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中学生追い詰めた"SNSいじめ"、戦争で夫を亡くした女性、熱中症で球児に後遺症…「LINEジャーナリズム賞 24年8月〜10月期」受賞の3記事

さまざまな社会問題を題材として、読んだ人の心を深く動かした記事を、閲覧数やSNSでの拡散数、ユーザーアクションなどをベースに選考し表彰する「LINEジャーナリズム賞」。

今回は2024年8月から10月にLINE NEWSに配信された、100万本を超える記事の中から3本を選出しました。

SNSいじめの実態や対策を伝えたMBSニュース、戦争で夫を失った女性の願い、そして炎天下でのスポーツのあり方について取り上げたTBS NEWS DIGの記事。心を動かす3本を紹介します。


「金魚の糞やん」 息子の死後に母が突き止めた苛烈なSNSいじめと、第三者委が下した“超異例”の判断

MBSニュース(2024年9月21日掲載)

編集部コメント

ニュース報道に際して、取材対象者が何でも話してくれることはありません。ましてや、大切な息子を亡くした母親に辛い記憶を再び呼び起こさせる取材は、そこに至るまでの信頼関係の構築や大変な思いの共有があったことは想像に難くありません。

今回、大切な中学生の命が失われた"SNSいじめ"における、グループLINEやInstagramでの苛烈な言葉や具体的な内容を読者の我々が知ることで、危険がすぐそばにある現在社会の現実をまざまざと突きつけられました。

「悲しみは一生消えることはない」という母親の思いを受け止め、新しい加害者や被害者を生み出すことがないよう、まず自分の身の回りの行動を見つめ直そうと強く思いました。

LINE NEWS編集部 杉本良博

中学生の息子を失った母親の悲しみ、怒り、悔しさがありありと伝わってきました。グループLINEでの攻撃、Instagramに届く匿名の誹謗中傷…まだ中学生だった少年にとって、"SNSいじめ"の被害がどれだけ辛いものか想像すると、胸がふさがる思いです。

子どもたちを被害者にも加害者にもさせないために、ネットリテラシー教育や、大人に相談できるルール決めの大切さを強く感じました。

そして、ネット上で他人を中傷しているのは、子どもだけではありません。大人たちが誰かを罵り傷つける姿を、子どもたちが見て悪影響を受ける可能性もあります。親や教育者ではない大人にとっても"SNSいじめ"は他人事ではなく、当事者として考えなくてはならない問題だと思います。

LINE NEWS編集部 奥村小雪

「最後に一目子どもを」叶えられなかった夫の願い、107歳の今も。妻・母として“生きると決めた”日の記憶

TBS NEWS DIG(2024年8月12日掲載)

編集部コメント

戦争で引き裂かれた「ある家族」について迫った記事。107歳のインタビュイーから語られる、「顔中涙だらけにして幼い子どもを抱きしめていた夫」への想いは、読んでいて目頭が熱くなりました。また、空襲から逃げる際に幼子が、身の危険をわからずキャッキャと笑う様子などは、生々しく切ない情景がありありと頭に浮かびます。

「戦争だけは、二度とやるもんじゃない。絶対に」という結びの言葉は、記事の中で苦しみが綴られていたからこそ、響くものでした。きっと、同じような境遇だった市井の人々は数多くいるのだろうと思うと、胸が締め付けられます。個人の実体験や感情に迫る内容だからこそ、伝わる悲しみや教訓があるのだと改めて認識させられました。

LINE NEWS編集部 嘉島唯

今なお鮮明に残る、伴侶を戦争へ見送った記憶。夫から届いたハガキに書かれた願いを叶えられなかった後悔。そして、終戦から8年も経ってから届いた夫の戦死。まるで昨日のことのように語られる想像もつかない箱石さんの体験に、戦争は一人ひとりの当たり前だったはずの生活や幸せを、いっぺんに奪っていくのだと感じさせられました。

胸が締め付けられる思いとともに、「戦争だけは、二度とやるもんじゃない。絶対に」という箱石さんの言葉が深く心に刻まれました。

世界では今この瞬間も戦争が行われ、同じ悲劇が繰り返されています。107歳まで理容師を続けてきた箱石さんの記憶と現在の生活を通じて、戦争反対と平和への強い気持ちを改めて抱きました。

LINE NEWS編集部 井上眞理子

「人生変わった」重い後遺症も…炎天下のスポーツと熱中症、“運動中止”の暑さでも「試合を消化しないと」

TBS NEWS DIG(2024年9月7日掲載)

編集部コメント

高校時代に熱中症で倒れ重い後遺症が残った元球児の男性や、高校野球の関係者などへの取材を通して、熱中症対策を模索する現場の今を伝えた記事。

記録的な猛暑が続く昨今ですが、現在、高校野球には試合を中止する暑さの基準がないといいます。一方、中止することで、じゃんけんで勝敗を決めざるを得なくなるケースもあるなど、運営の難しさも垣間見えます。

夏の間は熱中症による犠牲者・搬送者の数が連日のように報道されていましたが、数字だけでなく、その当事者の実態を伝えたことは、大きな意義があるように思います。

「人生が全部変わってしまうので、自分の体を一番に考えてやってほしい」という男性の言葉は重く、その対策が急務であると痛感しました。

LINE NEWS編集部 前田将博

熱中症によってどのような後遺症が残り、何を諦めなければならなくなったのか。

部活中に倒れ、一命をとりとめた元高校球児の「助かったことでより苦しくなった」という言葉に、"たかが熱中症"とは決して軽視できない現実を突きつけられました。

一方で、指導や大会運営の視点、スポーツに打ち込む学生たちの立場で問題を捉えた記事後半では、単に「大会を見送ればいい」「練習を中止すればいい」という安易な結論では片付けらない難しさ、現場の切実な事情が垣間見えました。

熱中症は決して他人事ではありません。

スポーツの現場を含め、これまでの"当たり前"を見直していかなければならないと強く感じました。

LINE NEWS編集部 荒川のぞみ

当事者の心情に迫り、平和や社会課題について考えさせてくれる3本を紹介しました。日々さまざまなニュースをお届けしているLINE NEWSをぜひ覗いてみてください。

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