私の人生ドラマ#5 虎に翼(16週~26週/最終週)
ついにNHK連続テレビ小説『虎に翼』が完結してしまいました、、、!!
今回初めて1週目〜最終週まで欠かさず見届けた朝ドラであり、私にとってキャスト、脚本全てが最高にハマったこのドラマが終わってしまい絶賛「とらつばロス」状態になっております。
そんなロス状態を解消すべく、16話〜最終週までを振り返りながら思い出に浸りたいと思います!
あらすじ
一言でいうと「女性の社会的地位」が蔑ろにされてきた戦前の日本で初めて女性法曹家となり道を切り開いてきた女性猪爪寅子(モデルは日本初の女性弁護士三淵嘉子)の物語です。
作中では、主人公の寅子をはじめとした女性たちが進学、キャリア、結婚、出産、子育てと女性であるが故のしがらみや葛藤に苛まれながらも必死に生きていく様を描いています。
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第16週「女やもめに花が咲く?」
寅子は新潟に転勤し、娘の優未とともに新生活を始める寅子。
仕事の忙しさと親子の距離感に苦しむ寅子ですが、二人で過ごすうちに優未に夫・優三の面影を感じることが増えていきます。
そして、ようやく優三の死を受け入れ、優未にも彼のことを話せるようになります。
また、この週では新たな登場人物である書記官・高瀬の田舎コミュニティならではの苦悩が描かれていきます。
田舎特有の小さなコミュニティゆえの距離の近さが描かれた回になりました。どんな些細なことも、近所や職場に筒抜けになってしまい余計な一言を言われたり陰で噂されたり、、、そんな高瀬さんの苦悩が伺えました。
悶々として「仕事行きたくない〜」とだだをこねる寅子は朝ドラヒロインらしからぬ姿でした笑
第17週:「女の情に蛇が住む」
ある日、新潟で再会した航一に連れられて喫茶店にやってきた寅子は14年ぶりに明律大時代の友である涼子とその付き人の玉と再会します。
涼子は戦後の混乱で華族制度も失い、離婚後は新潟で喫茶店「ライトハウス」を営んでいました。
空襲で足を怪我し、車椅子になってしまった付き人の玉は涼子のために自分が邪魔になっていると悩み寅子にある相談を持ち掛けます。
さらに、ひったくり事件に関わる少年たちと対峙する寅子は、事件に関与していると思われる美佐江の言動に疑念を抱きます。
涼子様と玉ちゃんとの感動の再会!
二人がお互いを思いやる姿に涙が止まりませんでした、、、
戦後しばらく経ったとはいえ、戦争の傷を抱えた人々がいることが描かれた回になりました。
そして、寅子に近づく謎の高校生「森口美佐江」の正体に疑念が残ります、、、
第18週:「七人の子は生すとも女に心許すな?」
朝鮮人放火事件の裁判を担当することになった寅子と航一。
戦後の差別が根強く残る中で、朝鮮人の青年・金顕洙が放火と詐欺の容疑で逮捕されます。彼は自身の無実を訴えるものの、社会の偏見や差別が裁判にも影響を及ぼし、寅子は新しい憲法の考えがなかなか浸透しない世の中の不条理に苦悩します。
そんな中、かつて寅子と共に法曹の道を歩んだ朝鮮人の香子が事件の解決となる手がかりを見つけ出します。
また、この週は一緒に裁判を担当した入倉、航一らが自身の苦悩や過去について腹を割って話すシーンが印象的でした。
航一の過去を知ることで、寅子は航一に対する理解を深め徐々に距離が縮まっていきました。
第19週:「悪女の賢者ぶり?」
ある日、森口美佐江が補導されたという知らせが入ります。
以前から美佐江のことが気がかりだった寅子は、美佐江との対話を試みます。
しかし、美佐江は自分が恵まれていると自覚した上で、「なぜ悪い人から物を盗んではいけないのか、なぜ自分の体を好き勝手に使ってはいけないのか、なぜ殺人がいけないのかよくわからない」と言い出します。
寅子が向き合おうとしたその時、美佐江の背後から現れた優未を見て咄嗟に優未を守ろうと抱きしめてしまいます。
この一件から美佐江との距離が遠のいてしまい、どうすべきだったのか悩む寅子を航一は何も言わずただ黙って見守ります。
航一への思いに気づきながらも自分の気持ちに蓋をする寅子。
そんな中、東京からやってきた花江は優三が戦地で亡くなる直前に寅子へと宛てた手紙を手渡します。
またしても、優三さんに泣かされた回になりました、、、
もう死んでるのに何回泣かせるねん、、、勘弁してくれ、、、
第20週:「女難の相」
1955年の春。
晴れて「永遠を誓わない愛」を約束し交際を始めた寅子と航一は、辞令により東京へ戻ることとなります。
寅子が東京へ戻った頃、猪爪家では、弟・直明が結婚後に同居を提案したことで、義姉・花江との間に深刻な対立が発生。花江は同居に強く反対し、特に「姑的な関係」への懸念を抱いています。彼女は結婚後は夫婦で独立すべきだと主張し、この問題で直明との口論が続きます。
一方で、東京地裁に配属され「原爆裁判」を担当することとなった寅子。
かつて寅子と共に法曹の道を歩んだよねも晴れて弁護士となり、再び「法とは何か?」について深く考える機会を得ます。
第21週:「貞女は二夫に見えず?」
航一にプロポーズをされたものの返事を即答できずにいる寅子。
かつて「永遠を誓わない愛」を約束したつもりが、「永遠を誓う愛」へと変化していくことにどうしても納得できずにいました。
そんな中、よねに助言を得ようと訪れた山田轟法律事務所で偶然男性と寄り添う轟の姿を目にしてしまいます。
驚きを隠せない寅子に対し轟は「俺がお付き合いしているお方だ!」と、時雄を紹介します。
そんな二人を目の前にし、「航一にプロポーズされたが、今更子どもを産むわけでもないのに結婚する意味を見出せない。」と素直に心のうちを明かします。
寅子の発言に悲しい表情をする轟と時雄。
寅子は無自覚に二人を傷つけてしまった発言を謝罪します。
その後偶然、轟たちの元を訪れた航一の耳に、「一緒にいたいけれど今籍を入れる必要性がわからない、苗字を変えたくない」という寅子の本当の気持ちが耳に入ってしまいます。
そんな寅子に、航一は「婚姻届を出すのはやめましょう」と言い
お互いが考えていることを書いた遺言書を、婚姻届の代わりとする「夫婦のようなもの」になることを提案します。
晴れて夫婦となった二人。
弟の直明は寅子の名律大学時代の友人を集め二人の結婚を祝福しました。
まさに!神回!!
「同性婚」と「選択的夫婦別姓」をテーマに、未だ変わらない社会へメスを入れた週になりましたね。
私が世の中に声を大にして言いたかったメッセージをこの回を通して伝えていただきました👏👏👏
史実と違うだとか、三淵さんへのリスペクトが〜みたいな意見はあるようですが、脚本家の吉田さんは「昔から彼らのような人たちは存在していて、多くの問題が解決されぬまま今の時代まで続いていることが大問題なのです。」と語っています。
令和になった今でも、保守的な考えのもと古くから残された既存の枠からこぼれ落ちてしまう人はいて、どれだけ声を上げても変わらない法律がある。
そんなメッセージを伝えていただけて本当に脚本の吉田恵里香さんにはありがとうございますという気持ちでいっぱいです😭
第22週:「女房に惚れてお家繁盛?」
遺言書を交わし、「家族のようなもの」になった寅子と航一。
優未も一緒に星家での新生活をスタートさせますが、さまざまな問題が浮上します。
星家の長男・朋一と長女・のどかは、今まで家族に向けられた航一の態度と寅子や優未に対する航一の態度の違いに距離を感じ、徐々に不満が募ります。ついに不満が爆発したのどかは寅子との同居に反発し、家を出たいと言い出します。
「親に甘えること」を我慢してきたのどかに対し、「たまには子ども扱いさせてくれないか」と話す寅子。
航一も朋一やのどかとのこれまでの向き合い方を見直します。
また、寅子の判事補として働く秋山の妊娠が発覚。
せっかくこれまで努力して築いてきたキャリアがストップすることに絶望する秋山に対し、寅子は女性法曹として、仕事と家庭の両立に苦悩する女性たちを支援し、労働環境の改善を提案する姿勢を見せます。
第23週:「始めは処女の如く、後は脱兎の如し」
寅子が担当した8年にも渡り続いた「原爆裁判」がついに終結を迎えます。
この裁判では、被爆者たちが国を相手に損害賠償を求め、原爆投下が国際法違反となるかどうかが争点となりました。
被爆者側は「原爆は非交戦者に対する無差別攻撃であり、国際法に違反している」と主張し、国側は「当時の国際法には原子爆弾を禁止する規定がなかった」と反論します。
原告側弁護士のよねや轟は、倒れた弁護士・雲野の意志を引き継ぎ、法廷で戦います。よねは、国側の国際法学者に対して鋭く反論し、個人の権利が国家によって奪われることの不当さを指摘します。
裁判が進む中、寅子自身も体調不良に悩まされつつ、裁判官として重要な役割を果たしていきます。この裁判は、国内外での注目を集める一方、結果がどうなるのかに大きな関心が寄せられました。
第24週:「女三人あれば身代が潰れる?」
東京家庭裁判所、少年部の部長となった寅子。
その頃、上司の桂場も第五代最高裁長官へと登り詰めました。
そんな時、少年犯罪の厳罰化を求める少年法改正案が出されます。
かつて家庭裁判所を設立し、少年犯罪に対して教育的アプローチを大切にしてきた多岐川や寅子は、少年犯罪の厳罰化が進む現代の流れに対し強い危機感を抱きます。
病に倒れながらも少年法改正に強く反対し、最後の力を振り絞ってその意思を貫こうとする多岐川。
多岐川の意思を継ぐ寅子たちは、「厳罰化が少年たちの更生の道を閉ざしてしまう」ことを懸念し、最高裁判所長官・桂場に反対の意見書を提出することを決意します。
第25週:「女の知恵は後へまわる?」
桂場は、航一の息子である朋一を含む若手裁判官の異動を命じたことで寅子の批判を受けます。ただ、彼の決断は「司法の独立」を守るためのものでした。
そんな中、寅子は家庭裁判所で美雪という少女に出会います。
美雪はかつて寅子が新潟にいた時救うことができなかった美佐江の娘で、美佐江は美雪が幼い頃に車の事故で亡くなったということを知ります。
美佐江の残した手帳には彼女の苦悩やこれまで犯してきた罪が詳細に綴られていました。美雪が母親の手帳を見つけたことで、母の過去の痛みを知り、自分自身の苦悩とも向き合うことになります。
一方、航一は尊属殺人事件の調査に携わります。
父親から長年にわたり暴力と性的虐待を受け、耐え切れず父親を殺害してしまった美位子。
よねと轟は美位子の弁護を担当することになり、「尊属殺規定の改訂」をめぐって最高裁まで戦うことを覚悟します。
航一も最高裁長官である桂場に対し「今こそ尊属殺規定を考え直す時ではないか」と強く訴えます。
第26週(最終週):虎に翼
尊属殺人事件の裁判では、ついに最高裁判決が下されます。長年の虐待に耐え、父親を殺害した美位子の事件は、家父長制が根強く残る日本の法律を揺るがす重要な判決となります。よねと轟の尽力により、尊属殺人の重罰規定は違憲とされ、時代の転換点を迎えることとなりました。彼らの努力が実り、裁判は美位子にとって希望のある結果となります。
また、美佐江の娘である美雪は母親と同じく問題行動を繰り返します。
寅子は、美佐江のときの過ちを繰り返さぬようにと真摯に向き合い、美雪もその言葉を受けて祖母と共に再び立ち直ろうとします。
そして迎えた、「虎に翼」最終話は寅子の死後15年が経過した平成11年(1999年)の現代が舞台となりました。
まさかの寅子が幽霊になって、その後のみんなの様子を見守るパターン。
物語は、寅子の影響を受けた人々のその後と、彼女が残した遺産がどのように引き継がれていったかに焦点を当てて描かれます。
寅子の娘・優未が登場し、50歳となった彼女が、寅子の教えを受け継ぎながら自分の人生を歩んでいる様子を嬉しそうに見守る寅子。
回想で現れた母はるからの「地獄の道はどうだった?」という問いかけに対し、寅子は「最高です!」と笑顔で答えます。
ついに終わってしまいました、、、。最後、はるさんの登場に号泣、、、。
毎週内容が濃く、ひとつひとつのエピソードに心を動かされた「虎に翼」。
自分自身に寅子の姿を重ね、勇気をもらったこともたくさんありました。
間違いなく、人生ドラマとしてずっと心に残り続けることと思います。
また素敵なドラマに出会える日まで、「さよーならまたいつか!」
p.s.
「さよーならまたいつか!」オープニング映像の作画が好きすぎて、製作者のシシヤマザキさんのお絵描きコミュニティに入会しました!
何から何まで最高なドラマでした!