ブランド物は男に買ってもらうものでしょ?
と、同僚の女性が申しておりました。
確かにそういう考え方もあるよなあ
そして、男性に貰うことでさらに素敵な物もあると思う。たとえば花束とか、指輪とか。
でも、私は
本当に欲しいと思うものほど自分の手で
手に入れたい。
憧れて目標にしていた物を
他人に与えられるのは違和感があるし、
何より、せっかく手に入れたその物に
私以外の誰かの面影を感じるのは堪え難い。
私が、私のために、私だけの力で手に入れたい。
昔話になるが、
20歳の誕生日に記憶に残る特別なものがほしくて、初めてブランド物の財布を買った。
一目惚れしたその財布を、誕生日が来るまで何度も繰り返しネットで検索しては手に入れる日を夢見た。
値段は6万程度。
社会人になってみれば、
ブランドにしては高い金額ではないかもしれないが、当時大学生の私には清水の舞台から飛び降りるような買い物だった。
あの時、お店のすぐ近くのATMで
現金を下ろしたあの緊張感。
お店で現物を目の前に出された時のトキメキと高揚感。
家に帰ってずーっと財布を眺めていたあのひと時を、
財布を取り出す度につい頬が緩んだあの幸せを、
私は未だに鮮明に思い出す。
クタクタになって使えなくなったら、もう一度同じものを買おうかと本気で思うくらい気に入っていたその財布は、25歳の誕生日を迎えるまでの5年間使いこんだ。
今でも箱に入れて大事にしまっている。
私はあの財布を一生手放さないと思う。
何かを手に入れるというのは
そのモノ自体はもちろんだけど
その体験を買うことだとも思う。
……という、ここまでを
1年前の私がしたためていた。
今もこの考え方には共感できるし
私の根本は変わらない。
だけど、一年前ほどの熱量で訴える気持ちはない。
時は流れる。
人は変わる。
思ったことは思った時に。
やりたいことはやりたい時に。
そんなことを下書きに残っていた書きかけの文章を読み返しながら思うのであった。
これ何の話???
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