2019年に読んで面白かった本

softdeviceのみんなでゆるく記事を書く。
Advent Calendar 2019

12/2の記事として書きました(遅刻w)

今年、読んで面白かった本をアフィなしで紹介する記事です。

まずは、この本。

正直、タイトルに書いてあることはほんの少ししか書いてない気がするんですが、MAZDAデザインが、MAZDAらしく、どう「ちゃんと」やっているかが書かれています。著者は、MAZDAのデザイン部部長さんなのですが、本文に出てくる功労者たちへのインタビュー記事も掲載されており、生々しさも読み取れる本です。
ブランド・戦略・組織論・仕事論と色々な話に展開してゆくのですが、デザイナの役割、デザイナとしてどう働くのか?ということに対してのMAZDA流の解答が書かれているように読みました。
ただ、便利な道具ではなく、ブランド体験として、クルマを作る姿にとても学びの多い一冊でした。

次は、うって変わって文化人類学的な話題です。アメリカで増えているというノマド。ノマドっていう響きからすると、場所、時間の自由を得られて働く、カフェで飲み物片手に優雅に。。。なんてイメージがあるのではないでしょうか?
この本でのノマドは、そういったホワイトカラーな?イメージとはかけ離れた現状が書かれています。RV車や、キャンピングカーでAmazonの倉庫労働やキャンプサイトでの日雇いを渡り歩く人々の姿を、著者が実際に同じように過ごして生活を共にすることを通して描かれます。
リーマンショックで家を手放さなくてはならなくなった人たちが、なけなしのお金で買った”自由の象徴”としてのクルマ。そのクルマと共にする壮絶な世界の実態が、エスノグラフィカルな生々しさを持って、淡々と書かれています。
彼らの数々のクルマの整備や、効率の良い仕事先の探し方、情報との付き合い方など、変化した環境に対して、どう適応していったのか、でも、立ちはだかる現実。
定年リタイヤがなくなっていく世界を感じるには十分な内容です。果たして、どう現実を変えて行けるのでしょうか・・・

最後に、お好み焼の戦前史。
「お好み焼きは明治の末に東京下町で生まれた」など、意外な歴史盛り盛りの1冊です。著者は、膨大な新聞や書籍を分析してお好み焼の語りから、お好み焼の変化や、どう広がっていったか、その周辺のウスターソースの歴史まで、紐解いて行きます。
情報デザインという視点からみると、「お好み焼き」というモノが、歴史的背景によって、そのカタチを変え、そのモノに集まる人々を変え、関係するモノも変化してゆく様を見ていて、人、モノ、コトが生き物のように関係を変化させてゆく流れを感じますし、関係の中でモノが都度定義されてゆく様を見てとれます。ヒューマンインタフェースデザインを生業とするが故に、モノを作る時も、モノが発売される時がお終いではなく、そのモノとの付き合いを考えてデザインするので、とっても良い刺激になりました。


 スマホも、この10年で、だいぶ使い方や位置付けが変わったと思うのですが、当事者だと当たり前すぎて気づかないですよね。
今年の読書は「しっかりやろう」「しっかり見る」ってどんなことか?を示唆してくれる本といっぱい出会いました。当事者すぎて気づかないそんなところに、目を向けて、洞察を得て、デザインに生かしてゆきたいと強く思た3冊でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?