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【海外ドラマ】『フレンズ』は、いつもそこにいる。

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リンカーンセンターの噴水を見ると、つい手を5回ほど叩いてしまう黒木りりあです。

今朝は悲しい訃報から幕を開けました。海外ドラマ『フレンズ』でチャンドラー役を好演したことで知られるカナダ人俳優のマシュー・ペリーさんが亡くなりました。

『フレンズ』は私の好きなドラマの一つです。アメリカでの放映開始は私が1歳の頃と、世代ではないのですが、その評判は幼いころからずっと耳にしていました。きちんと見始めたのは、確か大学生の頃。時代の違いは感じたものの、どうしてこのドラマが世界中で愛されるのか、一瞬で理解できました。
お風呂上り、髪を乾かしている間に観たり、会社のお昼休憩の時間に観たり、と『フレンズ』は日常の時間の中にすっと溶けいりやすい作品で、しかもサクサクとみられるので、気づけばシーズンが終わっている、なんてことはしばしばでした。(何せ『フレンズ』は全部で10シーズンもありますから。)

『フレンズ』とは

『フレンズ』は個性豊かな6人のキャラクターがメインとなってニューヨークで繰り広げられる物語です。アパートの向かい同士の2部屋が主な舞台となっていて、男女6人が様々な組み合わせでそれぞれの部屋に住んでいます。

物語は、お金持ちのお嬢様レイチェルが、自分の結婚式から逃げ出して、高校時代に親友だったモニカのところに転がり込むことから始まります。

突如無一文になってしまったレイチェルがウエイトレスから段々とキャリアアップしていく様が一貫して描かれていることからも分かる通り、物語の中心はレイチェルの成長です。
レイチェルのルームメイトとなったモニカは潔癖症で負けず嫌い。昔、肥満だったことを気にしています。モニカの親友、フィービーは複雑な家庭環境で育ち、ホームレスだったこともありますが、非常に楽観的で独自の世界観を持っています。
モニカの兄・ロスは自称・賢くて優しくて面白い男。高校生の頃はレイチェルにのぼせ上がっていました。ロスの親友チャンドラーはモニカの部屋の向かいに住んでいます。しょっちゅう皮肉やジョークを言って、時には場を和ませ、時には反感を買います。そんなチャンドラーの親友でルームメイトのジョーイは子供の心のまま大人になったような男性。チャーミングで女性によくモテます。
この個性豊かな6人の友情や恋愛、仕事などといった日常が面白おかしく、そしてたまには深刻に描かれ展開していくのが『フレンズ』という作品でした。

チャンドラーの微笑み

ドラマ的には、レイチェルとロスのくっついたり離れたりの恋愛模様が中心的に描かれていて、2人が物語のメインカップルといえます。けれども、チャンドラーとモニカのカップルも多くのファンから支持を集めています。
かくいう私もそんなチャンドラーとモニカ支持者の1人です。レイチェルとロスのようなドラマティックさはないかもしれません。けれども、2人の物語は私の好きなお決まりパターン(trope)をたくさん含んでいて、すごく気に入っています。時には、スキップして2人のシーンだけを観る、なんてことをしてしまうこともあるほどでした。

見逃しがちですが、チャンドラーとモニカはドラマの初期からお互い惹かれているような描写がチラチラと登場します。お互いに足りないところを補完し合って、コミカルにもシリアスにも様々な問題を乗り越えていく様は見ごたえがありました。

感謝祭でモニカが七面鳥を被ってダンスするシーン、そしてそんなモニカに思わず愛の告白をするチャンドラーのシーンは私のお気に入りのひとつです。このシーンのTシャツが売られているのをお店でたまたま見かけたとき、買おうかどうか、10分ほど迷ったぐらいです。また、2人のプロポーズシーンもお気に入りの1つです。2人の泣きながらのプロポーズには、心を掴まれました。

実は、私のパソコンの壁紙にはモニカとチャンドラーがいます。100 shipsという、好きなカップルを100組挙げる企画といいますかムーブメントを発見し、それにのって好きな作品のカップル100組の写真を組み合わせた画像を作ったことがあり、それが私のパソコンの壁紙です。ここにモニカとチャンドラーが含まれるのは、私にとってとても自然なことでした。私のPCに居るチャンドラーは、モニカの隣で優しい微笑みを浮かべています。

チャンドラーは皮肉屋で子供っぽいところもあるし、どうしようもない奴だな、と思う場面もあります。でも、社会人としてかなり堅実に暮らしているし、私生活でも、親友との関係は基本的に良好。面倒見がとても良い。恋愛面は難有りな日々が続いていましたが、モニカと付き合いだしてからはとても良いパートナーとなりました。残念な人扱いされることも少なくありませんが、広く愛されるキャラクターです。

そんなチャンドラーに命を吹き込んだのが、マシュー・ペリーさん。多くのプレッシャーを常に感じて、様々な悩みや葛藤をたくさん抱えていた人だと思います。プライベートで、多くの問題を抱えていたことも、知っています。昨年はその壮絶な日々を自伝に書き残して話題となりました。多くのものを得た分、多くのものを失った方でした。
その早すぎる死は、非常にショッキングなニュースです。安らかに、休んでください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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