流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~完全栄養食(完全食)編~
私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。
本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。
21回目は、「完全栄養食(完全食)」を取り上げます。ドリンクやパウダー、パスタ、パン、グミなど、完全栄養食(完全食)の種類はさまざま。ふだんの食事にも取り入れやすく、ダイエット中の食事に置き換えられるほか、災害時の非常食としても活用が期待されています。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。
1.「完全栄養食(完全食)」の現状と認知度
「完全栄養食(完全食)」とは、厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準」に基づき、人が健康を維持するために必要な栄養素をすべて含むように作られた食品のことです。
『BASE FOOD(ベースフード)』や『COMP(コンプ)』、日清食品の『完全メシ』シリーズといった商品が代表的で、CMなどでもみかけるようになってきました。手軽にバランスよく栄養を取れるということで、忙しい人やダイエット中の人などにも人気があるようです。
※『カロリーメイト』や『SOYJOY(ソイジョイ)』などの、栄養補助食品・栄養機能食品とは異なります。
「完全栄養食(完全食)」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
・「完全栄養食(完全食)」の認知率は全体で54%
・「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で8%
・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%
「完全栄養食(完全食)」の認知率は、全体で5割超でした。男女別で比較すると、男性が53%、女性が56%とわずかに女性が高い結果です。 年代別では10~20代のほうが30~50代よりも高い認知率で、もっとも高いのは10~20代男性で66%となりました。
「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で8%、「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%となっています。男女ともに10~20代の利用経験率が高く2割強。現在利用率も男女で大きな差はないものの、10~20代男性でやや高い割合でした。
2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~
次に、「完全栄養食(完全食)」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
その結果「完全栄養食(完全食)」の流行体感スコアは全体で「8.1」で、およそ12人に1人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。
年代別にみると、男女ともに30~50代よりも10~20代のほうが高めのスコアとなっています。
3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用していると思うか」を想像して答えてもらいました。
グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
「完全栄養食(完全食)」の流行予想スコアは全体で「23.3」で、およそ4人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の約2倍浸透しているというイメージになります。
男女別にみると、女性のほうが男性に比べてスコアがやや高くなっており、もっとも高いのは10~20代女性で「28.5」でした。年代別では、男女ともに30~50代に比べて10~20代のスコアがやや高くなっています。
「完全栄養食(完全食)」を半数くらいの人が利用していそう/誰も利用しないであろう、それぞれの意見をご紹介します。
4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~
次に、今後の利用の意向について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で45%となりました。
男女別にみると、女性のほうが男性よりもやや高めの割合です。年代別では、男女ともに10~20代のほうが30~50代よりも利用意向がある人の割合が高く、特に10~20代女性ではもっとも割合が高く5割超となっています。
一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で29%でした。
「完全栄養食(完全食)」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
5.「完全栄養食(完全食)」は今より約2倍伸びる!?
ここまでの主な数値をまとめてみました。2022年9月21日時点での「完全栄養食(完全食)」の認知率は54%、現在利用率は8%でした。
流行体感としては、全体で“およそ12人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。
そして、今から1年後には、現在の約2倍にあたる“およそ4人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。
男女年代別にみると、利用意向は10~20代女性で他の層よりも高く、5割超の利用意向があります。また、流行体感スコアは男女ともに30~50代に比べて10~20代のほうがやや高くなっていました。
1年後の流行予想スコアでも、男女ともに30~50代に比べて10~20代のほうがやや高くなりました。
手軽にバランスよく栄養が取れる「完全栄養食(完全食)」は、全体で5割超の人が認知しているものの、現在利用しているという人は1割弱となっています。「価格が安ければ利用してみたい」「筋トレやダイエットのサポートに利用してみたい」などの前向きな意見がみられる一方で、「あまりおいしいと思わない」「お金がかかる」「料理が好き」といった声もあがっています。手間をかけずに必要な栄養が取れる完全栄養食(完全食)の利用が、今後どのように広がっていくのか注目ですね。
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2022年9月21日~2022年9月24日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります
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