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天売島の冬景色
フェリー おろろん2 出航
昨晩は羽幌の雪道をてくてく歩いたせいか熟睡。
宿の美味しい朝ごはんをいただいた。
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宿のおかみさんが、今日は船が出る、と教えてくれた。
なんと船が出たのは、1月6日が最後で、4日間も欠航していたのだとか。
おかみさんにフェリーターミナルまで送ってもらった。行ってきます。
おかみさんは、
私が島から羽幌に帰ってきた時、帰りの札幌行きバスまでの待ち時間が長くて居場所に困るだろうから、宿に寄ってねと言ってくださった。
ありがたいなあ。
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夏に来た時は高速船に乗ったので、フェリーは今回初めて。
フェリーは時間がかかるけれど、大型なので揺れはましらしい。
さあ乗り込むぞ。
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ぷおーっという汽笛が鳴り、船が出発。
なんだろうこの哀愁は。
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ざばーざばーという波の音と水面のきらめきが良くて、
しばらく海を眺めていた。
進むにつれ、だいぶ揺れが増えてきたので、客室へ。酔いそう。
三層ある客室のうち真ん中の雰囲気が良かったので、そちらへ。
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絨毯じきのフロアにみんな横になっている。
知り合い同士で楽しそうに喋っている女性たちもいる。
観光客はいない季節だから、島の人たちだなあ。
船が4日間も欠航した後なので、島への帰りを待っていた
人たちは皆、この便に乗っているのだろう。
揺れが増えてきて、少し気分が悪い。
皆が横になっている理由がわかった。
私も上着を枕にして目を閉じた。
船酔いはなんとか大丈夫だった。
一つ目の島、焼尻島で半分くらいの人が降りて行った。
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雪がけっこう降っている
天売島に再訪
11時前にとうとう天売島に到着。
やった、また来られた。7ヶ月ぶり。
降りる人は皆、お土産やスーツケースを手にしている。
ダイソンのスタンド型掃除機を手にしている人もいた。
島には売っていなさそうだものね。
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再会
診療所事務のNさんが迎えにきてくれていた。再会できてうれしい。
いつもの診療所のオンボロ車はとうとう壊れてしまったそうで、
彼女の私物の車だった。雪道をたしかなハンドルさばきで進む。
診療所に着くと、旅支度をした所長のO先生が待っていた。
懐かしいなあ。
「おー来たね。引き継ぎっていうこともないけど、今は特にフォローしているような状態のひとはいないよ」
そうか、良かった。
しかし相変わらず早口で一方的な感じで面白い。
「ええとねえ、コロナはちょっと出た。診療所にゾコーバは買ってあるから使って。ここに抗原キットがあるよ。それから、インフルエンザにイナビルもいくつかあるから」
「それからこれは今書きかけの論文のコピー、はい読んでおいて。
それじゃよろしくね」
次々と私の2倍くらいのスピードで話し、スーツケースを持って出ていく。
お土産を渡すのと記念写真がまだだった。
道に出かけたO先生を呼び戻し、なんとかツーショットで記念撮影した。
O先生がまったりしているところって見たことないなあ。
船が出なくて予定していた旅行をキャンセルしたという先生。
でも奥さまとどこかに行くのだろうなあ。いってらっしゃい。
オンコール待機
今日は診療所が土曜日でお休み、私は急患発生に備えてのオンコール待機。
なのでNさんは診療所を閉めて、宿に向かってくれた。
宿では昼ご飯が出ないし、島の飲食店も今の季節は営業していない。
途中で川口商店に寄って食べ物を物色。島に2つある商店の一軒。
物資を運んでくる船がしばらく出なかったので、あまり商品がないという。
もう少し後だったら、今の船で来たパンが入るけど、と言われたが、
今あるカップうどんを買った。
宿は昨夏に泊まった萬谷旅館さん。海からすぐ。
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宿でカップうどんをいただく。
そのままでは味気ないので、商店にあった「削りたこかま」を添えてみた。
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タコなのか、かまぼこなのかよくわからないけれど、わりと美味しい。
うーん、たぶんタコに似せたかまぼこかなあ。お値段も300円と安かったし。
何が原材料なのか、賞味期限がいつなのかの表示が全くない。常温で店内にあったが、乾燥しているから大丈夫なのか。
カップうどんでも、あったかい食べ物はありがたかった。
島でも雪道さんぽ
何かあれば、診療所から私の携帯に電話がかかってくる。
島は電波の悪いところはなさそうなので散歩することにした。
調べると島一周、徒歩で3時間とある。
玄関に降り、宿のおやじさんに訊くと、雪のせいで一周は無理という。
それはそうだよなあ。人の住んでいない山の方まで除雪はしないよね。
夏に行けなかった、「海の宇宙館」はリニューアルオープンのため閉館中。
まあ歩けるところまで行ってみるか。
島を一周する道道548号を駐在所あたりから時計回りで歩きはじめた。
14時過ぎ出発。曇り。
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焼尻島の雪化粧
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開いていれば無料で島の記念ハガキをくれるらしい
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美しくて
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島ではもう一軒見かけた
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さあどこまで歩けるか
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足を垂直に下ろして小刻みに歩くのにも慣れてきた
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ウミネコが遠くに飛んでいた
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上り道になるところで通行止め
時計回りの散歩はここで終了。寄せる海、水平線、雪、岩、空が
心に響いてしばし景色を楽しむ。
そこで携帯が鳴った。
急患かなと思ったら、夫からの電話だった。
景色を見ながら会話をする。こちらからは今までの旅のことやO先生のこと。
夫からは、娘のなくした定期が出てきたとか、昨日の夕食はカレーだったとか。
夫の話を聞いて、ああ日常だなあと思った。
帰ってきて宿近くの港で、ウミネコがたくさんとまったり、飛んでいるのを眺めた。
寒いのに元気だなあ。
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散歩終了。
結局、診療所からのコールはなかった。
暗くなってきていたので、宿の方が心配していたようだった。
心配かけてすみません。
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うーん、おいしい。
本来の予定では、金•土曜日の仕事であったが、現地に行けるのが1日遅れ、土曜日の勤務のみ(正確にいうとそれに加え、日曜朝、代診の先生が島に来る11時前までも)になってしまった。
今のところ、治療を要する方が出ていなくて何よりなのだが、
何か申し訳ない気もする。
とりあえず今日もおやすみなさい。