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【海外ドラマ】『ブリジャートン家』シーズン2が素晴らしい8の理由。

この投稿に足を運んでいただき、ありがとうございます。
『ブリジャートン家』の続報が入る度にニヤニヤしてしまう、黒木りりあです。

現地時間5/13にはアメリカ・ニューヨークにて『ブリジャートン家』シーズン3のワールドプレミアが開催され、大いに賑わっていましたね。
主要キャスト・スタッフの集合写真はなかなか見ごたえがありました。
配信が翌日に迫り、プロモーションにも力が入っているのを感じます。

そんな本日は、昨日に続いて『ブリジャートン家』シーズン2について、自由気ままに語っていきたいと思います。お時間あるかた、お付き合いくださいますと嬉しいです。


『ブリジャートン家』とは?

『ブリジャートン家』("Bridgerton")は、2020年12月25日からNetflixで配信が開始した、ドラマシリーズです。配信開始から28日以内に8200万世帯が視聴したとされており、史上最も視聴されたNetflixオリジナルシリーズとなりました。ジュリア・クインによるベストセラー小説シリーズ「ブリジャートン」シリーズを原作としています。
作品の舞台は19世紀初頭のロンドンで、名門貴族ブリジャートン家の8人きょうだいが1作ごとにそれぞれ主人公となり物語が展開していきます。また、このシリーズは、各物語がロマンスの8つの王道の展開に沿っており、それがシリーズの魅力の一つにもなっています。
シーズン2の主人公は、ブリジャートン家の第1子で長男のアンソニー・ブリジャートン。青年期に父親を失って以来、子爵として大家族を支える大黒柱として懸命にもがいてきた彼は、家庭を安定させられるような子爵夫人としてふさわしい女性との結婚を望みます。
では、『ブリジャートン家』シーズン2はどのような点で多くの視聴者から支持されているのでしょうか?
個人的に感じた理由を8つ、挙げていきたいと思います。

1. 魅力的なヒーロー

本作では、シーズン1でも活躍した長男のアンソニー・ブリジャートンが今度は主人公として、新たな一面を見せます。演じるのは、オリヴィエ賞受賞俳優のジョナサン・ベイリーです。
いつも家族の心配をし、苦悩するアンソニーは常に眉間にしわが寄っていて、家父長制の色濃い時代における「男らしさ」を体現したようなキャラクターです。一方、演じるジョナサンは、笑顔が印象的でよく共演者とハグをしたり、女子会に混ざるようなタイプで、アンソニーとは正反対の印象です。この「素」っぽさを出すことなく、見事にアンソニーというキャラクターを演じ切るジョナサンの演技はまさに圧巻です。

2. 魅力的なヒロイン

本作でアンソニーの相手役となるのは、ケイト・シャルマという新たにインドからロンドンにやってきたキャラクターです。ケイト役を演じるのは、Netflixドラマ『セックス・エデュケーション』でもおなじみのシモーヌ・シュレイです。
亡き父の再婚相手である義理の母を支えながら、大切な妹に愛と地位のある結婚をさせようと息巻くケイトは、妹に求婚するアンソニーを毛嫌いしつつもだんだんと彼に惹かれていき、家族への責任感と自分の感情の狭間で揺れ動くという人物です。
揺れケイトの感情を見事に演じたシモーヌですが、SNS上では彼女の「眉毛の演技」に注目する人が多く、実際に眉の動きを真似した動画を投稿するのがトレンドとなりました。

3. カップルのケミストリー

何度も繰り返しすぎかもしれませんが、やはりロマンス作品で最も重要なのは主人公カップルのケミストリーですが、本作でもこの化学反応はばっちりでした。
「宿敵から恋人に」("Enemies to Lovers")というロマンスの王道プロットに基づいている本作は、同様にこの主題を扱っているジェイン・オースティンの名作『高慢と偏見』の要素を取り込みながら、主人公たちの視線のやり取りを中心に展開していきます。
本作のベースとなっている原作小説は、シリーズの中でも1、2を争うほどの人気作で、ドラマでは内容が大きく変わっていたために落胆する人もいましたが、設定新たなパラレル作品のような感覚で楽しむファンもいました。とにかく二人のパワーバランスが絶妙な駆け引きは、世界中の人々の関心を集めました。

4. 魅力的な2人目のヒロイン

本作で重要なもう一人の登場人物が、チャリスラ・チャンドラン演じるエドウィーナ・シャルマです。その年の社交界で最も輝く「ダイヤモンド」に選ばれ、アンソニーの求婚を受け結婚式の準備を進めるも、彼と姉の関係を知り思い悩む、非常に難しく複雑なキャラクターです。
少しでも表現を間違えれば「主人公たちに振り回されたかわいそうな女の子」になってしまいそうな人物ですが、そうではなく、自分で考え、自分で判断し、自分で決断を下すことのできる、賢くて強い女性像を本作では打ち出しています。
チャリスラのチャーミングな演技と、芯の強さをうかがわせる芝居が、嫌みのない江戸うぃーなのキャラクターを見事に体現しており、本作のもう一人のヒロインと呼ぶのにふさわしい存在感を放っていました。

5. インド文化の反映

名前からも分かるように、本作のヒロインであるシャルマ姉妹、そして二人を演じるシモーヌとチャリスラはみなインド系です。原作ではシェフィールドという名字を名乗っていましたが、ドラマ化にあたり変更が加わりました。
本作ではエドウィーナの結婚準備の過程で、インド式の花嫁の儀式や礼儀について知ることができます。それ以外にも、インド式の紅茶の入れ方や文化などが登場し、インド文化がドラマに反映されています。インターネット上では、肌の色の濃いインド人女性が主役を演じることがあまり多くなく、シモーヌもチャリスラも肌の色が濃いので、嬉しい驚きだった、という声も見かけましたし、インドの花嫁準備の映像化についても好意的な意見が集まっていました。
もともと人気で影響力のある作品ですが、このような文化の表象が作品の魅力と価値をさらに高めているように思います。

6. 職業女性の葛藤

シーズン1のエンディングにて明らかになったレディ・ホイッスルダウンの正体である、ペネロペ・フェザリントン。ブリジャートン家の向かいに住み、第5子エロイーズと大の仲良しの彼女は、今シーズンではいかにしてその正体を隠しながらホイッスルダウンとしての活動を継続するかを模索します。自分自身の筆の力で大金を稼ぐペネロペは、立派な職業女性といえるでしょう。
そんな彼女の協力者となるのが、洋裁店を営むマダム・ドラクロワです。女性の職業選択が限定されていたこの当時において、自らの能力で稼ぐ彼女たちは自らのビジネスを守るために、時には冷酷とも思える判断を下しながらも、大いにもがき、自分の地位を確立します。そんな彼女たちの姿は、華やかなだけではないロンドンの社交界をうまく表現していると感じました。

7. 社交界の描写

更に、今シーズンでは前シーズン以上に社交界における格差についての描写が増しています。前シーズンでサイモンの友人として登場したウィル・モンドリッチは、今シーズンでは紳士クラブのオーナーとして登場します。また、シーズン1ではアンソニーとオペラ歌手のシエナ・ロッソという二人の格差恋愛が描かれていたのですが、シーズン2ではエロイーズと印刷工の手オ・シャープの交流が淡い格差恋愛として描かれています。
社交界において、特に未婚女性の評判がどれだけの価値を持つのか、を表現するだけではなく、貴族社会や封建制に辟易としているエロイーズと労働階級のテオとの交流がどのような意味をもたらすのか、という描写は、階級社会を描く作品として前シーズンよりも重みを増したように思います。
また、ロンドンで育ったわけではなく、インドからやってきたシャルマ姉妹が新たに社交界に入っていく様子は、また違った角度から社交界を捉えることとなり、シーズン2でありながらも新鮮にロンドン社交界を楽しむことができるようになっています。

8. 群像劇としての進化

シーズン1で大きな魅力として効果を発揮していた群像劇としての秀逸さは、シーズン2でさらに力を増しています。シーズン1で大切に拾ってきた、先の物語で必要となる要素をシーズン2でも拾いつつ、おそらくドラマの今後のシーズンでの展開の伏線として必要だろう仕掛けを置いていく形をとっており、原作以上にマクロの目で作品が作られていくのがよく分かりました。
また、ロマンス作品は基本的に「結婚してめでたしめでたし」で締め括るものですが、本作では、結婚後にどのような物語展開の可能性があるか、についても向き合おうという姿勢が強く見てとれます。長い時間をかけてキャラクターを育て、発展させていこうという意気込みが感じられて、次のシーズンやその次のシーズンへの期待値が上がります。


ここまで、『ブリジャートン家』シーズン2の魅力について、自由気ままに語らせていただきました。さあ、これで種まきは充分です。明日はいよいよ、シーズン3パート1の配信です。シーズン3について、そして外伝についても、今後改めて記事にしていこうと思いますので、気が向きましたらお立ち寄りください。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
他の記事にも足を運んでいただけますと、嬉しいです。


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