出版社でも新聞社でもなく「LINE」を選んだ理由、校閲者20人に聞いてみた
LINEに入社して1年半が経ちました。
筆者は新聞社、テレビ局を経て、現在は校閲チームで校閲者をしているのですが、まわりのメンバーの経歴も実に多種多様です。
今回はLINE校閲チームで働く20人にスポットを当て、アンケートを基に「今の仕事を選んだ理由」を聞いてみました。
マスコミ業界出身者が多数、校閲経験は意外にも…?
現在、校閲チームには20人が在籍しています。うち女性が14人、男性は6人です。30代前半がボリュームゾーンで、比較的年齢の近いメンバーが働いています。(※2020年9月時点)
ほぼ全員が中途入社です。出身業界で見ると、多い順に出版6人、テレビ4人、広告3人。経験職種では、編集が7人と多く、次いで記者・ライター4人、校正・校閲も4人でした。
いわゆるマスコミ業界の出身者が多くを占めています。中にはテレビ局で海外から映像を仕入れる仕事をしていた人や、建設業界でCAD(設計支援ツール)を使って技術事務をしていた人など異色の経歴の持ち主も多数在籍しています。
校閲経験の有無については、入社前に経験があった人が7割。職種を変えて転職した人が多いという結果からもわかりますが、およそ3人に1人は未経験者でした。
LINE校閲チームでは、必ずしも校閲経験がある人だけを採用しているわけではありません。採用試験として校閲力を測る独自のテストを実施しており(※18年5月以降)、一定の基準を満たした人が面接に進んでいます。採用までには「LINEのカルチャーに合うか」など、様々なポイントが総合的に評価されます。
17年のチーム発足当初は早急に校閲体制を構築する必要があったため、校閲経験者を積極的に採用していました。現在は未経験でも始めから正社員として採用を進めており、そのうえで研修体制を整備し、長期で安心してスキルアップを目指せる環境を整えています。
IT企業「LINE」で"校閲者"を選んだ理由
20人の経歴について簡単に紹介してきましたが、ここで1つ疑問が…。
一般的に、校閲者は出版社や新聞社、校正・校閲プロダクションで活躍しているイメージがあります。そもそも、20人はなぜIT企業と言われる「LINE」で"校閲者"になることを選んだのでしょうか。
アンケートには次のような回答がありました。
LINE NEWSの月間利用者数は現在7,500万人(※20年4月時点)。これは日本の人口の約6割(※)にあたります。多くの人が利用する場として、公共性とその責任を意識した回答が多く見られました。
【※LINE NEWSの国内月間アクティブユーザー7,500万人÷日本の総人口1億2,593万人(20年4月1日現在(確定値) 総務省統計局)】
ほかにも、前回紹介した独自の校閲システムに興味を持った人もいました。従来とは異なるアプローチで校正・校閲を発展させようという試みにやりがいを見いだし、「あえてLINEを選んだ」という回答もありました。
そして、昨今の問題を意識した回答も見受けられました。
若者ほど拡散しやすい新型コロナのデマ、重要度増す「校閲」
「デマ」や「フェイクニュース」。新型コロナウイルスの流行当初には、真偽不明の情報が数多く拡散されました。
総務省が6月に公表した「新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査」では、
▼「新型コロナウイルスの情報やニュースを見聞きした情報媒体」という項目において、年代別で「若年層(10〜20代)は『LINE NEWS』『Twitter』『YouTube』『Instagram』といった⼿段が他の年代より⾼い割合」であることがわかり、その一方で、
▼「新型コロナウイルスに関する間違った情報や誤解を招く情報を共有・拡散した経験」の項目では、10~20代の「若い年代ほど共有・拡散経験が⾼い傾向」がみられました。
LINE NEWSのユーザーにも多くの若者が含まれています。
LINE校閲チームの門を叩いたメンバーたちが「プラットフォーム」での校閲に意義を見いだしたように、新型コロナウイルスの情報に限らず、信憑性の高い情報か否かを俯瞰して判断する「校閲」の重要度は今後増していくと思います。
プラットフォーム校閲者の悩み、目指すところ
アンケートには、プラットフォームの校閲者ならではの悩みもつづられていました。
悩みは尽きませんが、メンバーが回答してくれた目標を読んで奮い立ったので最後に紹介して終えます。
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