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母の書道教室計画は進んでないのに、私(娘)に変化が...

計画を立てたらなんだか一仕事をしたみたいな気分になって満足し、本来の目的である実施にまで至らない… そんな人いませんか? 
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それは私です!  いや、威張って言えることじゃないだろう!

というわけで、この実験の一番の目玉である「母の書道教室」は開設にいたっていません。募集すらしていない… というかこの募集という大仕事(と感じてしまっている私)を前に、私の足(手?)が止まっている…

ところがです、不思議なことに、私に変化が。


◆ おさらい

私の実験計画書は⇩

【実験】90歳の母を主役に!娘はそれをプロデュース。何かが変わる?かも...|Rimi (note.com)

本当は、↑ これを読んでいただきたいけれど、タイパ時代の読者(ありがたくもこの記事を読んでくださってるなんて😢)のために、かいつまみます。(かいつまむの下手なので、かいつまむはずが長くなっちゃうかも。すみません🙇)

実験に至った背景:

私の母は今年90歳。今ボケ(今言ったこと、聞いたこと、見たことをすぐ忘れる)がひどい。当然、お世話されることの方が多い。しっかりしていた母を知る私はちょっとした母のボケぶりにもきつい言い方をしがち。それに対し母も意固地になって言い訳じみたことを言ったり… 
母も自分のできることはしたいだろうな、そして私も母にもう少し優しくなりたいなと、感じることがしばしば。

検証したいこと:

1.ボケがある高齢者も適切なサポートがあれば「してあげる」役割が果たせるはず

2.「してあげる」経験によって、高齢者当事者の気持ちや行動がどう変わるか

3.高齢者当事者が主役の活動を側面支援することで、介護者の気持ちや行動がどう変わるか

活動の概要:

1.自宅で書道教室を開く
2.母の個人年表の作成
3.高齢者や認知症の人への接し方、アンガーマネージメントなどを娘が学ぶ

◆ 活動の進捗状況

自宅で書道教室は開けていない…
母の個人年表は一つだけ書き加えた…

認知症関連の本は読んだ! これだけは誇れる!

◆ 私の変化

上記のような活動状況なのに、すでに実験を開始した6月初めから私の中に変化が…

私がしなきゃ!」「こうしなきゃ!」
といった”こだわり”、肩ひじ張った何か からの解放が徐々に始まってきた。
もっともまだ、完全に解放されきってはいなく、ときどき、そのこだわりのために母に必要以上に腹を立ててしまうこともある。

こだわりは、とても小さな、ささいなこと。むしろどうでもいいこと。
たとえば、

最近流行り(?)の、塗ってから焼くとメロンパンとか、フレンチトースト風になるというスプレッド。(多分、写真の製品だったかな?) 
説明しても、母は焼いてから塗る。何度も繰り返す。それに対し、私は”正しい”使い方を強要しようと、口調が厳しくなる。
二人分のトーストを私が焼く場合はいいが、母が先に起きていて自分の分だけトーストしたときなどにこの問題(問題と言うほどのことでもないのだが)が起こる。何度言っても母は”正解”にたどりつかない。

こんなささいなことで、母にきつく言うことがあったため、
「もう朝ごはんは一緒に食べない!」と母が言ったこともあった。

まだ、私が母と一緒に暮らしておらず、1か月に1度実家に帰っていたころ、訪問看護師さんから聞いたこと。

「インスタントラーメンを水を入れて電子レンジでつくってられて、
なるほど、そんな方法でもできるんだなと思いました」と、感心気に母の様子を知らせてくださった。
(時間が経っているので、商品も作り方も正確でないかも。とりあえず、メーカーが指示している方法とは違う方法で作っていたらしい)

そう、危険でさえなければ、方法にこだわらなくてもいい。
私なら、そんなことをしようとする母に対し、
呆れた顔をして、”正解”を押し付けようとしただろう。
見守って、母のやり方を許容してくださった、看護師さん。
看護師さんに学ぶことは多い。

母と一緒に住むようになって、
私なりの計画で、毎日を進めていっている。特に食事。
夕食の献立も考え、準備をし、外出先から帰ってくると
歩行器を押しながら家の方に向かっている母に気づく。
近くのコンビニで夕食用にとおにぎりを4個ほど買ってきていた。

いやいや、夕食の準備は私がするから大丈夫って言ったよね。
考えていたおかずは(なにかは今となっては忘れたが)
おにぎりには合わない。思わずため息(たかがそんなことではあるんですが…)
おにぎりの消費期限もあるから、おかずの方を急遽変えることに。

そんな思いを自分自身のなかに秘めて、笑顔になれるほど成熟していない私は、やはり母を責める言葉が口をつく。

「私が」の気持ちが強すぎると、あくまで私の計画なのに、そこから母が逸脱した言動をしたときに、母を責めてしまう。
それは、なにか、違う。

「母を主役に」という実験計画を立てたことが
「私が」という気持ちを少し、奥に引っ込めてくれた気がする。

今でも、母にきつく言うことはある。まだまだ未熟だが、
「もう一緒に朝ご飯は食べられない!」と言われることはなくなった。

◆ 認知症関連で読んだ本

・『認知症ポジティブ!脳科学でひもとく笑顔の暮らしとケアのコツ
  ”なるのが不安””介護がつらい”そんな思いを逆転する新発想』
 (山口晴保著、株式会社協同医書出版社、2019年)

・『心がすっと軽くなる ボケた家族の愛しかた』
 (丸尾多重子著、高橋書店著、2015年)

・『認知症の人と一緒に作る アルバム自分史
  症状が緩和され笑顔が戻る魔法のケア』
 (北林陽児、山本由子著、翔泳社、2019年)

・『できることを取り戻す 魔法の介護』
 (長谷工シニアホールディングスにやりほっと探検隊著、ポプラ社、2017     
  年)

・『ケアプランを自分でたてるということ』
 (橋本典之、島村八重子著、全国米ケアプラン・ネットワーク編、全国コ 
  ミュニティライフサポートセンター(CLC)発行、筒井書房(発売)、 
  2010年)

途中まで読んだ本
・『脳科学者の母が、認知症になる 
  記憶を失うと、その人は”その人”でなくなるのか?』
 (恩蔵絢子著、河出書房新社、 2018年)

・『トラベルヘルパーがおしえる旅の夢のかなえかた
  介護旅行にでかけませんか』
 (篠塚恭一著、講談社 、2011年)

・『回想法と回想療法
  おしゃべりを楽しむ心療回想法で認知症予防』
 (小林幹児著、日本回想療法学会(監修)、福村出版 、2019年)

 これらの本については、別のNOTEにいずれまとめてみる予定。
 (あくまで予定、と予防線を張る)

◆ 今後

 私が変わったからそれでいい?
 いやいや。
 
 実は、ある意味、変わったのは私だけではない。
 実験スタートから3か月、母の老化は確実に進んでいる。
 私が母に優しくするだけではダメ! 母を真の意味で”主役”にする活動は必要と感じている。そして、急いだほうがいいのかもという予感もしている。

 
   
 
 



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