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つぶやき日記#14 ー 電話口の話し方って難しい

すごくイライラするんです。

最近の日本での電話対応に。

日本の若者(きっと40歳以下ね、私にとっての若者)は、
電話が苦手らしいと言うが、
本当だろうか。
みんな携帯電話持っているのに。
その一番の使い道であるはずの、
電話が苦手とは。
本当かなあ。
でも、なんか納得しちゃうことがある。

小学生の頃から、

「いい加減に電話やめて、寝なさい」
なんて、怒られて育った世代。
うちは珍しく電話が2台あった。
4人家族で2台。
これって、当時の日本ではとっても恵まれたことだったのだ。
その2台とも、
子供たちに占拠され、
仕事の電話どころじゃなかったようで、
親はかわいそうである。

「なになにちゃん~」と、始まって
「宿題やってないよ~」
「スキー予約した~」
「きのう一緒におやつ食べなかったね~」
「〇〇ちゃんはXX君に気があるみたい~」
もう、くだらないこと、満載の会話。
電話に張り付くようにして、お友達とだべり、
(だべる、というのは正しい日本語かな?)
親から聞かれないようにひそひそ声。
でも、全部聞かれているんだけど
飽きずに、20分でも30分でも、
下手すると2時間でも、だべる。

この時代の電話は当然、コード付き。
電話を中心に、電話コードを指にくるくる絡めたり、ひっぱたりして、
行動範囲が決められたまま、喋っているのだ。
なんという時間の無駄。
電話に専心しているわけである。

とはいえ、子供を育ててみると、
電話の会話を全部聞ける環境って、
なんて健全なのかしら、と感慨深い。
子供のケータイというあの小さな物体の中に、
親の知らない世界が満載されている、という現代の子育て。
ああ、大変。

電話が鳴るのが日常茶飯事であれば、
電話をとったら、
「はい、〇〇でございます」
と受け、
電話をかけたら
「〇〇ですが、まりこさんいらっしゃいますか?」
という、自分の名前を名乗る定型は、
マスターしていたと思う。

でも、最近の電話ときたら、

会社などが用意する、
どんなマニュアルに従っているのか知らないが、
「出来るだけ自分の情報を与えずに相手から情報を得よ」
という指令が行き渡っているとしか思えない。
自分が何者かなかなか名乗らない。
「すみません、ただいまお時間よろしいですか?」
と、丁寧なんだか図々しいんだかわからない切り口で入ってくる。
私の世代みたいに、
電話口ではまず名乗るのが礼儀だ、
と教えこまれていれば、
「どちら様?」
と、ぶっきらぼうに聞くだろうが、
そういう世代でなかったり、
優しい人間だったりすると、
「はい、そうです」
とか、答えちゃうんじゃないだろうか。

自分は名乗らないくせに、
「本人確認で、生年月日を教えてもらえますか?」
などと言い出す輩もいて、
「私の年齢があんたになんの関係があるのよ!ガチャ!」
と、してしまう私だが、
こういうことをしていると、何も進まない世の中なのだ。

日本の電話でイライラさせられる一番の理由は、
要点と関係のない部分が長ったらしくて、
時間の無駄だと感じさせられることだ。
それこそ、若者の言う、コスパとタイパが
なっていないのは、
どういうわけだろうか?
海外では、
電話口の会話はもっと簡潔で暗号的で、
余計な時間は取らない、
ように感じるのは私だけだろうか。
暗号的、と言うのはおかしい表現かもしれないが、
この二人はある物事を成し遂げるために繋がっていることを前提に、
的確に要点をついた話をする、
と言う意味で、私が勝手に使っている。
つまりCode化と言いたいのかも。

要領がいい電話とは、

相手が出たら、
1・名前と会社を名乗る
「ABC株式会社のお客様データ部門〇〇です」
2・すぐに要件に入り、的確に説明する
「先日ウェブでお問い合わせいただいた登録情報の修正は、この電話で可能です」
3・時間がかかる場合は、折り返しなどを提案する
「ただし10分ほどかかりますので、ご都合の良い時間に折り返しますか?」

となっていれば、それほどイラつかないと思うのだ。

が、実際は、

丁寧そうで図々しい電話がかかってくる。

1・まず自分は名乗らない
「〇〇さんですか?今ちょっとお時間いただいてよろしいですか?」
名前も要件も名乗らず、時間を取らせようというこの図々しさ。
大事なことならこちらも時間を用意しますけど。
要件がわからないのに、時間を取れ、とはどういう了見だ。
と、まず最初のむかつき。

2・すぐに要件に入る的確な話し方ができない。
「あの~この間、ここにお問い合わせいただいたっていう情報になってるんですけれど、そうですよね」
「ここって、何ですか?」
「あ、弊社のウェブサイトです。(弊社などという言葉は端的に使う。敬語はあまり間違えないのも特徴)」
「だから、弊社ってどちら様?」
「あ、だから、ABC株式会社のお客様データ部門です」
だから、とは
世界中がこの会社とこの部門を認識している
という前提だろうか。
大事なことなら時間をかけるが、そうでないならすぐに切りたい、
というこちらの感情は、
暴力的に膨らんでいき、
私の対応はぶっきらぼうの極みとなる。
多分、これが相手を怖がらせているのかもしれないが、
怒らせることをしているのは相手である。と、私は思う。
「覚えてないんですけど」
「でも、情報変更をなさりたいってなってますよ」
「わかりました。それを最初に言ってください」
「あ、失礼しました」

3・時間がかかる場合の折返しなどを提案する前に、個人情報を取ろうとする
「では、本人確認で、生年月日を言っていただけますか?」
「なんのために?」
「だから、本人確認です」
「だから、本人確認をしたら、なんのサービスが受けられるんですか?」
「え?登録変更したいんですよね」
きっと相手の言ってることが正しいのだ。
不快だからといって、相手の指示に従わなければ、
また二度手間になるとはわかっている。
でも、すぐにこの電話を切りたい。
「今、ちょっと忙しいんだけど」という私。
「電話でのお手続きに、10分ほどいただきますので、ご都合の良い時に折り返しましょうか?それとも、オンラインで修正のできるリンクをお送りできる電話番号をお聞かせ願えますか」
「じゃあわかりました。やっちゃってください」
「では、生年月日を···」
「古い住所を···」
「新しい住所を···」
と、延々と個人情報をとられる。
別に、後ろ暗いところもないんだから、
さっさと教えればいいじゃないか、と思われるかもしれないけど。
なんか、自分の情報ばっかり出すのは嫌なのよね。
こっちは相手の本人確認など、まるでできないのだから。

さらに、かかってきた電話で、
もう一つ聞いてしまおうなどとする考えの甘い私。
この結果、烈火の如く怒ることになる。
「この変更で、先月分のインボイスも変えてもらえる?」
などと確認のつもりで一つ付け加えただけなのに···
「え、それは···、少々お待ちください」
と、電話口の彼女は消えてしまう。
代わりに、聞きたくもない電子ミュージックがかかる。
今時のケータイなら、
スピーカー設定にして、机の上に放置しておけばいいじゃないか、
と言われるかもしれないが、
必ずしもデスクワークをしているとは限らない。
移動の途中とか、
これから外出しようとしていたとか、
ピーピーと音楽を流すケータイを見つめて、
あんな質問しなきゃよかった、切っちゃおうか。
でも、そうすると、最後まで手続きが終わってないから、
またこれのやり直しかも、と思い悩む。
それにしても、
なぜ、「自分は知らないのですぐにはわかりません」って、
言ってくれないのだろうか。

思い悩んだ末に、ケータイを見つめて待ち続ける。
そして、
再度電話口に出てきた彼女に怒鳴ってしまうのだ。
「忙しいんですけど、どれだけ待たせるの?!!!」
これって、カスハラになるのでしょうか。

こちらを怒らせる相手というのは、
話し方が遅かったり、
「えーと」とか、「あの~」とか、たくさんつく。
そして、言い直す時は、最初から全部言い直さないと、ダメらしい。
つまり、聞かされている方は、
重複が多いということになる。

どうか、

話し方を二倍速ぐらいにして欲しいです。
そうすれば、タイパも上がるのに。

でも多分、
カスタマーセンターの人たちが、なんでもよく知っていて、
カスタマーを導いてくれた時代は終わっているのだ。
それなのに、その時代が忘れられなくて、
しかも機械じゃなくて人間が相手してくれてるから、
なんとなく嬉しくて、
マニュアルを外れた余計な質問をしてしまう私は、
考えが浅はかなのだろう。

きっと働き方改革とかで、
ノルマというものもなくなり、
この職に着いたら、これぐらい達成できるようになると一人前、
などという発想も消えたのだろう。
1時間で7件がノルマ、
の代わりに、
9時から17時までこの場所に座って電話をかけてることがノルマ、
になったに違いない。
拘束時間をその場所で過ごせば、
同じ給与がもらえるなら、
少ない件数に対処して、同じ給与をもらう方が、
絶対にコスパがいいんだもの。

あああ。
きっとノロノロ話してる人たちは、頭がいいのだ。


*Photo byteam_ueno 様、まさにこのような電話を使用していました。お写真を使わせていただきありがとうございます。

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リンゼ
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