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note 37:光学系学習史:その3ー190612

note 37:光学系学習史:その3ー190612

そうこうしているうちに、仕事の実務でも光学シュミレーションが必要になってきたので、Optalixを卒業して、2005年にZEMAX-EEを購入。当時で60万円位(買取価格)しました。その後どんど価格がアップしていき150万円まで跳ね上がってしまいました。現在はサブスプリクション料金体系に変わったようです。今の商品名はOpticStudioです。
https://www.zemax.jp/pricing/opticstudio/individual-license

高価な光学シュミレーションソフトを購入しても、光学の知識がなければ豚に真珠です。
色々と参考書、ネットを探し回った結果、とてもいい本に巡り会いました。
それは、永田信一 著の「レンズのわかる本」です。
アマゾンの購入履歴を調べたら2003年の私の誕生日に購入していました。
https://amzn.to/2WwckJy

とても平易な文章で説明されてるにもかかわらず、光学の基礎についてほぼすべて網羅してある素晴らしい本です。
表面的には簡単な内容のように見えますが、これらを本当の意味で理解していれば凄いと思います。
いまでも、よく読み返して確認しています。

本当に良い技術書とは、難しいことを分かりやすく内容を損なうことなく平易に表現してある本だと思います。
一番のお気に入りは、「ラグランジュの不変則」、「リレーレンズ」の項目です。

この本で説明されているレンズメーカの式を使えば、電卓で(もちろん手計算でも)像のできる位置と大きさが簡単に求められる。
この本をざっと読めば、むかし理科の実験でやった顕微鏡、望遠鏡、虫眼鏡などの光学系の動作原理が概ね理解できるようになると思います。

この本を読んで、レンズやミラーを使った光学系の光学定数(焦点距離、屈折率、レンズの曲率)を使って計算すれば、おおまかな光学系の特性が得られます。この方法は、虫眼鏡を使って太陽光を集光すると、虫眼鏡からどのくらいの距離に集光点がくるのか求めるくらいなら十分です。しかし、最も身近なカメラのレンズの特性を求めようと思うと不十分です。
そこで光学シミュレーションソフトが必要になります。

ここから本格的な光学シュミレーションソフトを使った光学設計が始まりました。
しかし、光学の基礎を理解した次のステップとしてで光学シミュレーションソフト(以下、ZEMAX)の操作方法を習得しなければなりません。

まだZEMAXが購入できない時期には、2005年頃自腹で東京まで無料のZEMAXセミナーに参加したこともあります。その時の講師が、先程紹介した本の著者、永田信一さんでした。
そこで、独学で勉強していた時にわからなかった、光学シミュレーションソフトの基礎が学べました。今でもとても感謝しています。
その後、ZEMAXの有料セミナーに参加したり、ZEMAXの日本代理店に質問したりして、徐々に理解を深めて行きました。

もともと、パソコンが好きだったので、ZEMAXの操作をゲーム感覚で攻略していくような気持ちで取り組み、徐々に理解できるようになって行きました。

最初のZEAMXの日本代理店はリーディンテックという会社でした。有料サポートにもかかわらず、質問への回答のレズポンスが異様に遅くて困りました。又、質問にたいする返事が上級の光学設計者を相手にしているような専門用語の羅列で、意思疎通するのにも一苦労でした。今にして思えば、光学のド素人の訳のわからない質問に、「この人、なにが聞きたいの?」と困惑されていたのが推測されます。全く新しいい分野について勉強する場合、まずその分野の業界用語を理解しないと、なかなか本質的な理解までたどり着けないということを、身にしみて感じました。

その後、代理店が以下のように変遷していき、サポート内容が上々に改善されて行きましたが、サポート料金もうなぎ登りに上がっていき、ついにはサポート契約をやめました。

リーディンテック

株式会社 ティー・イー・エム

株式会社 プロリンクス

Zemax Japan
www.zemax.jp


株式会社 プロリンクス 時代にあったZEMAXユーザーサポートフォーラムはまだ閉鎖されたいませんが、とても有用なので、ZEMAXの操作で疑問点があれば閲覧は可能なので、ぜひ覗いて見てください。
https://www.prolinx.co.jp/zemaxforum/


さて、カメラのレンズに必要とされる性能について次回書いていきます。


#光学系
#学習

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