＃30　好きな服を着てるだけ悪いことはそれほどはしてないよ

DAMAカシミアカーディガン　サイズLL〜3L　グレージュの地に黒の大きな星がいくつか編み込んである　グレージュと黒のちょうど間くらいの色の貝ボタン　Ｖネック
＊DINOSからは紙媒体でちょいちょいカタログが送られてくるのでつい見てしまう。ファッションについては好みのものはほぼないのでたいていスルーできるのだが、たまにものすごく好きなものが見つかる。情報が欲望をかき立てる、現代資本主義の思うツボだわ。服をまとう身体は一つしかないというのにねぇ。このカーディガンも、シーズンの始まりからずっとかわいいなぁ、ほしいなぁと思っていたもの。私が普段購入するカシミアの２倍ちょっとくらいのお値段。コートであれば、多少高額でも質のよいもののほうが圧倒的に見栄えももちもよいので思い切って購入するのだが、カーディガンか。カーディガンを何かの上に羽織るものとして使うことはほぼなく、ボタンを留めてプルオーバーのかわりに着ることがほとんどだし、よいカシミアならなおのこと素肌で味わいたい。普段のトップは一度着たら洗いたい派で、カシミアといえどもみんな洗濯機のおうちクリーニングコースで洗ってしまう。それで失敗したことはないのだけれど、やっぱり傷みは早くなってしまうでしょうねぇ。先日、またカタログが送られてきた。まだあるわ、このカーディガン。そして、まだ定価だわ…。大好きな星柄、グレージュと黒、カシミア。petit robe noirの流れ星ピアスと合わせて着たい。買うなら、一番大きなサイズかな。ボトムにスカートを持ってくることは多分ないから、パンツに合わせてゆったりと…。で、昨日届いたのだった。
＊インナーはICEBREAKERのメリノウールキャミソール、UNIQLOヒートテックUネック。極暖ヒートテックやウルトラヒートテックだと、Ｖネックからはみ出してしまうため。ウルトラヒートテックの首回りの広く開いたものが発売されないかな…と毎年待っている。

petit robe noir流れ星ピアス、ジルコニアスダッズピアス、星が並んでついた短いヘアピン２本、ラインストーンが並んでついた長いヘアピン１本　金具はスタッズピアスのみ18金、それ以外は真鍮
＊アシメントリーの流れ星ピアスには、いつものようにジルコニアのスタッズピアスを足す。髪はアップにして、同じシリーズの星のヘアピン、ラインストーンのヘアピンを髪のあちこちに散らす。１本だけではさびしいので、使うときは必ず３本とも着ける。他人の首から上をじっと見る人なんて街なかにはいないだろうけれども、自分の耳や頭に真鍮色とラインストーンの小さな星がたくさん散らばっていると考えるだけで嬉しくなる。しかも、その色と調和する同じ星柄の柔らかなカーディガン。本当におしゃれな人であれば、色やモチーフがバラバラなものたちを全体で見てまとまるようにコーディネートできるのだろう。実際に自分の周囲にそういう人が何人もいて、私が絶対に真似できないおしゃれをいつも楽しんでいる。お願いしてしばらくほれぼれと眺めさせてもらうこともしょっちゅう。うらやましいけれど、私には無理。そんなセンスはないし、身長、体重、体格、顔つきなどを考えると、どうも私には似合わない。同じシリーズのピアスやヘアピンをまとめて一度に着け、服まで同じ柄で揃えるのは、もしかしたら野暮ったいことかもしれない。でもまあいいや。今現在の私がいい気分でいるのだから。

SOMETHING　スリムストレートデニム　サイズ29　黒

靴下屋80デニールハイソックス　黒

23区レザーロングブーツ　サイズ24H（筒周り、幅広め）　黒
＊今日も今日とてブーツイン。

23区estetaナイロンタフタショールカラーダウンコート　サイズ44　黒
＊パンツのブーツインスタイルのときに上半身にほどよくボリュームを出してくれる。丈が長すぎず短すぎず、しかも後ろの丈が長めに作られていて、生地もテカテカしていないのでダウンコートでもアウトドア感が出ない。カジュアルかつエレガント。そして今日のような底冷えする日に、買ってよかったと実感させてくれる暖かさの頼れるコート。

JAS.M.Bレザーボストン　黒
＊昨日のダークブラウンのボストンバッグの色違いで、20年以上愛用している。無骨なレザーとシェイプ、真鍮の金具の古び具合、なんでも入る大きめサイズ、雑に扱っても傷つかない頑丈さ。マダムっぽいスタイルが全然似合わない私の、さまざまなコーディネートにフィットしてくれるバッグ。今日も、もしコンサバティブなバッグを持ったらものすごく老けたスタイルになってしまっていただろう。当時の私にとってはかなりの高額商品だったけれど、十分原価滅却できている。
＊中身はいつもと同じ。口紅はKATEパーソナルリップクリーム08、濃いめのオレンジ系。最初にくすみピンクの口紅を塗ってみたら、笑ってしまうくらい合わなかった。グレージュや真鍮の色にはピンクは合わないんだなあ。色っておもしろい、楽しいなあ。近沢レースのタオルハンカチは、濃いピンクのタオル地に水色のかき氷と同じピンクで苺ソースと「氷」の文字柄レースの縁取り。季節は全く合わないが、どのタオルハンカチも順番に均等に使うようにしているので気にしない。LeSportsac RECTANGLAR COSMETICポーチは入れなかった。フェミニンワイプ、吸水さらフィ、どちらも今日は出番がない。男は遠いところに行ってしまっている。ショーツは暖かさを優先してUNIQLOノンラインシェイパーショーツ。こんなの絶対に男に見せられない。映画『ブリジット・ジョーンズの日記』（シャロン・マグワイア監督　2001年）のワンシーンとまさに同じ、「おばあちゃんのパンツ（granny pants）」だ。いつ何が起こるかわからない、をモットーにしていたはずなのに、彼以外の男とセックスすることがだんだんありえないことになってきている。もし今突然に他の男からお誘いがあっても、出かけていく気にはたぶんなれない。彼と私の立場は対等ではない。私のほうが明らかに弱く、万一のときに頼れるものは何もない。だから私のメンタルを安定させるために、情もセックスも分散させておくはずだったのに。感情を自分の意志で操縦してやろうなんて、浅はかなことを考えたものだ。それなら、来週入っている別の男との予定はキャンセルするか？それもできない。私はやっぱりすがるところがほしい。そしてその日はちゃんとかわいくてセクシーなブラジャーとショーツを着けるだろう。前の日も彼とセックスして、翌日別の男として、また次の日は彼とするだろう。でないと私は嫉妬に燃えて、何をしでかすか自分でもわからない。私が彼の妻に嫉妬しているのと同じくらい、彼には私の「男友達」たちに嫉妬してもらわなければならない。それにそもそも、「男友達」をつくることは彼からの提案なのだ。

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