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あなたの根っこは? 〜遺伝子を知る〜
23andMeってご存知ですか?
アメリカで知らない人はいないんじゃない
かってくらいメジャーな
一般消費者向け遺伝子分析サービス
です。
多民族の共存するアメリカでは、
自分のルーツやアイデンティティを大切にします。
アメリカの小学校ではアメリカの歴史を学ぶ前に
自分の家族の歴史を学ぶことが多いようです。
家系図を書いて出身地を埋めていき
自分が何%何人なのかなどなどを調べて
プレゼンテーションしたりします。
子供が学校で『自分は100%日本人だ』
とプレゼンしたら
『まさか!?』
と、ものすごく怪訝そうな顔で疑われるほど
みんな色々な民族の混成であることが
自慢であり、そこにユニークさと
アイデンティティを感じるようです。
これは大人の間でもいつも話題になり
仕事中、飲んでいる時、スポーツ観戦、
結構どんな時でもこの話題はつきません。
それもこの何年かで盛んになった印象です。
実はそれに一役買っていると言われているのが
なのです。
簡単かつ安くできるようになったため
この5年ほど爆発的に需要が伸び、
みんなが雑談のネタにするほど浸透したのです。
やり方は簡単。自分の唾液を専用容器に集めて
郵送すると、2−3週間で結果がわかります。
残念ながら日本では認可されていないので、
アメリカに来たついでに検査する日本人も
いるとかいないとか。
以前は、自分の祖先がどこの出身で、
どのような経路でその国にたどり着き、
何%が何系の何人という、
Ancestry + Traits ($99)
のみでしたが、ここ数年は
Health + Ancestry ($199)
という、どんな病気になりやすいのか、
どんな体質なのかなどの遺伝子検査ができます。
気になる糖尿病やアルツハイマー病に始まり
髪の色、髪の硬さ、ハゲる可能性、福耳かどうか、
指の長さ、えくぼができるかまで。
実にさまざまな結果を得られますが、
もちろん医学的な判断には医師の診断が必要です。
新年になり仕事を始めると決まって
出るのが家族の話題。
ハワイは日系人が多いし
戦前に移住してきた一世の日本人が
古き良き日本の伝統を受け継いでいます。
今日が仕事始めの同僚との一コマ:
『年始に家族で集まって23andMeの結果を
見せ合ったら、本当はフル日本人じゃなかった!』
みたいな結果で盛り上がった?とか言い合いになったとか。
年始は特に自分のルーツとかアイデンティティとか
考えてしまうけど、何となくでも初詣に行くと
気が引き締まるし、その後はお雑煮が食べたくなる。
海外にいるからこそ、たまの帰国で日本って
本当に住みやすくていいなって思うし、
逆に日本人らしさって何なんだろうって考えてしまう。
23andMeは科学的な自分の根っこを教えてくれるけど、
精神性は文化の継承なので、子供にどう日本人らしさを
伝えていくのか、が改めて重要だと思いました。