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【職業紹介事業】とは?! 利用するメリット、デメリットは?! 紹介禁止業務はある?!

正社員の仕事を探すとき、通常、【ハローワーク】や【合同企業説明会】などに参加して求人募集企業を探しているかと思います

これまで人材紹介会社を利用した経験はありますでしょうか?!

『就職活動は自分一人でするもの』という固定観念はないでしょうか?!

自分一人でするのも良いですが、プロのサポートを受ける方法があります

それが、「人材紹介会社(転職エージェント)を利用する」です

この記事を読むことで、【職業紹介事業】の理解と共に、幅広い就職活動により、多くの求人情報の中からあなたの条件に合う会社に巡り会う方法が分かります

また人材紹介会社の活用方法までしっかりと把握することができます

それでは詳しく解説していきます

この記事で分かること

【職業紹介事業】の2つの事業の仕組み

【人材紹介会社】の活用方法と流れ

【人材紹介会社】の活用のメリット・デメリット


職業紹介事業とは?!

職業安定法第4条第1項において、
「求人及び求職の申し込みを受け、求人者(会社)と求職者(仕事を探している人)との間における雇用関係の成立をあっせんすること」と定義されています

まず最初に語句の定義を説明していきます

【求人】…報酬を支払って自己のために他人の労働力の提供を求めること
 例)求人者:企業、労働者を求めている会社、個人

【求職】…報酬を得るために自己の労働力を提供して職業に就こうとすること
 例)求職者:仕事を探している人

【雇用関係】…報酬を支払って労働力を利用する使用者と、労働力を提供する労働者との間に生じる使用・従属の法律関係
 例)会社(使用者)=労働者(労働提供者) 

【あっせん】…求人者と求職者の間をとりもって、雇用関係が円滑に成立するように第三者として世話をすること
 例)仲介者

次に職業紹介事業の2つの種類を説明していきます

職業紹介事業の種類

ここからは、職業紹介事業の種類を説明していきます

職業紹介には2つの種類があります
有料職業紹介事業
無料職業紹介事業

有料職業紹介事業

職業紹介に関し、手数料又は報酬を受けて行う事業
※厚生労働大臣の許可が必要

一般的に人材紹介会社(転職エージェント)などが行っている事業ですね

事業を行っている事業所には下記のように、許可番号が与えられます

有料職業紹介事業(○○-ユ-●●●●●●)  ※○●には番号が入ります

また、下記の2業務は有料職業紹介事業が法律で禁止されています
有料職業紹介事業の対象とならない取扱禁止業務は下記の2業務

■港湾運送業務
港湾労働法第2条第2号に規定する港湾運送の業務又は同条第1号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として厚生労働省令で定める業務

■建設業務
土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業またはこれらの作業の準備に係る業務

※ただし、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の規定に基づいて厚生労働大臣の許可を受けた認定団体は、建設現場作業員の有料職業紹介が可能

上記2業務は歴史的な背景、業務の特質上の理由から取扱禁止業務とされています

無料職業紹介事業

職業紹介に関し、いかなる名義でも手数料または報酬を受けないで行う事業
以下の4種のケースがあります
(1)一般の方が行う場合 ※厚生労働大臣の許可

(2)学校教育法第1条の規定による学校、専修学校等の施設の長が行う場合 ※厚生労働大臣に届出

(3)商工会議所等特別の法律により設立された法人であって、厚生労働省令で定めるものが行う場合 ※厚生労働大臣に届出

(4)地方公共団体が行う場合 ※厚生労働大臣に通知
無料職業紹介には学校による紹介、ハローワークによる紹介などが当たりますね

次に、この制度を就職活動にどのように活かしていくかを説明していきます

ここでは、主に【有料職業紹介】の活用方法を解説していきます

有料職業紹介では、人材紹介会社(転職エージェント)を活用することが一般的です

人材紹介会社の取扱い職種は多岐に渡っていて、営業や事務といった一般的な職種の紹介だけではなく、エンジニアやクリエイターなど技術職、専門職に特化した紹介会社もあります

有料職業紹介、無料職業紹介も、基本的に求職者は【無料】で利用できます

※原則、有料職業紹介では求職者側から手数料を受け取ることが法律で禁止されています

※ただし、芸能家(放送番組、映画、寄席、劇場などにおいて音楽、演芸、その他の芸能の提供を行う者)、モデル、配ぜん人、調理士、家政婦(夫)など一部の職種については、一定の上限を超えない範囲で手数料を受け取ることが可能

一方、企業は人材紹介会社から人材を紹介してもらうと手数料を支払わなければなりません

おおよその相場(2023年時点)は企業は【有料職業紹介】によって人材を紹介してもらうと、紹介人材の予定年収の約20~40%程度の金額を手数料として支払います

例)年収350万円 30%=105万円  
企業から人材紹介会社へ105万円が支払われる

次に人材紹介会社を活用した就職活動の流れを説明していきます

人材紹介会社 ~活用の流れ~

それでは、人材紹介会社(派遣会社等)を活用した就職活動の流れを解説していきます

【人材紹介会社】の活用のスケジュール

  1. 人材紹介会社へ登録

  2. 面談

  3. 企業紹介

  4. 応募、書類選考

  5. 企業面接

  6. 選考結果通知

①人材紹介会社へ登録

まず、求職者が人材紹介会社(転職エージェント)など有料職業紹介を行っている会社に登録します

登録をするには、求職者がウェブサイト(転職サイト)から①人材紹介会社を探索するか、②自分が志望する仕事の案件、を探します

■探す方法は2通り

①人材紹介会社を検索し、その会社の仕事情報を検索、合致している仕事があれば登録

②志望する仕事を検索し、その求人が出ている人材紹介会社へ登録

人材紹介会社のそれぞれの特徴もありますが、通常においては「②.」をお勧めします

お勧めする理由は、求職者の最大ミッションは「志望する仕事への就職」

それを考えると人材紹介会社はどこでも良いですね

※人材紹介会社によっては【就職祝い金】のような形で手当を付与している会社もあり、差別化を図っています

②面談

志望する仕事が見つかったら、事前に用意した履歴書(事前提出もある)持参して、【有料職業紹介】を行っている会社へ訪問します

会社ではコーディネーター(仕事を紹介する人)が求職者の希望の職種や条件などについてヒアリングをします

※面談は通常、有料職業紹介のオフィスで行われることが多いです
※昨今、WEB面談や求職者の都合に合わせて近くのカフェで行う場合もあります

【派遣会社に提出する履歴書の書き方】についてはこちらの記事で解説しています

③企業紹介

コーディネーターが面談をもとに求職者の希望を確認し、それと企業が求めている人材の条件のすり合わせを行います ※「マッチング」と言ったりします

※有料職業紹介会社内では、会社が担当している求人案件から求職者条件とマッチしている求人案件を探索します

両者がマッチしていると判断した場合、コーディネーターから求職者にその企業求人を紹介します

・紹介を受けたからといって、必ず応募しなければならないわけではありません
・有料職業紹介の紹介が選考に対して有利に働くこともありません

④応募、書類選考

コーディネーターに紹介された企業に応募したいと志望した場合、人材紹介会社は志望企業へ問い合わせをかけます

■人材紹介会社:「ご経歴が○○○○、このような方が御社を志望していますが、面談いただけますでしょうか?」

■志望企業:「それでは一度、書類選考をしますので履歴書を確認させてください」
と言ってくるケースがほとんどです

企業がその方の履歴書を確認後、「面談してみたい!」という希望があがれば、面接へ進みます

応募に際してコーディネーターが履歴書、職務経歴書の添削や面接の練習などのサポートをしてくれる場合もあります
※これは求職者にとってのメリットです
プロのサポートをしっかりと受けることができます!

【派遣会社に提出する履歴書の書き方】についてはこちらの記事で解説しています

⑤企業面接

マッチングが成功すれば、次は企業面接です

一般的には、コーディネーターが志望企業と面接日程を調整してくれます

面接には、コーディネーターが同席します

3者面談では、コーディネーターも隣に座って、サポートしてくれます
(企業へアピールポイントの訴求、円滑なコミュニケーションのファシリテーター役)

主に面接は企業からの質問(履歴書、職務経歴書には書いていないこと)がメインになります

企業としては、「この人を採用したらどんな仕事をやってくれるのか企業にとってこの人を雇うメリットがあるのか」が重要ポイントとして見られています

嘘はいけませんが、「自分はどういったことで会社に貢献できるのか」を上手に自己PRできることが、採用に向けて大切なポイントとなります

原則、コーディネーターが同席する場合が多いです ※3者面談
有料職業紹介会社がチェック機能を果たしています

(注)求職者が一人で行うと両者間だけの話し合いが行われてします
※企業は紹介料を払いたくないので、一旦不採用にするが、後々個別で連絡を取り合い、採用とするケースも見受けられたりします

⑥選考結果通知

企業面接が終了したら、企業から有料職業紹介会社へ採否の連絡があります

求職者は有料職業紹介会社から採否の結果を聞くこととなります

 ※採用が決まれば、企業から有料職業紹介会社に対して紹介手数料が支払われます

企業と有料職業紹介会社の間においては、返金契約(早期退職の場合は、紹介料の○○%を返金する、等)を締結するケースがあります

人材紹介会社を活用するメリット・デメリット

それでは次に、人材紹介会社(転職エージェント)を活用するメリット・デメリットを解説していきます

【メリット】

■潜在的求人ニーズを見つけることができる

求人広告を出していない、企業が人材紹介会社にしか求人案件を出していないケースも多くあります

現在では、求人募集は自社で募集をかけるのではなく、プロ(人材紹介会社)に任せるケースが多くなってきています

一般的には公開されていない、非公開求人を人材紹介会社が持っています

■転職活動のプロからの助言、サポートを受けることができる

履歴書の書き方/面接の受け方、等のプロのサポートが受けられる

この点は、求職者からして非常に大きなポイントです

採用確率を上げてくれます

■直接雇用案件(正社員、契約社員)が多い

パート/アルバイト求人ではなく、【正社員】、場合によって【契約社員】案件が多いです

昨今、人材紹介会社(転職エージェント)の案件は、正社員求人が多くなってきています

企業は、自社募集で多額の採用費をかけるのであれば、人材紹介会社(転職エージェント)に採用に至るまでの費用を任せてしまった方が効果的だと考えるからです

※自社募集で、月間10万円の募集広告費を使い、10ヶ月広告を打ち続けた結果(計100万円)、1人も採用できないという結果になることも多々あるからです

【デメリット】

■希望する仕事を見つけるまでに、色々な人材紹介会社を探索する時間がかかる

仕事の内定をもらうまで、長期に渡ることもあります

人材紹介会社(転職エージェント)を複数社、利用している場合はその分、時間もかかります

ただ、慎重に就職活動をするのは大切なことですので、ある程度の時間をかけてじっくり検討することが必要です

■人材紹介会社を通しているので、辞める際に気後れする

確かに、人材紹介会社を通しているので、コーディネーターへの心配りは大切なことです

しかし、必要以上にそれに重きを置くと自分の為の就職活動が本末転倒になってしまう可能性もあります

退職する際にはしっかりと理由を丁寧に伝え、道義を通せば問題ありません

まとめ

【有料職業紹介】は基本的に無料で利用ができ、コーディネーターによる助言、手厚いサポートも受けられるので、転職活動をする場合は、選択肢の一つとして考えておきましょう

転職活動はその後の人生にとって影響のある貴重な機会です

一人で抱え込んで悩むのではなく、転職のプロに手伝ってもらうことも志望企業に入社するためには良い手段かと思われます

転職活動に不安を抱いている人や、より自分に合った求人を探したい、という人は是非利用してみるのも良いですね





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