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果物や野菜を多く食べて食事中の酸を減らすと高血圧患者の血圧が下がり、腎臓と心臓の健康が改善される

医師は、高血圧患者の治療に果物と野菜を基本にすることを推奨している。果物と野菜を多く含む食事は、塩基生成効果により血圧を下げ、心血管疾患リスクを減らし、腎臓の健康を改善することが分かっている。今回、果物と野菜の摂取がもたらす更なるエビデンスを提供する5年間の介入ランダム化比較試験の結果が詳述されている。

研究チームは、高血圧だが糖尿病ではない、マクロアルブミン尿症の患者153名を対象にランダム化比較試験を実施した。マクロアルブミン尿症の患者は慢性腎臓病を患っており、時間の経過とともに腎臓病が悪化するリスクが高く、その後心血管疾患を発症するリスクも高まる。

研究参加者は、ランダムに以下の3群に振り分けられた。(1)通常の毎日の食事に加えて、塩基を生成する果物と野菜を2〜4カップ摂取。(2)NaHCO 3(重曹)錠を1日2回服用。(3)対照群。

その結果、果物と野菜群、およびNaHCO3群は、共に腎臓の健康を改善したが、血圧を下げ、心血管疾患のリスク指標を改善したのは果物と野菜群のみで、NaHCO3群では改善はみられなかった。

「これは、果物と野菜は高血圧患者に対する「基礎」治療であるべきであるという私たちの推奨を裏付けるものです。果物と野菜で 3 つの目標 (腎臓の健康、血圧の低下、心血管疾患リスクの軽減) すべてを達成でき、しかも薬剤の用量を減らして実現できるからです」と研究者はコメントしている。

研究チームが「基礎」を強調するのは、多くの臨床医が高血圧治療を薬物療法から始め、血圧が適切にコントロールされていない場合に食事療法を加えるからである。研究チームは、その逆のことを裏付けている。つまり、治療は果物と野菜から始め、必要に応じて薬物療法を加えるべきだということである。

出典は『The American Journal of Medicine

http://dx.doi.org/10.1016/j.amjmed.2024.06.006



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