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何から伝えようかな?~英語の語順と情報の順番~
今回は語順に関する基本的な考え方について
今回は特定の文法事項に関する解説ではなく、文法全体にかかわる基本的な考え方の解説です。この知識が持っているのとそうでないのでは文法の解像度が格段に変わります。ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
どっちの方が理解しやすい?
まずは、次の2つの会話を見てください。
1つ目の会話
A:駅前にコンビニがあるやん。
B:うん。あるな。
A:あそこ、閉店すんねんて。
B:え、ほんま? そこで毎朝おにぎり買ってたのに…
2つ目の会話
A:あそこ、閉店すんねんて。
B:え、どこのなにが?
A:駅前のコンビニが
B:え、ほんま? そこで毎朝おにぎり買ってたのに…
では、質問です。
どちらの会話の方が自然ですか?(どちらの方が受け付けやすいですか?)
おそらく、多くの方が1つ目の会話というのではないのでしょうか。
2つ目の会話が成立していない訳ではないのにも関わらず、どうして1つ目の会話の方が自然に感じるのでしょうか?
*会話が終始、大阪弁なのはご了承ください。標準語で書こうと試みましたがなんかうまく書けなかったので諦めて大阪弁で書いてます。
情報の内容にヒントがあるのではないか?
1つ目の会話の方が自然に感じる理由を探るために、まず初めにそれぞれの会話を具体的に分析していきましょう。
1つ目の会話では、最初にAさんとBさんの共通の情報(=駅前にコンビニがあるという情報)を確認しています。そのあとにAさんしか知らない情報をBさんに共有しています。
2つ目の会話では、最初にAさんしか知らない情報を共有しています。そのあとに共通の情報をAさんしか知らない情報に付け加えています。
このことから、この2つの会話の違いは情報の順番が違うことが分かります。
情報の内容に名前を与えよう
話し手と聞き手の両者が知っている情報(=駅前にコンビニがあるという情報)を旧情報と呼びます。
(旧情報は文脈の中で既に登場している情報と言い換えることができます。)
そして、話し手しか知らない情報(=駅前にあるコンビニが閉店するという情報)を新情報と呼びます。
(新情報は文脈の中でまだ登場していない情報と言い換えることができます。)
情報の流れ(情報の順番)と会話の自然さには関係がある。
これまでの内容から人間は旧情報から新情報へと情報が流れると自然に感じる(理解しやすい)ということが分かります。これは日本語・英語関係ありません。
情報の流れと英文法の関係
情報の流れと英文法には強い関係があります。例えば、能動態と受動態の書き換え・第3文型と第4文型の書き換え・倒置など。
A:Mori Ougai wrote the novel.
森鷗外はこの小説を書いた。
B:The novel was written by Mori Ougai.
この小説は森鴎外によって書かれた。
Aの英文とBの英文では表している状況は同じです。しかしMori Ougaiという情報とthe novelという情報の順番が違います。そのことによってこの2つの情報の意味がこの2つの英文では異なります。
Aの英文では、
Mori Ougaiは旧情報(=話し手も聞き手も知っている情報)
the novelは新情報(=話し手しか知らない情報)
Bの英文では、
Mori Ougaiは新情報(=話し手しか知らない情報)
the novelは旧情報(話し手も聞き手も知っている情報)
つまり、話し手と聞き手が森鷗外の話をしていてその中でとある小説の話をする場合は、「森鷗外」が旧情報で「小説」が新情報になるのでAの英文が適切(自然)です。
逆に話し手と聞き手が小説の話をしていてその中でとある森鷗外の小説の話をする場合は、「森鷗外」が新情報で「小説」が旧情報になるのでBの英文が適切(自然)です。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は情報の流れと英文法の関係について解説しました。この知識で全ての語順を説明できるわけではありませんが、僕の感覚では7割程度の英文はこれで説明ができると感じています。では、次の記事でお会いしましょう。