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わたしの暮らしを愛でる#11|摂食障害体験記|1997年2月のこと②
①はこちらから
制御不能
何が起きているのか、わかならなかった。
自分の手なのに、そうじゃないみたいだ。
まるで勝手に食べ物を口に運んでいくマシーンに見える。
お腹いっぱいなのに・・
もう食べられないのに。食べちゃダメなのに・・!
本にだって書いてあった。
体が飢餓状態になっているから、今食べたものは大半が脂肪になる。
そんなこと、わかっている。
なのに、どうして・・?
手が止まってくれない・・
父と母は微笑んでいた。
つられてわたしの表情も少し緩んだかもしれないが、
わたしの体に異常が生じていることは
わたし自身が最も感じていたと思う。
結局わたしは、この晩、作られたほぼすべての料理を平らげた。
鍋に残っていた麻婆豆腐も、肉じゃがも、
おばさんお手製のマグロの兜煮も、その他副菜も、炊飯器のごはんも。
お腹が痛くて動けなくなり、
ダイニングチェアを2つ並べて寝転がった。
家族は先にダイニングを後にした。
椅子に寝転がり、
蛍光灯の眩しさを感じながら
お腹が痛くて唸りながら
この状況をどうリカバリするか考えていた。