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犬のフィラリア予防は最後が重要!蚊がいたらまだ危険信号
動物病院でフィラリアの予防をする際に、多くは12月くらいまで予防シーズンとして予防薬を処方されうと思います。
しかし、誤解してはいけないのは必ずしも12月で予防期間が終わるわけではないということです。
ここを勘違いしてしまうと、「予防していたはずなのにフィラリアに感染した!」なんてことにも。
では、実際いつまでフィラリア予防をしたらいいのかを、ここでは解説していきます。
犬のフィラリア予防薬を与える期間はいつまで?
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犬のフィラリア予防の時期は、だいたい5月〜12月とされていますが、まずなぜその時期を予防期間と定めているのかをお教えします。
フィラリア症は蚊によって心臓に線虫(フィラリア)が感染する感染症です。
蚊が犬を刺したとき、蚊の口から犬の皮膚の中に侵入→少しずつ筋肉や脂肪へ移動しながら脱皮を繰り返す→最終的に血流に乗って心臓に到達★
という流れです。
つまり、蚊がいる時期は感染時期になるため、そこでしっかりフィラリア予防をしましょうね!というものなんですね。
ここでポイントなのが、『蚊がいる時期』という部分です。
予防シーズンとされている期間は、だいたい5月〜12月くらいと言いましたが、もちろんこれはお住まいの場所によっても異なります。
例えば3月には蚊を見かけるような場所であれば、4月から予防をスタートしたほうがいいですし、12月まで蚊を見かけたなら1月までお薬を投与する必要があります。
ですから、お住いの場所によっては4月〜1月、5月〜2月までなど投薬期間が変わるため、一概に5月〜12月まででOKということではないのです。
犬のフィラリア予防薬は駆虫薬だから最後が大事
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蚊がいる間はフィラリア予防をする必要があるというのは、再確認ができたのではないでしょうか。
しかし、「ん?」と疑問に感じた方もいるかも知れません。
恐らく「12月まで蚊がいたなら、12月までフィラリア予防したらいいんじゃないの?」と思ったのではないでしょうか。
そうなんです。そこが多くの飼い主様が勘違いされている、重要なポイントなんです!
実はフィラリア予防とは、体内に入ってきたミクロフィラリア(フィラリアの子虫)を駆虫することで、心臓への感染を予防するという方法なんです。
投薬スタートの場合、仮に3月に蚊を見かけたとします。すると恐らく3月に蚊に刺されて、ミクロフィラリアに感染している可能性がでてきますね。
しかし、そのミクロフィラリアはまだ皮膚の下を移動中で血管の中には入っていません。
それを4月に投薬する薬で駆除するのです。
このように、先月感染したであろうミクロフィラリアを、次の月の薬で駆除することで心臓への感染を予防していくわけですから、12月に蚊を見かけたなら1月まで、1月にも見かけたなら2月まで…というふうになるわけです。
特に南国の方になると、2月くらいまで蚊がいるなんてこも近年では少なくありません。
となると、通年予防したほうが安心安全だよね!ともなりますし、そうでなくても毎月必ず投薬し、特に最後の投薬を絶対に忘れてはいけません。
毎月必ず飲ませていたとしても、最後の投薬を忘れてしまえば先月刺された分の駆虫ができず、フィラリアに感染してしまいます。
絶対に絶対に油断せず最後まで飲ませるようにしましょう!
愛犬と飼い主さんのスタイルにあった薬の種類を考えよう
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フィラリアの薬は動物病院で処方してもらう必要があります。
薬は体重によって投薬量も変わるため、できれば毎月体重測定をして処方してもらうのがおすすめです。
体重管理ができているご家庭であれば、まとめて購入して飲ませ忘れのないようにするのも方法ですね。
おやつタイプや首につけるタイプなど、さまざまな種類のお薬があるので、与えやすいものを選択していきましょう。
しかし、毎月でもまとめ買いでもつい忘れてしまう…という飼い主様は、12ヶ月効果のある注射での予防方法もあるので、是非検討してみてください。
まとめ
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フィラリア予防は、感染したであろう月のミクロフィラリア(子虫)を次の月の薬で駆除することで、心臓への寄生を予防する方法です。
蚊がいるシーズンは必ず予防薬を与えることは知っていても、このメカニズムを知っていなければ「蚊がいた月に飲ませたから大丈夫」と勘違いしてしまい、一番重要な最後の投薬を見落としてしまいがちです。
一番最後の投薬をしなかったためにフィラリアに感染してしまった…というケースはとても多いため、せっかくの予防が台無しにならないよう最後までしっかりフィラリア予防をしていきましょう。
どうしても毎月の投薬が難しい人や、投薬忘れを確実に防ぎたい人は、注射で12ヶ月予防することも可能なので、ぜひ検討してみてくださいね。