものよりだいぶ細かい。これを挽くミルと専用の小鍋を息子が買っていた。
こちらは専門店で買ったもう挽いてあるもの。
鮮度が大事ということで、一番小さい56g入りにした。
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袋の裏に紹介されていた作り方は :
水65ml、コーヒーの粉6g(小さじ2杯)、適宜砂糖を小鍋に入れ弱火にかけ、かき混ぜながら沸騰させる。盛り上がってきた泡をまずカップに移し、残りをさらに沸騰させて注ぐ
きょうも冷たい雨のドイツ。あつあつのトルココーヒーで温まりましょうか。