“わかる”ということについて考える
「わかる」という言葉を日常的に使っていますが、その本当の意味を考えたことはありますか?
先日、読んでいた本の中で目に留まった一文があります。
「わかるということは、何がわからないのかを、わかることである。」
この言葉に触れたとき、私はハッとしました。
「わかる」とは、何かを完全に理解することだと思っていましたが、それだけではない深い意味があるのだと気づかされたからです。
今回は、この言葉をもとに「わかる」ということの本質について考えてみたいと思います。
普段の「わかる」の使い方
日常生活や仕事の中で、「わかる」という言葉は頻繁に使います。
たとえば:
お客様とのカウンセリングで、「髪がまとまりにくいんです」と言われ、「わかりました」と答える。
技術練習中に、「どうしてこうなるのかがわかる」と感じる瞬間。
誰かに説明を受けて、「なるほど、わかった!」と納得する場面。
ですが、これらの「わかる」は本当に深い理解を表しているでしょうか?
もしかすると、その場では納得したつもりでも、後から「あれ、本当はあまりわかっていなかったかもしれない」と感じることもあるのではないでしょうか。
「何がわからないのかを、わかる」という考え方
本の中で触れた「わかるということは、何がわからないのかを、わかることである」という言葉には、本質的な気づきが含まれています。
この言葉を読み解くと、次のようなことがわかります:
1. わからないことを見つける大切さ
本当に「わかる」ためには、自分が何を理解していて、何を理解していないのかを知る必要があります。
たとえば、美容師としての技術でも:
「なぜこのカットラインがキレイに出ないのか」
「どの薬剤を使えば、理想の仕上がりになるのか」
これらを明確にしない限り、解決策にたどり着くことはできません。
2. わからないことを認める勇気
「わからない」と言うのは、時に勇気が要ります。
特に美容師のような経験を重ねる仕事では、「自分がわからないなんて言ったら恥ずかしい」と感じる場面もあります。
ですが、自分のわからない部分を受け入れることで、初めて学びのスタート地点に立てるのです。
実践の中で感じる「わかる」
美容師として日々感じるのは、カウンセリングや技術の中で「わかる」を深める重要性です。
1. カウンセリングでの気づき
お客様とのカウンセリングでは、「髪を軽く見せたい」「まとまりやすいスタイルにしたい」といった要望を伺います。
ただ、それだけで「わかりました」と返すのは、表面的な理解にすぎません。
真に「わかる」ためには、その言葉の背景を考えることが大切です。
髪を軽く見せたい理由は?
日常のスタイリングで何が問題なのか?
お客様がどんなイメージを持っているのか?
これらを掘り下げることで、初めてお客様の本当の悩みや希望を理解することができます。
2. 技術の中での成長
カットやカラーリング、パーマなど、すべての技術は日々進化しています。新しい技術を学ぶとき、「なんとなくわかった」で終わらせてしまうと、結果にばらつきが出てしまいます。
たとえば、失敗したスタイルがあった場合、「なぜ失敗したのか」「何を変えれば上手くいくのか」を深く考えなければ、次に活かすことはできません。
「何がわからないのかを、わかる」ことで、技術の精度が上がり、自信を持って提案できるようになります。
「わからない」を受け入れる強さ
「何がわからないのかを、わかる」という考え方は、私たちにとって非常に有益です。
それは、自己成長のための第一歩となるからです。
1. 成長するための土台
「わからない」部分を明確にし、それを解決するために行動する。
この繰り返しが、成長につながります。
何もかも理解しているという思い込みを捨て、「まだわからないことがある」という謙虚さを持つことが大切です。
2. 他者と学び合う
自分一人で考えていても、解決できないことは多々あります。
そんなとき、同僚や先輩、美容師仲間と話し合うことで、新たな視点が生まれます。
「わからない」を共有することで、知識や技術を分かち合い、より深い「わかる」にたどり着けるのです。
美容師として大切にしたい「わかる」
美容師の仕事は、技術だけでなくお客様との信頼関係が重要です。
その信頼を築くためには、お客様に「この美容師は自分をわかってくれている」と感じてもらうことが不可欠です。
そのためには、常に自分の「わかる」を深め続ける必要があります。
お客様の言葉や行動、髪の状態にしっかり向き合い、「何がわからないのか」を丁寧に探ることが、美容師としての成長につながると信じています。
おわりに
「わかる」という言葉の奥深さに気づかされたのは、たった一文の言葉からでした。
しかし、この気づきは、私にとって大きな学びとなりました。
これからも、仕事や日々の生活の中で「わからない」を受け入れ、それを解決していくプロセスを大切にしていきたいと思います。
そして、少しでも「わかる」を深めながら、美容師としての成長を続けていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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また次回の平井Noteでお会いしましょう!