④日本が独立・自尊の国になるためにー岸田首相の辞任と石破首相の誕生
世界の動きは急であります。日本人は戦後いわゆる55年体制、すなわち戦後マッカーサー憲法(現行憲法のことです)の作った体制に朝野ともにどっぷりとつかり、体制を改めようとしなかった。
徳川幕藩体制を崩壊せしめたのは、諸外国の開国を求める外圧だった。とりわけ黒船来航だ。
徳川第15代将軍慶喜は、大政奉還(1867年・慶応3年)を成し遂げたが、徳川幕府は生き残れなかった。
大政奉還後の事件は多数あるが、何よりも慶喜公は尊王心が厚く、天皇を担いで江戸に攻め上ってきた、東征軍と干戈を交えて闘おうとしなかった。いわゆる恭順だ。
その結果、内戦はあったものの日本は植民地にならずに独立を保ったのです。
薩長にイギリス、徳川にフランスが味方をして内戦にうつつを抜かしていたらどうなっていたでしょうか?
西欧列強の植民地となっていたかもしれません。大政奉還が政権交代の契機となったのです。
今回の岸田首相の辞任は、いわば幕末・維新期の「大政奉還」なのではないでしょうか?
日本は黒船来航のような、外圧がないと、制度(徳川幕藩体制)を代えられなかったのです。
令和6(2024)年の外圧は、やはり第二次世界大戦後つづいた米ソ冷戦、アメリカ一強支配体制を経ての新・米中冷戦体制です。
その余波が日本の「55年」体制を打ちこわしにかかっているのです。
きっと、石破首相がハドソン研究所に寄稿した「アジア版NATO」も作られることでしょう。
繰り返しになりますが、「その寄稿の主なポイントは次の通り(日本経済新聞令和6年9月30日付記事による)
1.日米安保条約の改定-米国の対日防衛義務などに基づく「非対称性」を改め、米英同盟並みの対等な関係に
2. 日米地位協定見直しー・在日米軍基地の管理に日本も関与
・米国に自衛隊の訓練基地を設置
3. 核共有―米国の核兵器の使用の意思決定に日本も関与
4. アジア版NATO―・アジアに相互防衛の義務がなく戦争が起こりやすい
・米国の核兵器の持ち込みも検討
です」。
岸田首相は、自民党一党支配の「55年体制」の政(まつりごと)を国民大衆に返還した最後の権力者だったに違いありません。
ご本人はそのような意識はなく、もう一度政治の表舞台に立ちたいと思って辞任したかもしれません。しかし世の中は自分が意識してもしなくても、そのように行くとは限りません。因果律が支配するのがこの世の中ですから。
もはや黒幕として実権を握るような事態はやってこないでしょう。徳川第15代将軍慶喜公のように。
大政奉還後は国内で、彰義隊戦争から榎本武揚を大将とする箱館戦争まで、「戦争」が起りました。
今回の55年体制の崩壊は、「戦争」につながるでしょう。しかし干戈を交えるのではなく、「選挙」という言論活動による戦争です。日本に暴力をもってする「革命」は相応しくありません。
選挙を何回か繰り返すうちに、55年体制の後の政権が立ち上がってくると思います。
その時には「属国とかポチ公」と言われない独立・自尊の日本、子どもたちに誇れる日本になっていることでしょう。
「世襲と金」に国民は辟易としているのです。新しい政治体制は如何なるものであると、お考えになりますか、楽しみですね。
令和6年10月9日、衆議院の解散です。「いくさ」が始まります。
(つづく)
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