高齢者の死亡リスク低減にはペスコベジタリアン食が最適
さまざまなベジタリアン食に、死亡リスクや疾患リスクを低下させる効果があるが、超高齢者のリスクに対して最も効果的なのは、魚を含むペスコベジタリアン食であるようだ、という研究報告。
研究チームは、「アドベンチスト健康研究2」のデータを解析した。これは、米国とカナダ在住のセブンスデー・アドベンチスト信者約96,000人を2002年から2015年まで追跡した大規模コホートである。本研究においては、88,000人以上の参加者(うち約12,500人が死亡)のデータが分析された。食事データはアンケートを使用して収集され、非ベジタリアン、セミベジタリアン、ペスコベジタリアン、ラクトオボベジタリアン、ビーガンの5つのパターンに分類された。
解析の結果、ベジタリアン食は、特に男性と中年(65歳)層において、全死亡リスクおよび多くの疾患別死亡リスクが低かった。しかし、非常に高齢(85歳)のベジタリアンでは、脳卒中、認知症、パーキンソン病などの神経疾患のリスクがわずかに高いことが観察された。それにもかかわらず、ペスコベジタリアン食は、高齢者であっても、他のベジタリアン食や非ベジタリアン食に比べて、わずかだが顕著な利点を提供し続けた。
「ベジタリアン食は中年期までは死亡リスクを予防する効果があるようですが、80代に入ると、厳格なベジタリアン食を遵守する人々にとってその全体的な利点は消えてしまうようです」と研究者は述べている。
ベジタリアンは、非ベジタリアンに比べて死亡リスクが約 12% 低かった。ペスコベジタリアン食を摂る参加者は死亡リスクが 18% 低かった。ラクトオボベジタリアン食 (乳製品と卵を含む) を摂る参加者は死亡リスクが 15% 低かった。ビーガンは全体として死亡リスクの低下は 3% 未満だったが、女性ビーガンとは対照的に、男性ビーガンは非ベジタリアンよりもずっと良好な結果だった。
「全体的に、これは米国のベジタリアンが、非ベジタリアンよりも早死にから守られていることを示す最も明確なデータの一部です」と研究者はコメントしている。
出典は『American Journal of Clinical Nutrition』
http://dx.doi.org/10.1016/j.ajcnut.2024.07.028
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