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【推したい会社】資生堂のホネケーキと苦笑いする彼女

この名前を聞いてどんな商品なのかイメージできる人は、きっと少ないでしょう

ホネケーキ

ホネケーキは英語で「honey cake」と書くんですが

資生堂が1958年に販売をはじめた透明な石鹸

honeyとういのは石鹸の主成分であるハチミツからきているそう

私とホネケーキとの出会いは、京都にあるちょっと歳の離れた友人宅だった

彼女の家のお風呂場にあった、宝石のような石鹸

私が30歳になるころ、私は病気で仕事を辞めることになり、ほぼニートのような一人暮らしをしていた

たまたま出かけた先で知り合ったマダムに誘われて、京都にある自宅に3ヶ月ほど住まわせてもらっていたことがある

その時にそのマダムが使っていたのが、ホネケーキと同じく資生堂のオイデルミンという拭き取り化粧水だった

大好きな仕事をやめたこと、体がうまく動かないこともあって、彼女の家に着いたものの

肌はボロボロ、髪は伸びっぱなし、服はチグハグ

予定より遅れてしまったことに消え入りそうな声で「すみません」と謝ったら、口を塞がれてお風呂にぶち込まれたことを思い出す

ホネケーキのルビーレッド、光にかざすとキレイで落ち着く


その時にお風呂場にあったのが、宝石のような透明でルビーのようにキラキラと光るホネケーキだった

その特別な石鹸で顔と体を洗ってお風呂からあがると、暖かいご飯と彼女の姿があった

彼女は「まずは温まって、食べて、ゆっくり寝てなさい」といって、特に事情を聞くわけでもなく談笑をして

滞在中は観光をしたり、私設図書館に足を運び、毎日その透明な石鹸で顔と体を洗い

夜に暖かいご飯を食べて、布団の中で彼女と他愛ない話をして過ごした

彼女との別れと宝石のような石鹸の正体

3ヶ月後に元気になって東京の家に帰る時、何がほしいか聞かれて思い切って言ってみた

「すごく高価なものかもしれないけど、お風呂にある宝石みたいな石鹸を分けて欲しい」

それを聞いた彼女は苦笑いしながら、そのキラキラとした石鹸を12個もくれた

高価なものだったらどうしようと震えてたけど、家に帰って調べたらひとつ400円で私は大笑いしてしまった

そんな豪胆で、チャキチャキしていて、悪口が上手で、誰よりも美しかった彼女は、もうこの世にはいない

亡くなったのは88歳だから大往生、別にこの世の未練とかはないだろう

今頃は空の上で私が光る石鹸をピーラーで削る姿を見て、”お前は石鹸に何てことをするんだ”と苦笑いして見ているはすだ

資生堂という会社

ホネケーキを製造・販売している資生堂は、日本の美を自らの手で創り出し、牽引してきた老舗企業で

創業150年の老舗企業、売上は日本一、世界シェアは第5位

日焼け止めや化粧水は1万円を超えるものもあって、日本だけではなく世界でもかなり知名度が高い

そんなグローバルな会社が、500円もしない商品をずっと販売し続けている

資生堂はいま中国の売上不振の影響で、一部のブランドを売却までして経営立て直しを図って苦しい状況

それでも古くからある化粧品点や薬局でも売っているし、安い製品もずっと造り販売している

ボロボロな薬局に資生堂商品があるのは、ブランディングとして間違っている

そんな声が上がることは百も承知だが、これは世界最古の会社をもつ日本でしか出来ないことだと私は感じるのです

古き良きを残すことの難しさ

資生堂には1万円を超える石鹸がある

別に賢いマーケターじゃなくても、1万円の石鹸を1個売るのと400円の石鹸を25個売るのであれば1万円の石鹸を売るだろう

分かっていながらも安くて大した利益にならない、昔ながらのロングセラーをのこしているのは

伝統と顧客を本当の意味で大切にしているからだと私は感じる

きっと社内では半世紀の間に何度も『400円の石鹸を売るなんで時代遅れだ』『高価格帯にリソースを集中させるべき』と議題にあがったことだろう

株主やメディアからは古い体質、保守的な社風と散々叩かれたはずだ

資生堂の中にはそんな何度も吹く逆風から、伝統と顧客のを必死に守った人がきっといる

安い商品や古臭い店舗に資生堂製品があったら、それを使う自分の価値が下がったような気がしてしまう

マーケティングをやっている人は、こういうアドバイスをするはずだ

それは間違いなく正解だろう

それでも昔からの顧客を大事にし、真摯に良いものを作ってきたからこそ資生堂は日本のトップブランドなのです

業績が悪化しているけれども、こういう姿勢が製品をみて感じるから

私はちょっと敷居が高くても、資生堂という会社を全力で推すし、ちょっと高い製品でも資生堂ならと信じて買うのです

私のホネケーキの使い方

石鹸に使い方なんてあるのか?って思うかもしれないけど、私はピーラーで削ってお風呂場や洗面台に置いて、気分で3色を使っている

ホネケーキは削った後も可愛らしい

最初につかったホネ石鹸はルビーレッドでしたが、ホネケーキは3色あって値段も400円、500円、700円とちょっと違う

ルビーレッドはさっぱりタイプなので、脂性肌の私は顔洗顔に使うことが多い

パープルはしっとりタイプなので、冬は特に体を洗うとしっとりする

エメラルドは保湿成分たっぷりなので、乾燥しまくってる時の顔洗顔や手を洗う時によく使う

Amazonで3色うってるので、使い比べをするのも楽しい

あとは旅行の時も紙石鹸の代わりに、袋やちょっとしたケースに入れて持っていけるのでとっても便利!

資生堂の昭和レトロで可愛い商品のご紹介

資生堂公式サイトより引用

資生堂には他にもレトロ可愛いスキンケア商品が沢山あります

どの製品も当時は高級品だったものばかり

どこか懐かしい香りに包まれながら、明治・昭和の高級品を使ってみる

そんな少し変わった贅沢が資生堂昭和レトロ沼ではできます

オイデルミン

なんと1897年(明治30年)の商品、拭き取り化粧水って120年前からあるんですね・・・。

ビビッドなピンクの液体には”資生堂の赤い水”と言われていて、いまのブランドカラーもきっとここの化粧水由来

ドルックス

1932年桜田門外の変の年に発売されたドルックスの化粧水

当時の資生堂最高品質を目指した製品ですが、現代では定価660円というリーズナブルすぎるお値段(ネットだとさらに安い)

オードカルマンはお風呂上がりの引き締めに使ってます、とても良い

紫色が可愛くて衝動買いをしそうな化粧水

口コミをみると90歳の祖母がつかってる・・・なんてものも多く、本当に長年たくさんの人に愛されてきたんだなと思います

現代の資生堂おすすめ商品

レトロなプチプラのものも良いんですが、資生堂が研究してつくりあげた化粧品やスキンケア製品は本当に良いものが多い

あまり化粧はしないけど使い心地と化粧崩れにうるさい、そんな私のおすすめです

クレ・ド・ポー ボーテ メイク落とし・洗顔石鹸

定価13,200円の石鹸だと・・・?と思うかもしれませんが、まずはネットで口コミを見てください

石鹸って乾燥するイメージがあるけれど、メイク落としができるだけではなく自分史上最高のしっとり感

アクアレーベル

この成分配合で1500円以下なの!?と美容系インフルエンサーが震え上がるアクアレーベル

街のドラッグストアにもドン・キホーテにも必ずある安心感

マキアージュ

この化粧下地、本当に良すぎて永遠に使っています

塗るだけで肌色がワントーン明るくなる、ただいろんな種類やカラーがあるから最初はコスメカウンターで相談するのがおすすめ

NARS

このコンシーラーがあると、シミ・ニキビ・赤みが全部無かったことになる

取材やパーティー以外は、ファンデーションを塗らずにこのコンシーラー+パウダーで完結してしまっている

最後まで読んでいただきありがとうございました

やっぱり推しのことを語ると長くなってしまうんですが、推しに推せたので満足です

他にもこんな記事やマガジンを書いてますので、ぜひ他の記事も読んでいただけると嬉しいです

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