ジェットコースターのような人生

「姉の人生はジェットコースターみたいだよね」

ある時、会社で起きた事を話したら、弟に言われた。
そう、あれは20代後半、上司が横領をして(平たく言えば)急に会社を辞め、なぜか取締役になった時のこと。ベランダでタバコを吸って戻ると、全員が私の顔を見るので「どうしたの?」と聞いたら、「社長から〇〇さんに電話があって、言い合いになったと思ったら、電話を叩きつけて、いま出て行った」と言われたのでした…。それ以来、その上司には会っていません。
あの頃は毎日起こることがすごすぎて、たしかに言い得て妙な言葉でした。

ある映画の製作がきっかけで起きた横領事件。その後は制作まわりの各所から督促の電話に、内容証明の嵐…。その映画に商品提供をしてもらい、これから確実に迷惑をかける友人に状況を説明したところ、「まず、うちの会社は大きいのでこれくらいのことなら、そこまでの問題にならないから、大丈夫だよ。それよりさ、いま聞いた話はこの小説よりも面白かったよ~」と桐野夏生の「光源」を出されたこともあった。小説よりも面白い現実。そんな中で生きてきました。

だから、もう大抵のことでは動じない。
でも何年かに一度、大きな衝撃がやってくる。その時は天地がひっくり返った気持ちにもなるけれど、ピンチはチャンス。数年たてば乗り越えた思い出。そして、また強くなる。

しかし、このコロナ禍はそんな考え方を、根底からすべてをひっくり返してくれた。普通だったことが、とてつもなく幸せなことだったと知った。全国の映画館が全て閉まり、家を出るな、友達に会うな、移動はするな、社会的距離をとれ。映画館が開いてほしいという思いだけで、外出自粛を守り、家に籠ったおよそ二ヶ月。いつ終わるかもわからない、見えないウィルスとの闘いは、自分だっていつ死ぬかわからないのである。家の中に一人籠っているわけで、否応なく自分を見つめることになったのでした。手遅れにならないうちに、やれることはやっておかなければ。書きたいことは書いておこう。そんな気持ちで、緊急事態宣言解除の今日、noteを始めてみました。

#人生いろいろ #コロナ禍 #緊急事態宣言 #外出自粛


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