現場でしか学べないこと
近年では、SNSやオンラインセミナーを活用して学ぶ機会が増えました。
どこにいても情報にアクセスでき、効率的に技術や知識を吸収できる環境が整っています。
私自身も、SNSやオンラインの便利さには感謝していますし、それらが業界の成長に大きく貢献していると感じています。
ですが、私は一方で「現場でしか学べないこと」があるとも強く感じています。
美容師として日々サロンに立つ中で、「生きた環境」の中でしか得られない学びの大切さを実感しています。
今回は、そんな現場での学びについて考えてみたいと思います。
現場で学ぶことの価値
現場で学ぶことの魅力は、何といっても「リアルさ」です。
例えば、先輩スタイリストの仕事を目の前で見ることで、技術だけでなく、お客様とのやり取りや立ち居振る舞いなど、言葉では表現しきれない部分を学ぶことができます。
SNSの動画やオンラインセミナーでは、一つの技術をわかりやすく解説してくれますが、実際の現場で行われるやり取りや、その場の空気感までは伝わりません。
現場での学びは、言葉にならない「空気感」や「タイミング」を肌で感じ取ることができるのです。
私がアシスタントだった頃の学び方
私がアシスタントだった頃は、SNSやネット環境が整っておらず、現場での指導がメインでした。
もちろん、外部のセミナーにも積極的に通っていましたが、一番多くのことを学んだのは、日々のサロンワークの中での経験でした。
先輩スタイリストの隣に立ち、どんなカウンセリングをしているのか、どのようにお客様の要望を聞き取っているのかを観察する。
そして、何気ないお客様との会話や対応を見ながら、「こういう言葉選びが信頼を生むんだな」と気づく。
これらは全て、現場だからこそ得られる学びでした。
当時は、アシスタントとしての毎日が目まぐるしく、時には何もできずにただ見ているだけの時間もありました。
しかし、今振り返ると、その「見るだけ」の時間が、私の基礎を築いてくれたのだと実感しています。
現場での学びの具体例
現場で学べることには、以下のようなものがあります。
1. 技術のリアルな応用
SNSやセミナーで学んだ技術を実際のお客様にどう応用するか。
その「応用力」を間近で観察できるのは、現場ならではです。
カットやカラーの進め方だけでなく、お客様の髪質や要望に合わせた調整の仕方は、現場で見て学ぶことで大きな気づきになります。
2. コミュニケーションの取り方
お客様との会話やカウンセリングは、技術と同じくらい大切です。
特に、美容室では初対面のお客様も多いため、短い時間で信頼関係を築くスキルが求められます。
先輩美容師がどのようにお客様の要望を引き出し、提案しているのかを実際に聞けることは、非常に貴重な機会です。
3. サロンワークのリズム感
現場では、スタッフ同士の連携やタイミングが重要です。
アシスタントがどのタイミングで動くべきか、スタイリストが次の工程をどう進めるか。
その流れを体感することで、サロン全体のリズムを理解し、自分の動き方を改善していくことができます。
「見ること」の大切さ
現場で学ぶ上で、最も重要だと思うのは「見ること」です。
ちょっと手が空いたときに、自分の次の仕事を探すのももちろん大切ですが、その時間を使って先輩スタイリストの仕事を観察してみるのはいかがでしょうか?
ただなんとなく見るのではなく、「何をしているのか」「なぜその対応をしたのか」を考えながら見ることで、得られるものは何倍にもなると思います。
そして、その学びを実際の自分の仕事に活かしてみることが、成長につながるのではないでしょうか。
オンラインの学びとの違い
もちろん、SNSやオンラインセミナーも素晴らしい学びの場です。
特に地方で働いている美容師の方や、サロンを離れられない状況の方にとっては、時間や場所を問わず学べる環境は非常に便利です。
しかし、現場には現場でしか得られない「リアルな感覚」があります。
技術や知識だけでなく、その場の空気感や臨機応変な対応力を学ぶには、やはり現場の経験が必要です。
おわりに
美容師の仕事は、「現場」で学ぶことが基本です。
先輩や同僚の仕事を横で見たり、お客様との会話を聞いたりする機会を、自分の成長につなげていく。
それこそが、現場でしか得られない「生きた学び」だと思います。
情報が簡単に手に入る時代だからこそ、目の前の現場に目を向けてみてはいかがでしょうか?
そこには、あなたのスキルや考え方を一段引き上げてくれるヒントがたくさん詰まっているはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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また次回の平井Noteでお会いしましょう!