7.日本が独立・自尊の国になるためにーマッカーサー憲法の終焉
自民・公明の与党が国会議員の三分の二を占めていても、安倍元首相が「戦後レジームからの脱却」を唱えて、憲法の改正を唱えても達成できなかったのは、理に適っていなかったからです。
本稿は、マッカーサー憲法の「改正」をいかにして達成し、「敗戦の呪縛」を解き、独立自尊の真の日本国憲法を制定するかについて書きました。
そのためには、ロードマップ、つまり「法のロジスティクス」が必要なのです。明治維新から令和6年の現在に至るまでの「法継受」の歴史及び日本人の法意識(国民性と言っても同じです)に対する目配りが無ければなりません。
国論が二つに割れ、外国からつけ入られることだけは避けなければならないからです。
2.何故そうなってしまったのか?ーマッカーサー憲法の規定とその影響
マッカーサー憲法の規定はこうなっています
マッカーサー憲法は、
1.「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」(第一条)
2.「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」(第二条)
となっておりますが、皇統に属する男系の男子が「天皇」たるための要件とはなっていません。そして、
3.「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と、現行の皇室典範第一条で
定めています。
同憲法は、「国の最高法規であって、その条規に反する法律、(略)、の全部又は一部は、その効力を有しない」(第九十八条一項)
とも規定されています。
「憲法とは、西洋文明が試行錯誤の末に産み出した英知であり、人類の成功と失敗の経緯(いきさつ)を明文化したもの」(小室直樹・小室直樹・日本人のための憲法言論 新装版 2023年6月30日集英社インターナショナル刊1頁 この初出は2001年『痛快!憲法学』)です。
また小室教授は
「現在の日本には、さまざまな問題があふれかえっています。10年来の不況、財政破綻、陰惨な少年犯罪、学級崩壊、自国民を拉致されても取り返さない政府……実はこうした問題の原因をたどっていくと、すべて憲法に行き着くのです。
現在日本が一種の機能不全に陥って、何もかもうまく行かなくなっているのは、つまり憲法がまともに作動していないからなのです」とも言っておられます。。
小室教授がそのように書かれたのは20数年前です。しかし令和の現在になってもその状態は変わっていません。
最近では若手弁護士の中にも「日本はアメリカの属国である」、とか「アメリカのポチ公だ」という人もいます。
日本がアメリカの属国であっていいはずがありません。
それは明治維新期から大日本帝国憲法(=明治憲法)の制定の経緯、つまり先人はキリスト教と日本人の「宗教」を知ったうえで「大日本国憲法」を制定し、「国家の運営」をしてきたにもにも関わらず、その事実を現代の日本人が知らなくなってしまったからです。
キリスト教は言うまでもなく、唯一絶対の「神」を信じる、いわゆる一神教です。これに対し、日本は八百万の神々を信じます。
正月には初詣、子供が生まれればお宮参り、クリスマスイブをも祝い、葬式は、仏式。
マッカーサーは絶大な権力を振るい、憲法を制定するにあたって、天皇家をキリスト教化してしまえば、日本は二度と立ち上がれないだろうと考えたのでしょうか?
このような状況下では、いくら「戦後レジームの脱却」を叫んでも、「憲法改正」は成し遂げられません。
本稿は、「敗戦の呪縛」を解き、マッカーサー憲法の改正(=廃棄することです)をいかにして達成し、独立自尊の真の日本国憲法を制定するかについて書きました。
現今の憲法改正論争は間違っているのです。
(つづく)
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