15.坐禅の功徳―只一所懸命!

「石の唐戸の中に入れられて上から千貫もある石で蓋をさせられたら衲僧どうして出るか」

(訳)「石でできた舶来ものの頑丈な檻の中に閉じ込められて上から千貫(=約三・七トン)もある石の蓋をされたらあなたはどうやって外へ出るのか、さぁー答えてみろ」というのが禅問答の問いです。

石造りの檻の中に閉じ込めれられて三トンもある石で蓋をされてしまったらどうしてそこから出るのか?

玉木雄一郎国民民主党党首はこの石造りの箱の中に閉じ込められて、上から3トンもある石で蓋をされてしまったも同然です。

自分のスキャンダル(?)、実弟の詐欺事件(?)、又それのもみ消し行為(?)等々と「石造りの檻」の中にいれられ、上から重い蓋をされてしまったようなものです。 

石造りの壁を叩いても蹴飛ばしても檻はビクともしません。

玉木国民党党首はこの檻の中から出ようとするでしょうが、出なくともよいのです。すなわち政治家として「この檻の中から出ない覚悟を決める」、これも一つの方法です。しかしそれでよいのでしょうか?

国民の望んでいる政策を提言し、議席増を果たすとスキャンダルに見舞われて失脚する、これでは国民が救われません。

ところでさきの衆議院解散総選挙は、政治資金の問題で始まったんでしたね。

知る人ぞ知るジェラルド・カーティスさんが良いことを書いていますよ。

「政治家はどの国でも、政治資金の規制をすり抜ける天才だ。それ故に今日の政治改革をめぐる議論は的外れに感じる。選挙には良くも悪くもお金がかかり、足りなければ政治家は合法か否かにかかわらず何らかの手段で資金を集める。そうでなければ金持ちだけが政治を担うことになる。

むろん、どこかにタガをはめないと、米国のように事実上無限にお金を使える狂った仕組みになる。だが大事なのはパーティー券の金額上限といった規制ではなく、透明性だ。お金の出入りに厳しい情報公開を義務付けることが、後ろ暗い資金の流れを断つにはよほど有効だ
(令和6年/2024/12月8日付日経新聞私の履歴書⑧・ゴシックは引用者による)。

玉木党首は政治家として胆力を練る必要があります。それには参禅して、上記の禅問答を解くことです。

公案禅は、その難問に夢中になって坐禅をしているうちに、ある時パッと気が付くのです。

いまプロ野球界ではアメリカ流の心理学が大流行りのようです。いかに打席に集中するかが問題で、いわゆる「ルーチーン」をする人が多いようです。

読売巨人軍の元監督でV9をなしとげた川上哲治さん(この大選手且つ名監督の名を知らない人も増えた)は、岐阜・正眼寺の梶浦逸外老師から厳しく指導を受けられたので有名です。

「ボールが止まって見えた」(?)のです。参禅の結果でしか、そのような言葉を発することができないでしょう。集中力をつけ、人間力を錬磨するのが坐禅です

足の痛いのを我慢し坐って、その上に訳のわからない禅問答とやらを解かされて、こんなバカなことが何かの役に立つのか、という疑問がある方もおられるでしょう。

しかし、そうやって修行していると日常生活にも役立つのです。川上監督がその禅の効用を実証しているではありませんか?野球人ならずとも、坐禅をしてみるとよいですよ、ことに政治家は。(つづく)

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伊藤博峰
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