介護で思ったこと ④ 覚悟する
時系列ではないけれど、
親の介護を経験して、その時の感情、経験を
「介護で思ったこと」のタイトルで書き留めています。
突然始まった介護生活。
今回は「覚悟する」と心を強く持て
それでもこわごわ、右往左往しながら、
父を在宅で介護し、看取ったことの振り返り。
◎ 人生の覚悟
いつか必ずやってくる親の最期の日々。
その時は寄り添って行きたい、と
「覚悟」を私に持たせたきっかけが
今から10年以上前にあります。
◎ 心に響いた詩との出会い
私はクリスチャンではありませんが、
子供の学校での聖書研究会に時々参加していました。
ゴリゴリ聖書を解釈するだけの会ではなく、
聖書科の先生、ゲストの方のお話をメインに、
コーヒーをいただきながら
雑談を挟んだゆるいおしゃべりの会です。
ある日の会で配られたプリントに
読み人知らずのポルトガルの詩が
紹介されていました。
それは老いていく親から子供へのメッセージ。
このフレーズで始まるシンプルで、哀愁を帯びた詩が
ストレートに心に飛び込んできました。
◎ こころの指針ができ覚悟も決められた
介護当事者になるとしても遠い先の話、
もしかしたら介護無縁のままいけるのでは、思っていた。
当事者意識など全くない40代の当時の私。
それなのに、この詩を読み、
「もし将来親の介護が必要になった時
この歌詞を思い出して、介護にあたればいい」
と何故か早々達観し覚悟を決めました。
この世に小さきものとして生まれて、
手間と時間をかけて大きくしてもらう。
大きくなったら今度は自分が
次世代の小さきものを育てる。
大きくした頃には生命体の常として
老いていく自分が弱く小さくなっていく。
小さくて弱いもの。
それは珠のように輝く幼な子かもしれないし、
枯れて小さくなっていく老人かもしれない。
どちらでも自分の持てる力で
支え助ける。それだけのこと。
そうして人間の命は繋がっていく。
シンプルな生命の真理を再認識。
◎ 『手紙〜親愛なる子供達へ〜』
シンガーソングライター樋口了一さんが詩に曲をつけ
楽曲「手紙〜親愛なる子供たちへ〜」として発表。
2009年の日本レコード大賞優秀作品賞受賞をされています。
かなり有名な曲ですが、
実は私はまず詩を知り、
その後しばらくしてから楽曲の存在を知りました。
まだご存知ない方、興味がある方は
一度、全歌詞を読んでみてください。