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妊娠中のフッ素曝露が神経行動学的問題のリスクを高める

妊娠中の胎児へのフッ化物の曝露は、生まれてきた子供のいくつかの神経行動学的な問題リスクの上昇と関連がみられるようだ、という研究報告。

米国の人口のほぼ4分の3は、虫歯予防のために1945年に始まったフッ化物を含む飲料水を飲んでいる。しかし最近のいくつかの先行研究では、脳の発達にとって極めて重要な時期である妊娠中にフッ化物を摂取すると胎児に害を及ぼす可能性があることが示唆されている。

研究者らは、 229 組の母子(母親の平均年齢29.45歳、女児116人、男児113人)を対象に調査を行った。妊娠後期に採取した尿サンプルからフッ化物への曝露量を算出した。その後、3歳時の子供の行動について、親の報告に基づいて子供の社会的・感情的機能を測定する「就学前児童行動チェックリスト」を使用して評価した。

データ解析の結果、胎内でのフッ化物への曝露濃度が0.68mg/L高まるごとに、臨床的に有意またはその境界線上にあると考えられる行動上の問題を示す可能性が 1.83 倍高まることが明らかになった。特に、より多くのフッ化物に曝露した子供には、感情的な反応、身体的な不満(頭痛や腹痛など)、不安、自閉症に関連する症状などの問題がより多く見られた。

攻撃性や注意力の問題などの「外在化行動」を含む他のいくつかの神経行動学的症状との関連性はみられなかった。

現在、妊娠中のフッ化物摂取を制限するための公式な勧告は存在しないが、研究者らはこれらの研究結果が変化を促す一助となることを期待しているという。

「胎児にとってフッ化物を摂取することによる利点は知られていません。しかし、北米で現在行われているいくつかの研究では、その時期に発達中の脳にかなり重大なリスクがある可能性があることが示唆されています」と研究者はコメントしている。

出典は『JAMA Network Open


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