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つぶやき日記#11 ー リバース・モーゲージとリースバック? Reverse Mortgage VS Leaseback?


「売っても自宅に住み続けられます」

というようなキャッチで、
高齢者を対象に、
老後資金の不足を自宅の売却で捻出させよう
という金融商品の宣伝を、
最近よく目にする。
自宅を売ったお金も老後資金に換算することで、
「老後は年金以外に2000万円必要」
という状況をマスターさせるらしい。

確かに。
「65歳で貯金が2000万円ないとダメ」
と言われると、
そんなあ、と、危機感を覚える。
でもこの計算には、
多くの人にとって、
生涯の買い物の中で一番高額と思われる自宅を
資産に入れてない場合が多い。
住む家は生活コスト、という考えでしょうけど。
中には、
不動産の形ではなく、
金のネックレスとか、
エルメスのバッグやロレックスの時計で、
資産をお持ちの人も、いるかもしれない。

自宅があって、
エルメスのバーキンやロレックス(に相当するような物)
も持っている人が
「でも、銀行の預金は2000万円に足りないんです。老後が心配です」
という場合、
心配してあげるべきなのだろうか。

ある高齢者が
都心の一等地に住んでいるとして···
例えばその家が3億円相当だとして、
そんな家に住みながら、
「でも預金は1200万円しかないから、資金不足で老後が心配なんです」
というのは憂慮すべきなのかどうか。
そのくらいの家になると、
固定資産税も年間100万円ぐらいにはなるだろうから、
単純計算だと12年しか払えないことになる···のだろうか?

そういうジレンマを解消するのが、

リバース·モーゲージやリースバックなのかもしれません。

ただし、この二つ、似て非なるものです。

リバース·モーゲージはモーゲージ、

つまり住宅ローンです。
これから買う家に住宅ローンを設定するのではなくて、
すでに住んでいるところに住宅ローンをかける。
但し書きとして、
そのまま住み続け、
存命中は利子部分だけ銀行に払い続ける。
そして、死んだらもう、利子が払えないから、
銀行が手中に収め、好きに処分する、
というシステムらしいです。
で、融資してもらったお金を
生活費に充当していくというもの。
固定資産税を払ったりとかもね。

これっていいんだか悪いんだか。

商品によるけれど、
高齢の人しか組めないと思います。
そして、
本来相続する立場の人、
つまり子供などの合意が必要みたいです。
現在の市場なら、多分、
利子は3~4%以内ぐらいみたい。
でも、長生きすると、
利子が変わって月々の支払いが上がったり、
不動産価値が下落する場合は、
それまでに融資限度額より借りてしまっていると、
その後の返済額が上がったり、
一括返済を求められたり
するらしいです。
そしたら、
住む家がなくなっちゃうじゃない。

変なの。

銀行は、最初に
「自分たちがあなたの不動産をこういうふうに査定したから、
こういう金額でこういう利子です」って言ったら、
その言葉を守り続けてほしい。
そうすれば、
「あの時リバース·モーゲージにしておいて、本当に運が良かった」
などという言葉も聞かれようというものである。
でも、
実際はそうはならなくて、
市場価値に沿って、時々に見直す、
ということらしく、
自分(銀行)たちは損しないようになっている。
これじゃあ、借りる方も、
長生きしたら死にたくなる
というような状況に陥ってしまうのではないか、
と、心配だ。

ま、私の世代は、
バブル崩壊で日本の銀行がどんなに卑怯だったか
身にしみて経験させられたので、
基本的に、
銀行を目の敵にしているかもしれません。
健全な見解とは言えないかもしれないので、
そのつもりで読んでください。

一方、
リースバックの方は、

なんとなくやってもいいかなあ、
と、思わせる商品ではある。

だって、これはローンじゃないのだ。
一回ちゃんと、自宅を売ってしまうのです。

密かに、信頼する?金融機関に売却する。
そして、但し書き条件として、
売った物件にそのまま住みたかったら、
第一優先で借りることができますよ、
というものらしい。

当然、家賃は払うわけですけど。
売ったお金で欲しいものを買って、
楽しく暮らせそうな気がする。
引越しもしなくていいし。
でも、
もしかしたら、
住み続けるために支払う家賃が
とっても高いかもしれない。
あるいはそう感じるかもしれない。
たとえ市場価格より少ししか高くなくても、
それまで自分のもので、
固定資産税と保険とメインテナンス代こそかかったけれど、
でも、
家賃という
まとまったお金を毎月払う必要がなかった身には、
「なんでこんな古い家にこんなに払わなくっちゃならないの」
と感じるような気がするのだ。
当然ながら、
家を売って手にしたお金も、毎月着実に減っていく。
それに、
リースバックの評価額って、
噂ですが、
買取評価額は市場価格より低く、
リースの賃貸料は市場価格より高く、
という設定になっているらしい。
当然ですよね。
それでなければリース会社に旨みがない。

となると、
一体どんな時に、
リバース·モーゲージやリースバックをするのだろうか?
形態こそ違うけれど、
二つとも自宅を手放す決定をするものである。

私なら、普通に売って、
その売り上げを自分の好きなことに使ったり、
リースバックで旧自宅を借りるよりも
安く借りられる
新築物件とかを探し出して、
そっちに引っ越すような気がする。
先祖代々の土地に住み続けたい、
という人もいるのだろうか。
でも、だったら、
不動産を手放す決定自体をしなさそうだし。
本当に弱っていて、
もう老人ホームに移ったほうがいいなら、
住み続けるオプションは元々不要、
ではないのだろうか。

一体、これらの商品の使い道はなんなのだろうか。
うーむむむ。
やっぱり考えれば考えるほどわからない。
両方とも大前提が、
最高に長くて30年ぐらいの命。
そして、被相続人が処分に煩わされない、
という利点があるらしいけど、
子供に何か残そうとしなければ、
利点とも呼べない。

ちなみに、
アメリカでは、

リバースモーゲージ Reverse Mortgage が、
1961年のあるケースから始まった
というのが通説になっているようです。
ご参考まで:


一方、リースバックは
Sale Leaseback または Sale and Leaseback と言うようです。
参考まで:https://teamfinancialgroup.com/blog/what-is-a-sale-leaseback-and-why-would-i-want-one/

この記事だと、
事業用キャッシュフローのためにやる手法で、
あまり自宅売却には使わないみたいですけどね。


うーむ。
これらのローンやリースを使って、
得をする方法は何なのか。
私はそんなことも
わからなくなってしまったのかなあ。
ということは徐々に、
こういう金融商品のお世話になる運命が
近づいてきているのかもしれない。

最後になりましたが、
「国民生活ウェブ版」が、
リバース·モーゲージとリースバックを特集しているので、
興味のある方は参照してください。
けっこう面白いですよ。

https://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/wko/wko-202212.pdf

もう「長生きリスク」なんていう表現も
定着しているんですね。
なんか悲しいけど、笑っちゃう。

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