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クライアント I さん成長記録✴︎大人のためのフォニックス✴︎



私の英語コーチングを受けて頂いているクライアントの I さん。コーチングをスタートして10ヶ月が経とうとしている。スタート時は「How are you?」さえ何のことだかさっぱり分からない英語超初心者であった I さんの、現在の成長記録を残したいと思う。

I さんは、代々受け継がれてきた老舗の酒屋を経営する社長で、特に日本酒を多く取り扱っているため、日本酒についてのエキスパートである。I さんの先代時には海外との取引やオンラインでの販売などなかったが、I さんの柔軟に時代を読む感性と、新しいことにチャレンジしようとする冒険心によって、老舗の酒屋でありながらも、オンラインでの販売や海外との取引によってビジネスを拡大させている。特にドバイでの成功が著しい。コロナ禍の影響を受けながらも、店を閉じることなくビジネスを続けていられるのは、こういった I さんの先見の目によって積み上げられたビジネスの基盤によるものだ。

そんな I さんが英語に目覚めたのも、やはり海外の顧客との取引や海外出張が増えたためだ。I さんの場合、I さん自身が英語で取引をしなくても、通訳の方をつけたり、英語ができる従業員に取引やミーティングを任せても問題ないのだが、本人の内側から溢れる願いとして、自分も英語で海外の方と話をしたい、海外の文化を肌で感じたい、そして日本人である自分を違う角度から見つめ直してみたい、こういった気持ちが日に日に強くなり、英語を始める決心に至った。

私のコーチングプランでまず行うことは、A~Zまでの26文字のフォニックスによる音の習得で、I さんは超初心者であったため、通常のフォニックスのプランでなく、CVC words(子音+母音+子音でできている3文字の単語)を使って練習を行なった。このフォニックスの練習に2ヶ月費やし、週1回の60分セッションと週に3〜4回、20分ほどの練習を続けた。

I さんは運動神経が良く、感覚で物事を捉える能力を持っているため、英語の音を感覚で掴むことも非常に上手で、理屈で考えず見たまま聞いたままを真似することが苦ではなかった。そのため、思っていた以上に音の習得と定着が早く、2ヶ月で基本となるフォニックスはご自身のものにしていた。

その後、4文字以上の単語でさらにフォニックスの練習を続けながら、文章の中で音を繋げる練習を足していった。この時の文章は、私が I さんの生活やビジネスシーンをリアルに連想できるような英文を作り、単語の意味や文法が分からなくても、自分の生活と英語が結びついているように感じ、まるでその英文を読むと自分自身のことを英語で表現できているような、同調できているような感覚になるようにした。これは私が得意とするコーチングのテクニックの一つだ。英語を自分と密接に結びつけることで、潜在意識に染みついている「私は英語が分からない、話せない、初心者だ」という思い込みを緩和して、「英語を話せている自分が楽しいし、嬉しい」という気持ちを増幅させ英語の吸収力をアップさせる効果がある。

この英文を読む練習で、英語の抑揚・リズムとリンキングを定着させていく。この時に私が驚いたことの一つに、リンキングの練習時にやはりベースとなるのがフォニックスで、フォニックスの練習をもうしていなくても、Nの音を後ろにひっぱりながらAと繋げるとか、Tの音は出さないけれど舌はT発音時のポジションに置くといったようなテクニックを、I さんは軽々と真似できてしまうのだ。本当にフォニックスの重要性を改めて目の当たりにした瞬間だった。I さんとしても簡単に真似できてしまうから、できる喜びがどんどん溢れ、もっと練習したい、習得したいという意欲を保つことができる。

文章の中で音を繋ぐ練習が定着した段階で、次は会話の楽しさとアウトプットの場を作るために、フィリピン人講師とマンツーマンでのセッションを週に1回入れた。毎回「私」( I さん自身)について紹介していくプレゼンの文章を私が作成、そして読む練習をし、マンツーマンセッションに備える。ここでの目標は、日本語が通じない環境の中でのリアルな英会話の経験を増やすこと、私と練習してきたことのアウトプットによって意識を高めること、ネイティブに近い英語を聞くこと、の3つだった。

I さんについてフィリピン人講師が一番感動していたことは、発音だった。彼女は多くの日本人や韓国人の英語初心者を教えてきているので、英語超初心者のI さんの発音の良さがいかにレアなケースであるか分かるのだ。それだけフォニックス習得が大人の英語学習者にまだまだ通用していない現実でもある。

そして I さんは持ち前の冒険心によって、フィリピン人講師が言った何気ないフレーズや相槌の仕方をキャッチし、おうむ返しのように真似をするようになった。私が一切教えていないフレーズでも自分から真似をしたり、マンツーマンのセッション後に「これはどういう意味ですか?僕がThank youと言ったら彼女はいつもユアウェルカムと返してきますね」など、自分の内側から出てくるWantによって、さらにそれを広げていっている。今はYou are welcome はもう当たり前、My pleasureやYou are very welcome,そして Don't mention itも習得している。

I さんご自身の実感している変化としては、英語の音が自然に聞こえてくるようになったとおっしゃている。以前だったらチンプンカンプンだった英語のCMやTV、ラジオだったが、今は聞こうとしなくても聞こえてくるとのこと。もちろん意味はまだ理解できないことが多いそうだが、そこは私がいつも「理解は後からいくらでもつけられます。大事なのは英語の音が聞こえることです」と毎回のセッションで言っているので、意味が分からないからといって I さんは落ち込んだり、疑ったりしない。

日本人の英語力が世界基準で見て劣っているのは、ここが原因だからだ。英語の音が聞き取れないからリスニング力もスピーキング力も上がらない。英語の音が聞こえるようになるためには、まず英語の音を自分で発して耳と脳に定着させる必要がある。英語の音を習得してしまえば 、I さんのように次のスキルは簡単に乗せていくことができる。

そしてこれから I さんが目指していくところは、次のレベルのフォニックス習得でいつでも英語の音が出せるようにすること、会話のバリエーションと英語スピーカーとの会話の回数を増やしていくこと。コロナ禍が終息したら、すぐにでも飛行機に乗り、海外で本物の英語でのコミュニケーションを楽しんでいただきたい。私もそのような日が来ることを心待ちにしている。

10ヶ月に及ぶ I さんのコーチングの中で、フォニックスによる英語の音の習得が、いかに次の英語スキル習得に効果的に作用するかを見ることができた。特に I さんの場合はゼロからのスタートだったため、その効果がより明確だった。

この英語の音習得について興味のある方は、現在モニターを募集しているので、下記よりお問い合わせをいただきたい。


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