ショートニングって何ぞや?
さて、今日はショートニングについて語りたいと思います。
ショートニングの歴史
ショートニングは、植物油を主な原料としたクリーム状の食用油脂として、19世紀末にアメリカでラードの代用品として誕生しました。
ラードでは品質が安定せず、保存中に結晶化しやすいという欠点がありました。その欠点を改善したものが、ショートニングです。
マーガリンとどう違うの?
マーガリンとの大きな違いは、水分と香味成分が一切含まれていない点で、ショートニングには、ほぼ風味がありません。
製造方法は?
マーガリンと製造方法はほぼ同じで、大豆、コーン、綿実、サフラワー、パームなどの植物性油脂に水素を添加して、液体油を固体油に変えます。
これを「硬化」といい、硬化した油脂と目的に合わせた動植物性油脂を合わせます。(硬貨油)
ここに乳化剤とその他添加物を加えて50~60度で十分に撹拌したあと冷却し、バター粒のような光景油脂が出来たらねり、熟成させたら完成です。
硬化油
水素の添加処理によって、健康に悪影響を与えるとされるトランス脂肪酸が生成されることが知られています。
乳化剤とは?
食品に使用する乳化剤のなかで、日本の食品衛生法で使用が許可されているのは5種類あります。
簡単に言うと水と油を混ぜ合わせてるためのものですから
別名「界面活性剤」とも言います。
ショートニングで使われる3種類の乳化剤を紹介します。
グリセリン脂肪エステル
ソルビタン脂肪酸エステル
大豆リン脂質(大豆レシチン)
1.グリセリン脂肪エステル
モノグリセリドまたは略してモノグリと呼ばれ、代表的な食品用界面活性剤。
食品の加工に際して乳化の目的のほか、起泡(ケーキ)、消泡(豆腐)、分散、被覆、防湿、保湿、粘着防止(キャンディやキャラメル)、澱粉老化防止(パンが硬くなるのを防ぐ)、脂肪凝集など品質改良の目的で広く利用されている。
天然の油脂中に存在しているが、脂肪酸とグリセリンから工業的に製造することができる。
以下の記事より抜粋
2.ソルビタン脂肪酸エステル
食品用乳化剤や化粧品・工業用界面活性剤として、単独または他の界面活性剤と配合して用いられる。
1945年に米国Atlas社により開発され、日本でも古くから食品添加物として用いられてきた。
1996年の資料によると、食品用として年間約1,500トン、食品以外の用途として年間約4,000トンが使われている。
以上 Wikipedia より抜粋
以下、ソルビタン脂肪酸エステル資料より抜粋
殺虫殺菌剤であり、ソルビトールの脱水縮合による生成物(R= Hの(A)1,5-ソルビタン、(B)1,4-ソルビタン、(C)イソソルバイドの混合物)を原料とし、ラウリン酸を主成分とする脂肪酸によりエステル化した反応混合物である。
https://www.env.go.jp/water/sui-kaitei/kijun/rv/sorbitan%20fatty%20acid%20ester.pdf
3.大豆リン脂質(大豆レシチン)
天然の界面活性剤であり、多くの分野で多目的に使用される。
クリーム、乳液、ファンデーション、化粧水などに使用される。
また、医薬品分野において抗動脈硬化、コレステロール低下、血圧降下の目的で用いられる。
食品分野においても、パンなどの乳化分散剤、めん類の品質改良剤、マーガリンなどの乳化安定剤などに用いられる。
以下より抜粋
気になるトランス脂肪酸
実はトランス脂肪酸は自然界にも存在しています。
牛や羊などの反芻動物では胃の中にいる微生物の酵素によって不飽和脂肪酸の水素添加が行われ、その際にわずかながらトランス脂肪酸が作られます。
厚生労働省のホームページより、以下を抜粋しました。
平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国の研究結果によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する可能性が高いとされています。また、肥満やアレルギー性疾患についても関連が認められていますが、糖尿病、がん、胆石、脳卒中、認知症などについての関連は分かっていません。
こうした研究結果は、トランス脂肪酸の摂取量が、平均的な日本人よりも相当程度多いケースの結果であり、平均的な日本人の摂取量においては、これらの疾患リスクとの関連は明らかではありません。
最後に今回の記事をまとめてみますととショートニングは、トランス脂肪酸よりも乳化剤として使用される化学薬品が体に悪影響及ぼすのではないかと思いました。
乳化剤は俗にいう「界面活性剤」ですから水と油を混ぜ合わせる洗剤のようなものですよね。
色々な記事をネット上で見ていますと、トランス脂肪酸に言及するより、「植物油」が健康に害を及ぼすのではないかとも感じました。
体に良いオリーブ油と言われていますが、摂りすぎると脳卒中を促進作用があったり、大腸がんの発がん促進する作用もあるとも報告されています。
またインスタント食品やスナック菓子、アイスクリームなどに良く使われるパーム油も大腸がんを促進することも指摘されているようです。
ショートニングはもちろんパーム油も使われているので要注意です。
いずれにせよ、摂取しない方が良いのであれば摂取しない方が良さそうです。
次は甘味料でもあるソルビトールを調べてみたいと思います。