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孤立した高齢者はビタミン・ミネラルが不足しがち

社会的に孤立している英国の高齢者は、ビタミンCやビタミンB6などの主要な微量栄養素の摂取が不足している可能性が高く、健康問題のリスクが高まっているようだ、という研究報告。

研究者らは、イングランドの全国的代表人口サンプルが2年ごとに幅広い質問に回答する英国縦断的高齢化研究(ELSA)のデータを使用した。2日間に何を食べ、何を飲んだかについての詳細なアンケートに回答した50歳以上の3,713人のデータを解析した。また、回答者は、一人暮らしかどうか、家庭以外の友人や親戚と会う頻度、クラブや団体に参加しているかどうかに基づいて、社会的に孤立している程度を採点された。

全体として、回答者の驚くほど多くの者がビタミンとミネラルの摂取量が推奨量より少なかった。例えば、回答者の半数はカリウムの摂取量が少なく、3分の1はマグネシウムの摂取量が少なく、4分の1はカルシウムが足りず、6分の1は鉄分が足りなかった。

研究者らは、社会的に孤立している人ほど、マグネシウム、カリウム、ビタミンC、葉酸、ビタミンB6という健康に不可欠な5つの微量栄養素の摂取量が推奨量より少ない傾向があることを発見した。

社会的孤立は、主に肉、卵、乳製品に由来する微量栄養素であるカルシウム、鉄、ビタミンB12の不足の可能性の上昇とは関連がなかった。

さらに研究者らは、孤独は社会的孤立とは異なり、微量栄養素の摂取量が少ないことと関連がないことを突き止めた。

研究者らは、微量栄養素の摂取量が少ないことは、孤立の感情面、つまり人がどれだけ孤独を感じるかとは関係がなく、健康的で多様な食事に関する情報を提供してくれる人が周りに少ない、栄養のある食事の準備を手伝ってくれる人がいないなど、つながりが少ないことによる実際的な結果と関係していることを示唆していると述べた。

研究チームは、社会的孤立スコアが高い人が必ずしも孤独を感じるとは限らないと指摘している。

研究者らは、この結果は、研究対象となった社会的つながりの少ない人々は、野菜(濃い緑色の葉野菜など)、果物、ナッツ、種子、豆類の摂取が少ない、より伝統的な食生活を送っている可能性が高いことを示唆していると述べている。

出典は『Age and Ageing』


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