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つぶやき日記#9 ー 9月になって、突然思ったこと

子供が成長してしまうと、
あれほど切磋琢磨した学校教育のことなど、
とん、と考えなくなる。

学校側もそれは理解していると思う。
「この親、うるさそうだなあ。
主張に一理あるけど、
すごい労力がかかって手が回らないし、
それにあと2年で卒業でしょ」
と思う場合は、
“誠意を持ってのらりくらり”
と、
かわしていく戦術を取ると思う。
これ、悪口ではないんです。
当然だと思うし、
ある意味、頭がいい。

自分の子供を中心に見て要望を出している
親の言うことを間に受けて
時間を割いた結果、
「先生は忙しすぎて、うちの子を見てくれてない」
なんて主張に変わったら、困りますもんね。

子供のことを心配するあまり、
学校に出かけていって、
色々主張してきたかもしれない自分を省みると、
上手な先生というのは、
親の宥め方がうまい。
一種の精神カウンセラーみたいな感じ?!

まず、「どうしました?」って感じで、
こっちのいうことを聞いてくれようとする。

そして、ある程度話させて、
「そうですね」と頷いてくれる。

次が一番大事なのだが、
「今回はダメだったかもしれないけど、
オタクのお子さんには見どころがありますよ」
的な、
親の心配はもっともだが、
あなたの子供は良い子だ、自信を持て、
的なことを言ってくれる。

そして、最後に必ず、
「では、次からはこんなふうに変えてみましょうか」
と、
実際には何にも変わらなくても
改善点的なことを付け加える。
そうすると、
意を決してやってきた親も、
これは無駄な時間ではなかったな、
と思えて、
すっきり自分を宥めることができる。

おまけで、
「親御さんが家庭でもしっかり考えてくれていて、
〇〇(生徒の名)は幸運だなあ」
的な、
親を褒めるようでいて、
家庭教育に責任を求めるようなことも言ってくる。
親は引き続き、
子供のことに一生懸命になる。

と、
こんなふうに丸め込まれて帰ってくる私は、
モンスターペアレンツからは程遠いと思う。

それに、直談判に行く親の方も、
普段の社会生活から築き上げた
ソーシャルスキルが求められる。
「先生が悪い、学校が悪い」
と、攻め立てまくるのでは、
例え主張が正しくても話がまとまらない。
「この辺が、落とし所だな」
というのをちゃんと用意しておいて、
先生がそこに逃げ込めるよう、会話を導いていく。
結果的に、
「わかりました。
今回のD判定は、次回までお預けにしますので、
きちんと課題を提出するように
〇〇君に言ってください」
とか、
「うーん、朝練頑張ってるんですね。
じゃあ、朝の小テストがある時は、
5分早く解放するように、
私から顧問のXX先生に言っておきますよ」
とか、
「△△も、いいやつなんですがね。
でも〇〇さんにちょっかいを出さないよう、
目配りしますよ。
本人に直接言ったりしないから、
心配しないでください」
とかね。

文句はたくさん言ったけど、
先生でなければ解決できないんですよ、
ありがとうございます。
頼りにしてます。
みたいな、
落とし所に持っていく。

感情に任せて主張だけしていると、
何もまとまらないだけでなく、
たいていは自分よりも若い先生が、
「あの人が来ると、怖い」
と言って、
逃げ隠れするようになってしまう。
そうなってしまってはおしまいだ。

でも、結構いるんです。
優秀な学歴のエリートでさえ、
その時、何かしらうまく行ってないと、
その感情に引き摺られて、
先生に怒鳴り散らしてしまう、みたいな親が。

親の言ってることには
その子に関して必ず一理ある場合が多い
のだが、
クラス全員、または学校の方針を
相手にしている先生と、
相容れないことは往々にしてある。
ともかく、
たかピシャに怒りまくる親を
見るハメになった子供は
可哀想である。
たいてい、こういう親は
家でも怒ってることが多い。
しかも後で密かに、内申に響いたりする。

子供というのは、ただでも、
高校生ぐらいになると、
親が学校に踏み入れた時点で、
何かを侵害された気分になるらしい。
先生に話に行く親を見つけた子供が、
「何してんだよ」
「帰れ、クソババア」
と罵倒して睨みつける、
ぐらいの反応は、
まあ平均的ではないだろうか。
「あなたがきちんとやってれば、
私だってここにいないわよ」
あるいは
「あなたのように素晴らしい子供を
学校がきちんと評価しないから
援護射撃に来てるのに」
という気持ちをグッと抑え、
こんな反抗的な態度を取るなんて、
うちの子はちゃんと
平均的に成長しているんだな、
よかった、
と、納得しなければならない。
親ってつくづく、損な生き物。

うちはインターナショナルスクールだったので、
日本の学校にも当てはまるのかわからない。
先生にものを申すだけでなく、
学校側が用意した
「先生に感謝を表す日」の
小額寄附リストには、
必ず参加して、
親側からの「飴と鞭戦略」を完成。
サンクスギビングのターキーとか
スターバックスギフト券10枚とか、
ピーカンパイとか。
イベントごとによく、寄付したなあ。
懐かしいなあ。
ちなみに、こういうのを用意しておかないと、
超高額寄付を個人的にしてしまう親がいる
という、
ある意味、特殊な環境だったので、
小額寄付リストを用意するのは、
そういうことをさせないための、
学校側の苦肉の策でした。

そんな環境が、普通なのかどうかはわかりませんが。

なんでこんなことを突然思い出したんだろう。
多分、9月になったから。
インターナショナルスクールの、
新学期が始まる季節だからかな。
体が自然と覚えているのかもしれない。

そういえば、文句なくできるお子さんの親御さんって、
学校に話に行く時間も取らなければ、
小額リストのお礼寄付もしてなかったなあ。
うーん。
まあ、もう、どうでもいいや。
完璧じゃない子供のおかげで、
学ぶことの多い、
完璧じゃない親でした。

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