脱サラ手記: 研究室訪問編
大学院受験は指導教員とのマッチングでもある。外部受験で、会社員の身分で、何処の馬の骨か知れない奴にとって、研究室訪問は必須だ。
それに、私の志望校の説明会では教授とのコンタクトを不自然なほど強調していた。
時期は6月。研究室での滞在時間は小1時間。準備していったネタは下記の通りだ。
自己紹介≒志望動機
研究計画
学部での勉強と卒論のテーマ
卒業後の進路
質問したいこと
1-4が想定される質問への回答と伝えたいこと、5はこちらから知りたいことだ。
メールでの連絡から順を追って振り返っておく。
アポ取り
実はGWに、道央と道東にいる友人にそれぞれ会いに行くことになり、その前に『名探偵コナン』の聖地巡礼をねじ込んだ。コナンは道南だ。
そんなことをしていたので5月は勉強する気が起きなかった。これが5月病だろうか。
そこで、モチベーションアップのために研究室訪問の打診をした。ついでに、同じ日に過去問を窓口で受け取れるように請求した。
メールのポイント
アポの取り方やメールの例文はネットの記事を参考にした。
だが、仕事で毎日非効率なほどに大量のメールを受送信している身としては、いくつか自己流のポイントがある。
ラリーは最低限にする
無意味にメールボックスの件数を増やすのは迷惑だと思う。急ぎでなければ、新しい情報を記載しないメールは避けたい。相手が返信内容に困らないようにする
次のメールでこちらが何の情報を知りたいか、何を決定したいか、明示する。無意味なメール増加の防止にもなる。どちらにボールがあるか明確にする
上と似ているが、現在どの段階にあるのかはっきりさせ、互いの認識を合わせる。全体的なプロセスが曖昧でも問題ない。大事なのは、次に行動を起こすのがどちらかわかるようにすることだ。
仕事で気づいたことだが、メール文面か段取りかあるいはその両方が下手な人は意外と多い。だから簡単なことでスマートな印象を与えられる…と思う。
文面
私は口頭よりも文面の方が得意なので、最初のメールは慎重に書いた。特に意識したのは、同じような研究ができる大学院は他にもある中でなぜこの研究室なのかという点だ。就活のESに書く志望動機の組み立て戦略と同じである。
私の場合は、学部時代(5年以上前)にNPOのセミナーで希望する指導教員の講演を聴いたことがあったので、それを理由にした。
準備
1. 自己紹介≒志望動機
当たり前だが、志望動機や研究テーマと関連性の高いことが重要である。
出身大学と現在の所属、学部時代から移民・難民問題に関心があって今でも未練がましく手を出しているので大学院に行こうと思っている、などと話した。
2. 研究計画
研究したいことを話せるようにするには訪問前日に徹夜しなければならなかった。文書の形には整えられず、口頭で説明するのみとなった。
出さないレポートより出すゴミではないが、紙で渡せるものがあったらよかったと思う。その方がフィードバックももらいやすい。
研究計画書の作成については別の機会に。
3. 学部での勉強と卒論のテーマ
卒論の反省点と質問を関連づけることで、単発の質疑応答の繰り返しではないコミュニケーションができたと思う。
私の場合、コロナ禍で授業がオンラインだったこと、先生やゼミ生と全然相談せずに卒論を執筆したことから、相談・サポート体制や学生同士の交流についての質問に繋げた。質問の背景が明確なので、答える方も単なる回答以上の情報を伝えやすい。
なお、この反省点において私に非があったことは極力伏せ、全部コロナのせいに仕立て上げた。
4. 卒業後の進路
これは質問を受けた。「移民庁ができたらそこで働きたい」とまでは言っていないが、官公庁を考えている、と緩すぎず固まりすぎずの回答を用意していた。
5. 質問したいこと
③で書いたことのほか、社会人が受験する例、何をすれば入試対策に役立つか、過去の修論テーマなどを用意していた。
分類するなら、ネットの情報を深掘りするか、自分と似た背景の学生の例か、入試対策についてかだ。
当日の感想
全休を申請していたのに、午前中はなぜか働いてしまった。社畜は恐ろしい。
電車とバスで2時間半程度かけて行き、方向音痴が炸裂して迷子になるなどした。
マッチング成功?
割と好印象を与えられたのではないかと思う。面接のようにぎこちない感じではなく、自然に会話を続けられた。
訪問後に出した御礼メールへの返信では、最後に「春にお会いできるのを楽しみにしています」と書かれていた。実質内諾だと思った。入試でもこれが自信の根拠になった。
私としても、研究室の本棚に知っている本や持っている本が複数あったのが見えて、ここで合っていると感じた。
反省点
研究計画は前日に徹夜でまとめてはいけない。実際に入試のために書いた研究計画書では、大筋は変わらないものの焦点を少しずらしている。変わること自体は問題ないと思うが、早めに決まっていた方がアドバイスをもらえて完成度を上げられるはずだ。
また、学生からは話を聞けなかった。メールの時点では、ゼミやオフィスアワーは時間が合わず(NGだったかも?)、それ以外の時間はいるかいないかわからないということだった。結局、希望する指導教員と一対一だった。
入試対策や学生生活については学生からの方が情報を得られると思う。
受験準備へ
同じ日に、受験日の宿泊先を予約した。退勤後の遅い時間にチェックインできて、大浴場があって、アメニティも揃っているリーズナブルなホテルを早割で確保した。
完全に旅行気分でお気楽な頭だが、入試当日にこの時の自分を褒め称えることになる。
また、会社へも早めに報告しておこうと考えた。
これらはそれぞれ別の記事で書こうと思う。