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健康的な食生活を促進する栄養表示は購買意欲を減退させる可能性
米国人に健康的な食品の選択を促すために作られた食品ラベルの中には、逆の効果をもたらすものもあるようだ、という研究報告。
研究チームは、308人の被験者に、イチゴ味のギリシャヨーグルトのFOPラベルデザインを検討し、いくら払ってもよいと思うかを示すよう依頼した。パッケージデザインの1つには「健康的」ラベルが、もう1つには「おいしい」ラベルが、さらにもう1つには両方のラベルが付いており、最後のデザイン(対照)にはどちらのラベルも付いていなかった。
対照群と比較すると、回答者は「健康的」ヨーグルトに支払う意思が 18% 少なく、「健康的」かつ「おいしい」というラベルが付いたヨーグルトには 25% 少なかった。ただし、「おいしい」というラベルだけが表示されても、回答者の支払い意思にプラスにもマイナスにも影響しなかった。
この調査結果は、健康ラベルが味と贅沢さを妥協しているという印象を喚起する可能性があることを示唆している。
「商品に『健康的』と単に表記するだけでは不十分かもしれません。消費者が、その食品が健康的である条件が何なのか疑問に思ったり、ラベルから味の悪さなど望ましくない特性を連想したりすれば、逆効果になる可能性もあります」と研究者はコメントしている。
注目すべきは、「健康的」ラベルに関連するマイナスの割引は、次の文章を添えることで緩和されたことだという。「今ご覧になった製品には、『健康的』シンボルが付いています。このラベルは、製品が FDA が提案する「健康的」と指定される基準を満たしていることを示しています。具体的には、飽和脂肪、添加糖、ナトリウムが少ないことが求められています。」
出典は『Food Policy』
http://dx.doi.org/10.1016/j.foodpol.2025.102804