見出し画像

キムチの抗肥満効果を確認する新たな臨床研究

キムチを定期的に摂取すると体脂肪が減り、腸の健康が促進されるようだ、という前臨床試験および肥満男女を対象とした臨床試験の報告。

研究チームは、肥満の動物モデルによる前臨床実験で、キムチを摂取した動物の体脂肪が 31.8% と大幅に減少したことを明らかにした。さらに、大規模な人口ベースの研究である韓国ゲノム疫学研究(KoGES)から13年間にわたって収集されたデータの広範な分析により、適切なキムチの摂取は、中年男性のBMIの15%の低下と肥満発生率の12%の低下に関連していることを明らかにした。

次に研究チームは、キムチの抗肥満効果と腸内細菌叢への影響に焦点を当てたランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した。BMIが23~30 kg/m²の男女90人の身体計測値、血液バイオマーカー、腸内細菌叢の変化を調査した。参加者はランダムに3群に振り分けられ、3か月間、(1)自然発酵キムチ粉末、(2)Leuconostoc mesenteroides KCKM0828 を含むスターター発酵キムチ粉末、(3)プラセボ粉末を摂取した。

研究チームが参加者の体脂肪構成の変化を分析した結果、キムチを摂取したグループは体脂肪が2.6%減少したが、キムチを摂取しなかった対照群は体脂肪が4.7%増加し、両グループの間に統計的に有意な差が見られた。

さらに、参加者のマイクロバイオームを分析したところ、キムチの摂取により有益な腸内細菌であるAkkermansia muciniphilaが増加し、肥満に関連するProteobacteriaの数が減少した。

キムチの体脂肪減少効果に関するこの臨床試験が成功したことは、キムチを継続的に摂取すると腸内細菌叢の調整を通じて肥満症状の緩和に効果があることを示唆している。

「前臨床研究と臨床試験の結果、キムチの抗肥満効果が体系的に検証され、キムチの優れた効能を広く知らせるのに役立つ科学的根拠が提示され、キムチが世界的に認められる健康食品として成長するための基礎が築かれました」と研究者はコメントしている。

出典は『Journal of Functional Foods

http://dx.doi.org/10.1016/j.jff.2024.106401


いいなと思ったら応援しよう!