【Inverted Angel】おススメゲーム紹介【ネタバレなし】
結局のところ、言葉というのは重ねれば重ねるほど溝を生み、削れば削るほど誤解を生む。しかし言葉ほど広がりやすいものはなく、頼りになる存在はない。だからこそ今回も、誠に遺憾ながら、忸怩たる想いで、善きものを善いと伝えたいが為に、言葉を使っていこうと思う。
要するに、最近プレイしたゲームがドチャクソに面白かったから、それについて語らせてくれ。
タイトルは『Inverted Angel』
まずは軽くどういうゲームか説明をしたい。
この説明だけでも十分なのだが、それではnoteの意味がないのでもう少しだけ補足をしよう。
ある夜、勉学とバイトに励んでいる主人公が家でゆっくりしていると、突如インターフォンが鳴る。宅配か何かだろうかだと思いながらインターフォンについているカメラを見ると、そこには砂糖、スパイス、それに素敵なものをいっぱい混ぜたのような可愛らしい女の子がいた。
身に覚えのない人物に困惑しながらも、来客と対話をする主人公。しかしどうも、彼女の様子がおかしい。
それもそうで、このはじめて出会ったはずの女性は、自分のことを主人公の恋人だと自称しているのだ。しかも、主人公の大学やバイト先、はたまた家族についても当然のように知っている。
扉を開けて顔を見せてくれとお願いされるが、主人公は彼女について全くの記憶がない。
インターフォン越しに彼女の謎を解き明かした先には、どんな真実が待っているのだろう……というのが大まかなゲーム説明だ。
聡明で博識な読者諸君なら、ストアのページを見て『NEEDY GIRL OVERDOSE』や『ドキドキ文芸部』を連想しただろう。恥ずかしながら自分もそうで、steamの購入履歴からのおすすめでこのゲームを知り、購入に至った。こういう女の子ガチでタイプなんすよ……
たしかにこのゲームでも、日本のカワイイ文化を浴びることはできる。全部の会話を見た後、少なくとも自分はこの女の子に恋をしたし、今もしている。
しかしこの作品の本質はそこではなく、むしろ『ダンガンロンパ』『逆転裁判』のような本格謎解きゲームのそれであると言いたい。彼女という存在の謎を解き明かすため会話から生じた矛盾や疑問を指摘し、無事エンディングを迎えた時のカタルシスは、言葉では表現できないほどだった。
さらに『Inverted Angel』には今までになかったシステム(自分の教養不足で、すでにポピュラーなものかもしれない)が搭載されており、それがゲームとしての完成度をグンと高めている。
これは、ゲーム序盤で彼女がどんな人物なのかを想像する場面なのだが、推理ゲームを好んでやっている層には違和感を抱かせる画像だろう。
そう、選択肢がないのだ。
なんとこのゲーム、自由に入力した文章をAIが判定して、そこに用意された答えがあったら選択肢が出てくるのだ。
例えば、この画像の時にチーズケーキや北の大将軍と入力しても失敗となり、先へと進むことはできない。自分の彼女、昔の知り合い、知らないストーカーなどと入力すると、それに応じた選択肢が表れて先に進むことができる(もちろん全てがそうではなく、最初から選択肢も出てくるときもある)。
この自由記述システムだが、これまでにない新しい試みであると思うし、推理ゲームとしての難易度を引き上げることに成功している。恥を承知で述べるのだが、推理ゲームをやっていると、選択肢を見てから答えを得ていた時が少なからず存在した。犯人の検討が全くつかなくても、限りある選択肢が補助してくれて、真実へとたどり着いた過去がある。
しかし『Inverted Angel』はそれがない。なので、正々堂々ゲームと戦えるのだ。人によってはそれが苦痛に感じるかもしれないが、自分にとっては素晴らしいシステムだと思えた。感覚的にはTRPGをやっている時に近いだろう。
話は変わるが、最後にもう一つだけ魅力を語らせてほしい。
この子、見た目はもちろんのこと、性格も可愛いのである。
ややも重めな愛についてはこの際割愛するとしよう。きりがなくて朝焼けが来てしまう。
そうではなく、ゲームをプレイすればわかるのだが、この子、発言がかなり面倒くさいのだ。持って回した言い方や婉曲した表現が多く、言葉の節々に頭の良さを感じられる。そのくせ急に感情的になってまくしたてる時もあり、そのギャップがたまらない。
自分は、そんな女の子が大好きなのである。
そこそこ長くなってしまったので、『Inverted Angel』についてはここまでにしておこう。なるべく内容については触れないようにしたので、是非自分でプレイしてほしい。思い出に残るゲームになると約束しよう。
では今回はここまで。読んでくださり感謝の極み。
もしクリアしたら自分に教えてほしい。
ゆっくりお話ししようよ。分かり合ったつもりになれるまで
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