プロダクトマネジャーの業務内容と求められるスキル
初めまして。リンクウェルでオンライン診療システム事業のプロダクトマネジャーを務めている岩佐克です。
今回は、業務内容と、業務において大切にしている考え方、求められるスキルなどについてお話しさせていただきます。
課題の捉え方、解決に向けた姿勢に共感して入社
はじめに私のこれまでの経歴と、入社の経緯についてお話しします。
学生時代にインターンでエンジニアを経験し、2016年に新卒で入社した企業でEC事業のWebディレクターを経てヘルスケアプロダクトのプロダクトマネジャーを務めていました。
2020年1月に独立して、PFCバランスをカスタムできるグラノーラバーの製造・販売事業を立ち上げ、2020年4月にオンライン診療事業のPdMとしてリンクウェルに入社しました。
入社後も、会社の経営は続けています。
リンクウェルに入社した決め手は、事業ドメインと成長機会があるなと感じたからです。医療という、人が生きていくうえで絶対的に必要なものが抱えている課題を明確に捉え、解決するために真摯に向き合い、多角的にアプローチしていく姿勢に共感しました。
また、医療×テクノロジーの領域についてはまだまだ未開拓の領域が多く、貢献できる可能性を強く感じたためです。
前職で手がけていたヘルスケアプロダクトは、健康診断の結果や医療機関の内部情報をDX化するものだったのですが、慣習に縛られている部分が多い医療の現場において、第三者である外部企業が運用を変えていくのは難しく、どうしてもスピードが遅くなってしまう部分がありました。
リンクウェルは、オンライン診療にも対応する医療機関「クリニックフォア」のオンライン診療システム開発を支援しています。
現場スタッフと一丸となり、チームとして課題解決をしていく会社で、私も医療に貢献していきたいと考えました。
プロダクトマネジャーの業務内容は深く、幅広い
リンクウェルの プロダクトマネジャーの業務内容は、ビジネス検討から要件定義、リリース時のインストールから緊急時の対応まで、ほぼ全ての領域に関わります。幅広い業務に携わるため、偏りなくさまざまな知識を身につける必要があります。
たとえばクリニックが取り扱っているすべての処方薬の情報にも、登録・管理の部分から関わっています。問診結果と医師が診察したデータ、決済情報などが処方薬の情報に紐づいているので、全体を把握できていないと的確な判断ができないためです。
また、知識としてだけではなく、温度感を持って医療現場の業務を理解していないと正しい意思決定ができないため、積極的に支援しているクリニックを訪れ、スタッフとコミュニケーションをとるようにしています。
最近、発送チームとの連携を進めていくことになった際は、現場の状況と課題を把握するために私も実際に梱包などの発送業務をおこないました。
それらの積み重ねを経て、ようやくプロダクトやユーザーのことを深く理解できるので予約から問診、診療やその裏側までの流れを意識したプロダクト設計ができるようになると考えています。
ただし、私もまだまだ理解できていない部分や知らないことがあるので、チーム内外様々なメンバーと連携することで補っています。
プロダクトマネジャーに求められるもの
ビジョンに向かって進んでいくためは、判断を移譲せず一つひとつを自分の意思で決定していくことが重要だと考えています。
各チームの意見や状況をふまえて合理的に判断し、経営視点と現場視点の両軸においての最適解を検討・決定することがプロダクトマネジャーに求められる最大の役割です。
そこで意見を鵜呑みにしないために、自分で考えて判断する力が求められます。
それには、現場およびユーザーを知ること、仮説を出すこと、客観指標を捉えることの三つが重要だと思っています。
プロダクトマネージャーの元には、様々な部署から課題が上がってきますが、実際の運用が分かっていなければ、「〇〇さんがやった方が良いと言っていたから」という曖昧な理由で要件定義に進んでいくことになります。
その場合に出来上がるのが、結局使ってもらえない価値のない機能です。
そうならないためには、現場を知り、なぜそのような課題が上がってくるのかを深く理解したうえで、一旦離れた目線で解決策を出していくこと。現場・ユーザーの目線と、プロダクトマネージャーの持つ広範な知識を掛け合わせることで、本当に価値のあるプロダクトになっていくと考えています。
また、「このシチュエーションでxxをやってるからスムーズに対応できないのでは?」などの仮説を持つことで、答えに辿り着けるスピードが格段に上がります。
あらゆる可能性を全て検証しにいくのはとても時間がかかるので、知識の掛け合わせで見えてきた筋の良い仮説を優先的に検証することで、多くの課題を解くことができるようになります。
そして、それらを仮説で終わらせず、定量分析などを用いて、必ずファクトを取りに行くことを重要視しています。
様々な課題に対し優先順位をつけていくためには、それらの課題を抱えている人はどれくらいなのか、なぜそうなるのか、改善した時にどれくらいのインパクトがあるか、など一つひとつを何も知らない人が聞いても納得できるように、自分自身でも理解できるように確認することを意識しています。
ポイントは、これらのことはスキルや経験に左右されずに、本人の意識さえあれば行動に移せるということです。
常に全てを完璧な状態にすることはとても難しいので、私自身も振り返りながら、「本当に自分で納得できているか?」というのを自問しながら進めています。
リンクウェルのプロダクトの特徴と展望
ユーザーである患者さんや医療従事者とコミュニケーションが取りやすい点は、リンクウェルのプロダクトの大きな特徴です。フィードバックが受けやすい環境ですから、提供しているサービスが課題にフィットしているかを実感しながらプロジェクトを進めることができます。
支援先のクリニックフォアは対面でもオンラインでも診療をおこなっており、保険診療にも自由診療にも対応しています。また自社でOTC医薬品などのEC事業も展開しているので、幅広い層のデータを保有している点もリンクウェルの強みであり特徴だと考えています。
データを総合的に活用することによって、「市販薬のこの薬を使用しているから、こんな悩みがあるだろう、それであれば自由診療でこんな治療ができる」など、プロダクトの垣根を超えてユーザーに最適なサービスを提供したいと考えています。
そのためにも直近では、オンライン診療の予約から薬の受け取りまでの体験をもっと丁寧かつスムーズにしていくことに注力しています。
診療を受けに来る人は悩んでいたり、治療に対する不安を抱えている人が多いので、問診などのコミュニケーションで、悩みをしっかりとお聞きし、不安を取り除いてさしあげる。かつ入力など対応のストレスが少ない体験や、早くお薬が欲しいという人のためにお薬を届けるまでの手間や時間をいかに減らせるかということにチャレンジしていきます。
支援先のクリニックフォアに所属する医療従事者の方たちは「医療をテクノロジーで進化させて、患者さんの体験を良くしていきたい」というスタンスなので、新たなオペレーションの提案も柔軟に対応していただけますし、ヒアリングを依頼した際にも積極的に時間をつくってくださるのでプロジェクトを進めやすいです。
リンクウェルのプロダクトマネジャーは関わる範囲が幅広く大変な面もありますが、与えられる裁量が大きいため、事業の成長と自分の仕事が密接に関わっています。そのぶん達成感は非常に大きく、強いやりがいを感じられます。
そして一つひとつのプロダクトの価値がプロダクト内にとどまらず、それぞれのサービスと影響を与え合い、事業全体の成長に影響していくところはリンクウェルのプロダクトの面白いところだと思っています。
リンクウェルが求めるプロダクトマネジャーとは
リンクウェルには大切にしている4つの価値観があります。
どれもバランスよく持っているのが理想ですが、プロダクトの成長のために、非連続な挑戦を続けていくチームの最前線に立つプロダクトマネジャーがとくに重要視するべきなのは「CHALLENGE STATUS QUO」だと考えています。
リンクウェルにおいて、機能開発の最終意思決定者はプロダクトマネージャーです。つまり、プロダクトマネージャーが適当な判断をすれば、プロダクトはどんどん魅力を失っていきます。そうならないためにも、常に重要なものを見定めて判断をすることが重要だと考えています。
まだまだ、オンライン診療プロダクトはできることが山積みで、お手本もない状態です。
自分たちでスタンダードになるものを作っていくためには、現状の答えや誰かの答えに満足せず、自分なりの答えを出していける人と一緒に働きたいと思っています。
メンバーは優秀な方ばかりで、私自身も学ぶことが多いですし、出る杭は出させたままやらせてくれる環境があるので、努力次第でいくらでも成長できます。
プロダクトマネジャーの仕事に正解はないと思っているので、まわりの意見や状況を柔軟に受け入れながら、信念を持って判断と決断を繰り返せる方がプロダクトマネジャー向きだと思っています。
個人的には起業経験のある方におすすめしたい職業です。
会社経営は総合格闘技なので、明確な信念を持ってビジョンを描きつつ、客観的な視点と柔軟性のある対応が求められますし、事業を成長させようと尽力した経験すべてが、プロダクトマネジャーに活かせると思います。
一人ひとりのプロダクトマネジャーが、自分が担当しているプロダクトだけでなく、リンクウェルのプロダクト全体のUXを良くしたいという意識を持って職務にあたれば、国内にないプロダクトを生み出し、事業をさらに成長させられると考えています。
他者の意見や提案に賛同するだけではなく、打ち手のリストを出されたときに、それよりひとつひとつ深い課題、ひとつ上の解決策を探りに行ける方と一緒に働けたら嬉しいです。
少しでも面白そうだなと感じていただけましたら、まずはカジュアルに私とお話ししてみませんか?ご連絡お待ちしています!